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チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間

~今求められる消費者の品格~

BIZセミナーその他
更新日 : 2009年02月19日 (木)

第7章 中国に対して背を向けるわけにはいかない

サラ・ボンジョルニ: ボイコットで得たなかで最も大きな教訓というのは、中国に対して背を向けるわけにはいかないということです。中国に対して個人であれ国家であれ、かなり依存することを不安に思っていても、やはり背を向けることはできません。

例えば日本でも人気のある「きかんしゃトーマス」のおもちゃや、子どものジャケット、こういったものがすべて中国から来ているということが分かりました。男の子が着ている水着もそうです。こういったものは本当に普通のもので、アメリカの家庭では日常的にあるものですが、こういったアイテムが毎年毎年どんどん広がってきています。アメリカ人のなかには中国製品の安全性に関して不安に思い始めている人もいますが、にもかかわらず増えてきています。

2007年におもちゃのリコール問題があったあと、いろいろ情報を調べました。アメリカの消費者へのある世論調査の結果では、少なくとも58%のアメリカ人が「安全性の問題があるので中国製品を避けたい」と答えました。しかし、中国の製品はよりアメリカの生活の中に入り込んできています。ボイコットをしていた1年の間(2005年)、アメリカの対中貿易赤字は約2,010億ドルでした。2007年には約2,560億ドルに膨れ上がりました。
(その8に続く、全15回)

※この原稿は、2008年7月10日にカデミーヒルズで開催した「チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間~今求められる消費者の品格~」を元に作成したものです。尚、サラ・ボンジョルニのスピーチは英語で行われたため、翻訳しています。

関連書籍

チャイナフリー—中国製品なしの1年間

ボンジョルニ,サラ, 雨宮 寛, 今井 章子
東洋経済新報社

チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間 インデックス

該当講座

チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間
今求められる消費者の品格
Sara Bongiorni (ジャーナリスト)
坂東眞理子 (昭和女子大学学長)
雨宮寛 (コーポレートシチズンシップ代表取締役)
今井章子 (コーポレートシチズンシップ取締役)

中国——この急成長を遂げる屈指の製品輸出国ほど、21世紀のグローバル経済が引き起こす功罪に深く関わっている国はないでしょう。中国製品には、安心・安全、環境問題、格差問題、資源獲得競争、少子高齢化など、世界の多くの国が共有する社会問題が凝縮されているといってもいいでしょう。しかし、私たちはそうした問題....


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