記事・レポート
これからの東京~ビジネスと感性が融合する都市像~
更新日 : 2008年02月27日
(水)
第11章 経済も都市も「どん底」を見せれば、V字回復する
竹中平蔵: 経済も一度どん底までいかないと良くならないんです。これは重要なポイントです。例えば、バブルが崩壊したら国民の生活水準は下がる。生活水準が下がらないほうがおかしいんです。
97年のアジア通貨危機の時は、韓国でもタイでもGDPが10%ぐらい下がりました。しかし、どんと下がったからVシェイプ・リカバリーをした。日本もバブルが崩壊した時に同じことが起こってもおかしくなかったんだけど、公共事業をぶち込んで、国民の生活水準が下がらないように支えました。それでもジワジワ下がってきて、下がりきるのに10年もかかってしまったんです。
米倉誠一郎: レスター・サローというマサチューセッツ工科大学の教授が来日したとき、「バブルはどこでもあるんだ」と言いました。
偉大な科学者のニュートンでさえも、欧州でチューリップのバブルが起こったとき球根を買ったんです。ニュートンでさえバブルに乗っかって大損した。だけど、「それはどこでもある」ことだと言います。
大事なのは、これがバブルだ、バブル崩壊だとはっきりと国民に見せればよかったのに見せなかった。「地域振興券」なんて政策が平気でまかり通ったんですから、小泉・竹中路線の前は本当にひどいもんでしたね。駄目になるところにリソースをつぎ込んで、次の復活がなかなか見えない社会になってしまった。我々国民もそれを受け入れてしまった。
「やる気があってパワーのある人を応援する」というメンタリティになったほうが日本はよくなる。そうならないのは、実は人の問題なのかなと思うんですよ。大体こういうことを言うと叩かれるんですよね。竹中さんもずいぶん叩かれましたけど、慣れましたか(笑)。
竹中平蔵: 私、叩かれましたっけ?(笑)
米倉誠一郎: こういうのをね、カエルの面に何とかと言うんでしょうね(笑)。
97年のアジア通貨危機の時は、韓国でもタイでもGDPが10%ぐらい下がりました。しかし、どんと下がったからVシェイプ・リカバリーをした。日本もバブルが崩壊した時に同じことが起こってもおかしくなかったんだけど、公共事業をぶち込んで、国民の生活水準が下がらないように支えました。それでもジワジワ下がってきて、下がりきるのに10年もかかってしまったんです。
米倉誠一郎: レスター・サローというマサチューセッツ工科大学の教授が来日したとき、「バブルはどこでもあるんだ」と言いました。
偉大な科学者のニュートンでさえも、欧州でチューリップのバブルが起こったとき球根を買ったんです。ニュートンでさえバブルに乗っかって大損した。だけど、「それはどこでもある」ことだと言います。
大事なのは、これがバブルだ、バブル崩壊だとはっきりと国民に見せればよかったのに見せなかった。「地域振興券」なんて政策が平気でまかり通ったんですから、小泉・竹中路線の前は本当にひどいもんでしたね。駄目になるところにリソースをつぎ込んで、次の復活がなかなか見えない社会になってしまった。我々国民もそれを受け入れてしまった。
「やる気があってパワーのある人を応援する」というメンタリティになったほうが日本はよくなる。そうならないのは、実は人の問題なのかなと思うんですよ。大体こういうことを言うと叩かれるんですよね。竹中さんもずいぶん叩かれましたけど、慣れましたか(笑)。
竹中平蔵: 私、叩かれましたっけ?(笑)
米倉誠一郎: こういうのをね、カエルの面に何とかと言うんでしょうね(笑)。
これからの東京~ビジネスと感性が融合する都市像~ インデックス
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第1章:「アジアと欧米のゲートウェイを目指すには、まず、空港の自由化を」
2008年02月06日 (水)
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第2章 「東京はものすごくゆっくりしちゃったな、と感じます」
2008年02月06日 (水)
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第3章 「失われた 10年」より人の気持ちが後退したことが問題
2008年02月06日 (水)
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第4章 中国は現代アートも建築も熱い。しかし、日本は未だに実績主義です
2008年02月08日 (金)
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第5章 「金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない」
2008年02月12日 (火)
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第6章 見当違いの格差論が日本や東京の発展を阻む
2008年02月14日 (木)
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第7章 毎朝毎晩350万人が通勤する、こんな都市は世界に類がない
2008年02月18日 (月)
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第8章 毎年青森県分の人口が減る時代、国土政策、都市政策は決定的に変わる
2008年02月20日 (水)
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第9章 米国の知恵は、寂れた場所をしばらく放っておくこと
2008年02月22日 (金)
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第10章 東京の魅力づくりには、歴史をずる賢く使うセンスが必要です
2008年02月26日 (火)
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第11章 経済も都市も「どん底」を見せれば、V字回復する
2008年02月27日 (水)
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第12章 知的リソースが集積し、交流し、結合する都市へ
2008年02月29日 (金)
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第13章 人的交流のゲートウェイを目指すなら、東大の民営化を
2008年03月04日 (火)
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第14章 計画性より偶発的な集積や創発性が都市を変えていく?
2008年03月07日 (金)
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第15章 自由な発想や発展を阻むのは、日本の古い法風土
2008年03月11日 (火)
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第16章 日本を、東京を変えるには根元的な議論が必要
2008年03月14日 (金)
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12月24日 (火) 更新
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