記事・レポート
チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間
~今求められる消費者の品格~
BIZセミナーその他
更新日 : 2008年12月05日
(金)
第5章 「Made in China」以外にも中国製はある
サラ・ボンジョルニ: 次に学んだのは、たとえ「Made in China」というラベルがついているものを避けることに成功したとしても、それでも中国製品は家の中に知らない間に入り込んでしまうということでした。中国は調味料や医薬品素材の最大の輸出国なのです。例えば、アメリカで売られているリンゴジュースの8割は中国から来ています。抗生物質は世界の80%が中国からのものといわれています。
アメリカにおいては、薬のビンのラベル、あるいは食品の箱のラベルは、そういったことを書いていません。ですので、私たちはボイコットの期間中も、家の中に中国製品をたぶん持ち込んでしまったのではないかと思います。
ボイコット期間中、娘はほとんど毎日シリアルを食べていたのですが、その中には乾燥イチゴが入っています。このイチゴは中国から来た可能性が非常に高い。なぜかというと、アメリカで売られている乾燥フルーツの50%は中国から来ているからです。しかし、ボイコット期間中、私はそのことを知りませんでしたし、今でも中国から来ているかどうか定かではありません。箱にはそういった情報が書かれていないからです。
中国が実際につくったり売ったりしている商品には、少し考えられないような皮肉なものもあります。最近、季節のイベント、アメリカの独立記念日のための飾りつけを買いに行きました。何百ものたくさんのデコレーションや愛国心アイテムがありました。その中にはアンクルサムの人形や、「自由を響かせよう」とか「アメリカに神の祝福を」という標語が書いてあるようなボードもありました。それらはすべて中国製でした。
また、中国は世界で最大のおもちゃの生産国です。中国でつくられていないおもちゃを探すのは非常に大変です。中国製ではない子ども向け、お孫さん向けのおもちゃもいくつかはありますが、問題は、もしかしたらせっかく苦労して見つけたそうしたものを、お子さんやお孫さんは喜んでくれないかもしれないということです。ボイコットの最中、デンマークでつくられたレゴをたくさん買いましたが、私たちの息子は「もうレゴは買わないで」と訴えてくるようになりました。
自分でプレゼントをつくることもしました。手づくりで寝袋もつくりました。お店でもカタログでも寝袋を探してみたのですが、中国製しか見つけられませんでしたので、夫のケビンは韓国製の布を使い、そしてドイツ製の糸を使って、寝袋をつくったのです。
でもこれが成功したかどうかはわかりません。よく見ると布には「子どもの寝巻き、パジャマなどには使わないでください」と書いてありました。なぜかというと、燃えやすい布だったからです。つまり、中国だけが危険な製品をつくっているというわけではありません。私たちの家の中でも、実際に危険な製品がつくられていたということになります。
ボイコットの最中、私たちは多くのお金をドイツ製のおもちゃに使いました。非常によくできた木のおもちゃで趣味もいいものですが、残念ながら、少なくとも私たちの子どもたちはあまり趣味がよくなかったらしく、非常によくつくられた精巧なドイツなどのおもちゃをあまり好きではありませんでした。どちらかというと、安くてカラフルなプラスチックのおもちゃの方を好んだわけですが、そういうものはほとんどすべて中国製でした。
(その6に続く、全15回)
アメリカにおいては、薬のビンのラベル、あるいは食品の箱のラベルは、そういったことを書いていません。ですので、私たちはボイコットの期間中も、家の中に中国製品をたぶん持ち込んでしまったのではないかと思います。
ボイコット期間中、娘はほとんど毎日シリアルを食べていたのですが、その中には乾燥イチゴが入っています。このイチゴは中国から来た可能性が非常に高い。なぜかというと、アメリカで売られている乾燥フルーツの50%は中国から来ているからです。しかし、ボイコット期間中、私はそのことを知りませんでしたし、今でも中国から来ているかどうか定かではありません。箱にはそういった情報が書かれていないからです。
中国が実際につくったり売ったりしている商品には、少し考えられないような皮肉なものもあります。最近、季節のイベント、アメリカの独立記念日のための飾りつけを買いに行きました。何百ものたくさんのデコレーションや愛国心アイテムがありました。その中にはアンクルサムの人形や、「自由を響かせよう」とか「アメリカに神の祝福を」という標語が書いてあるようなボードもありました。それらはすべて中国製でした。
また、中国は世界で最大のおもちゃの生産国です。中国でつくられていないおもちゃを探すのは非常に大変です。中国製ではない子ども向け、お孫さん向けのおもちゃもいくつかはありますが、問題は、もしかしたらせっかく苦労して見つけたそうしたものを、お子さんやお孫さんは喜んでくれないかもしれないということです。ボイコットの最中、デンマークでつくられたレゴをたくさん買いましたが、私たちの息子は「もうレゴは買わないで」と訴えてくるようになりました。
自分でプレゼントをつくることもしました。手づくりで寝袋もつくりました。お店でもカタログでも寝袋を探してみたのですが、中国製しか見つけられませんでしたので、夫のケビンは韓国製の布を使い、そしてドイツ製の糸を使って、寝袋をつくったのです。
