記事・レポート
チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間
~今求められる消費者の品格~
BIZセミナーその他
更新日 : 2008年12月05日
(金)
第4章 チャイナフリーの実験で、親戚や家族関係に危機が生じることも
サラ・ボンジョルニ: 中国製品を避けるということは非常に難しくて、そのせいで友だちや親戚との関係がこじれてしまうということもありました。あくまでも私の家族の中のプロジェクトでしたから、友だちや親戚に対しては「中国製品をボイコットしてほしい」とは言いませんでした。ほかの人にお願いするというのは礼儀正しくないことに思えたからです。だから、例えば誰かが私たちに対して何かを買ってくれるときには中国製でもいいと思いました。
でも、友人も親戚も独自に決断をして、私たちにプレゼントをくれるときには中国製でないものを探そうとしてくれました。ただ例外が反抗的な私の母でして、わざとボイコットのルールを破って、私をからかっていました。子どもたちのために中国製品を買い続けたのです。
例えば、母はキャンプ用のスリーピングバッグを息子の5歳の誕生日に買ってくれました。そのときに母はどうしたかというと、黒のペンをつかって「Made in China」と書いてあるのを「Made in Chile(チリ製)」と書き換えました(笑)。それぐらいでは私はだまされません。
1年のボイコットの間、母は禁じられた中国製品を子どもたちに買い続けました。例えばアメリカで大人気のスクービー・ドゥーのおもちゃを買うことで、子どもたちからの人気が非常に上がったわけです。こういうおもちゃは、すべて中国製なんです。
中国製品を避けることによって、夫婦間や親子間の関係がこじれるということもありました。ボイコットの初期の段階で、私は自分の夫のケビンをこっそり「ウィーケストリンク」、弱点と呼んでいました。なぜかというと、私が見張っていないと夫は中国製品を買ってくるだろうと思ったからです。最初はこの名前をつけたことに関して、私も罪悪感を抱いていましたが、でも彼は中国製の絵筆をこっそり買って家に持ち込もうとしました。
そのとき私は妻として1つのジレンマに直面しました。ここで私が怒ってしまうと、夫はボイコットを完全にやめてしまうかもしれません。もともと彼のアイディアではなく私が言い出したことですし、彼としては「それほどいいアイディアではない」と思っていたからです。かといってここで私が優しい顔をしてしまうと、またボイコットのルールを夫は破ってしまうかもしれません。そして、もっと中国製品を買ってくるかもしれない。私が怒らなければ、「ルールを破っても何も怖くない」となるからです。
息子、ウェスの不満もありました。プロジェクターには、プラスチック製のハロウィンのかぼちゃを持っている息子の写真が映っていますが、アメリカで売られているハロウィンのデコレーションというのはすべて中国製です。写真ではウェスはうれしそうな顔をしています。でも、これを手にする前、ボイコットの期間中は中国製のかぼちゃを買うことはできないということを知らされたときは、彼は非常に大きな不満を抱いていました。
ウェスがどのようにして、ボイコット期間中に中国製のかぼちゃを手に入れるに至ったのかということについては、この本『チャイナフリー:中国製品なしの1年間』の中でも、私たちの体験の中でも、重要な瞬間でした。これは両親の理想と子どもの失望が衝突した瞬間だったのです。
でも、友人も親戚も独自に決断をして、私たちにプレゼントをくれるときには中国製でないものを探そうとしてくれました。ただ例外が反抗的な私の母でして、わざとボイコットのルールを破って、私をからかっていました。子どもたちのために中国製品を買い続けたのです。
例えば、母はキャンプ用のスリーピングバッグを息子の5歳の誕生日に買ってくれました。そのときに母はどうしたかというと、黒のペンをつかって「Made in China」と書いてあるのを「Made in Chile(チリ製)」と書き換えました(笑)。それぐらいでは私はだまされません。
1年のボイコットの間、母は禁じられた中国製品を子どもたちに買い続けました。例えばアメリカで大人気のスクービー・ドゥーのおもちゃを買うことで、子どもたちからの人気が非常に上がったわけです。こういうおもちゃは、すべて中国製なんです。
中国製品を避けることによって、夫婦間や親子間の関係がこじれるということもありました。ボイコットの初期の段階で、私は自分の夫のケビンをこっそり「ウィーケストリンク」、弱点と呼んでいました。なぜかというと、私が見張っていないと夫は中国製品を買ってくるだろうと思ったからです。最初はこの名前をつけたことに関して、私も罪悪感を抱いていましたが、でも彼は中国製の絵筆をこっそり買って家に持ち込もうとしました。
そのとき私は妻として1つのジレンマに直面しました。ここで私が怒ってしまうと、夫はボイコットを完全にやめてしまうかもしれません。もともと彼のアイディアではなく私が言い出したことですし、彼としては「それほどいいアイディアではない」と思っていたからです。かといってここで私が優しい顔をしてしまうと、またボイコットのルールを夫は破ってしまうかもしれません。そして、もっと中国製品を買ってくるかもしれない。私が怒らなければ、「ルールを破っても何も怖くない」となるからです。
息子、ウェスの不満もありました。プロジェクターには、プラスチック製のハロウィンのかぼちゃを持っている息子の写真が映っていますが、アメリカで売られているハロウィンのデコレーションというのはすべて中国製です。写真ではウェスはうれしそうな顔をしています。でも、これを手にする前、ボイコットの期間中は中国製のかぼちゃを買うことはできないということを知らされたときは、彼は非常に大きな不満を抱いていました。
ウェスがどのようにして、ボイコット期間中に中国製のかぼちゃを手に入れるに至ったのかということについては、この本『チャイナフリー:中国製品なしの1年間』の中でも、私たちの体験の中でも、重要な瞬間でした。これは両親の理想と子どもの失望が衝突した瞬間だったのです。
関連書籍
チャイナフリー—中国製品なしの1年間
ボンジョルニ,サラ, 雨宮 寛, 今井 章子東洋経済新報社
チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間 インデックス
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第1章 なぜ「中国製品を買わずに1年間生活してみよう」と思ったのか
2008年10月29日 (水)
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第2章 おもちゃや電気製品はもちろん、ブランドスーツも中国製
2008年11月10日 (月)
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第3章 中国製以外の子ども靴を見つけるのに2週間。かかったお金は約5倍
2008年11月21日 (金)
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第4章 チャイナフリーの実験で、親戚や家族関係に危機が生じることも
2008年12月05日 (金)
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第5章 「Made in China」以外にも中国製はある
2008年12月05日 (金)
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第6章 「安いから買う」という消費生活からの脱却
2009年01月29日 (木)
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第7章 中国に対して背を向けるわけにはいかない
2009年02月19日 (木)
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第8章 中国との貿易はいいことなのか、悪いことなのか
2009年03月04日 (水)
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第9章 「チャイナフリー」。言うは易く行うは難し
2009年03月11日 (水)
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第10章 グローバリゼーションは私たちの生活を本当に豊かにするのか
2009年03月19日 (木)
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第11章 たくさんの好きなものに囲まれる生活が一番豊かなのか?
2009年03月27日 (金)
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第12章 「ものの豊かさだけでは人間は幸せにはなれない」
2009年04月08日 (水)
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第13章 価格を追求するアメリカ、品質を追及する日本
2009年04月27日 (月)
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第14章 日本の親は、子どもが欲しがるものを何でも買い与えてしまう
2009年05月19日 (火)
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第15章 「恥知らずな生活」を見直そう
2009年06月04日 (木)
該当講座
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