でもこれが成功したかどうかはわかりません。よく見ると布には「子どもの寝巻き、パジャマなどには使わないでください」と書いてありました。なぜかというと、燃えやすい布だったからです。つまり、中国だけが危険な製品をつくっているというわけではありません。私たちの家の中でも、実際に危険な製品がつくられていたということになります。
ボイコットの最中、私たちは多くのお金をドイツ製のおもちゃに使いました。非常によくできた木のおもちゃで趣味もいいものですが、残念ながら、少なくとも私たちの子どもたちはあまり趣味がよくなかったらしく、非常によくつくられた精巧なドイツなどのおもちゃをあまり好きではありませんでした。どちらかというと、安くてカラフルなプラスチックのおもちゃの方を好んだわけですが、そういうものはほとんどすべて中国製でした。
(その6に続く、全15回)
※この原稿は、2008年7月10日にカデミーヒルズで開催した「チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間~今求められる消費者の品格~」を元に作成したものです。尚、サラ・ボンジョルニのスピーチは英語で行われたため、翻訳しています。
関連書籍
チャイナフリー—中国製品なしの1年間
ボンジョルニ,サラ, 雨宮 寛, 今井 章子東洋経済新報社
チャイナ・フリー 中国製品なしで暮らす1年間 インデックス
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第1章 なぜ「中国製品を買わずに1年間生活してみよう」と思ったのか
2008年10月29日 (水)
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第2章 おもちゃや電気製品はもちろん、ブランドスーツも中国製
2008年11月10日 (月)
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第3章 中国製以外の子ども靴を見つけるのに2週間。かかったお金は約5倍
2008年11月21日 (金)
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第4章 チャイナフリーの実験で、親戚や家族関係に危機が生じることも
2008年12月05日 (金)
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第5章 「Made in China」以外にも中国製はある
2008年12月05日 (金)
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第6章 「安いから買う」という消費生活からの脱却
2009年01月29日 (木)
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第7章 中国に対して背を向けるわけにはいかない
2009年02月19日 (木)
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第8章 中国との貿易はいいことなのか、悪いことなのか
2009年03月04日 (水)
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第9章 「チャイナフリー」。言うは易く行うは難し
2009年03月11日 (水)
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第10章 グローバリゼーションは私たちの生活を本当に豊かにするのか
2009年03月19日 (木)
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第11章 たくさんの好きなものに囲まれる生活が一番豊かなのか?
2009年03月27日 (金)
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第12章 「ものの豊かさだけでは人間は幸せにはなれない」
2009年04月08日 (水)
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第13章 価格を追求するアメリカ、品質を追及する日本
2009年04月27日 (月)
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第14章 日本の親は、子どもが欲しがるものを何でも買い与えてしまう
2009年05月19日 (火)
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第15章 「恥知らずな生活」を見直そう
2009年06月04日 (木)
該当講座
中国——この急成長を遂げる屈指の製品輸出国ほど、21世紀のグローバル経済が引き起こす功罪に深く関わっている国はないでしょう。中国製品には、安心・安全、環境問題、格差問題、資源獲得競争、少子高齢化など、世界の多くの国が共有する社会問題が凝縮されているといってもいいでしょう。しかし、私たちはそうした問題....
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