記事・レポート
『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「異能の時代~ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」』
更新日 : 2008年06月11日
(水)
第1章 私が日債銀を辞めた理由
モデレーター(鳥山正博): おはようございます。私と星野さんはケロッグで同期(1988年卒)でした。一緒に遊んだり、同じクラスで彼女と組んだチームがナンバーワンになったり、卒業後も、日本マーケティング協会でマーケティングサイエンス研究会を共同主催させていただくなど、彼女の人生の大きな転換期をリアルタイムで目撃してきました。そういうご縁で今回、ファシリテーター役としてここに座っています。
では、星野さんに自己紹介と基調講演をしていただいて、その後、私の方からいろいろな質問をさせていただきます。
星野朝子: 私の専門はマーケティングリサーチで、実は「ダイバーシティ」は私の専門ではないのです。でも、日産のダイバーシティは経営の革新とともに注目されている上、ダイバーシティ関連でいろいろな賞をいただき、実はその火付け役が私だったりするものですから、今日はその話をさせていただきたいと思います。
私は大学を卒業して、当時、男女差なく門戸を開いていた数少ない企業の一つであった日本債券信用銀行に入りました。バックグラウンドが計量経済だったので、調査部で経済の予測とか金利予測など数量モデルと戯れながら仕事をしたいなと思って、当初から「調査部、調査部、調査部で働きたい!」と叫んでいたのですがなぜか配属されたのは国際金融部でした。
私は根っからポジティブな性格なので、配属されたらされたで、見ることやること初めてのことばかりでしたので、最初の1年ぐらいはほとんど勉強ばかり、楽しくさせていただきました。リスケ、シンジケートローン、ディーリングと、いろいろな分野を経験しました。そのうちに国際証券が台頭してきたり、フューチャー、オプションなどのデリバティブが出てきたりと、そんな時代だったのです。
国際金融部では、周りの男性は全員MBAで、海外支店経験者でした。当時の自分の弱みは海外のボロワーとのネットワーキングで、彼らのニーズがわからないと、やはりちゃんとしたスキームが組めないわけです。国際金融部で海外の支店の経験がないのは私だけでしたので、本当に素直に「海外の支店に行かせてほしい」とボスに依頼をしました。
すると、ボスから「その通りだ、じゃあちょっと行って来てください」と言われたので、いつ辞令が出るのかなと楽しみにしていました。そんなある日、人事部長から会議室に呼ばれたのですが、そこで「君の上司からあなたをロンドン支店にと言われたのだけれど、うちは女性を海外に送った前例がないんですよね」と言われたのです。
私としては「So What?」で、ニコニコしながら「で?」みたいな顔をたぶんしていたのでしょう。人事部長は、「いや、だから前例がないんです。従いまして、大切なお嬢様をお預かりしている当行としては、女性を海外支店に軽々に派遣できない」と言われました。
私は大学時代、一人でイギリスに留学して住んでいた経験もあるので、一体何が問題なのかさっぱりわからなかったですね。
結局、人事部長からは「ちょっと待ってくれ」と言われました。私が男になるまで待てというつもりだったのでしょうか(笑)。私は「この会社を辞めなければ」と愕然とする思いで会議室を出ていったのです。
では、星野さんに自己紹介と基調講演をしていただいて、その後、私の方からいろいろな質問をさせていただきます。
星野朝子: 私の専門はマーケティングリサーチで、実は「ダイバーシティ」は私の専門ではないのです。でも、日産のダイバーシティは経営の革新とともに注目されている上、ダイバーシティ関連でいろいろな賞をいただき、実はその火付け役が私だったりするものですから、今日はその話をさせていただきたいと思います。
私は大学を卒業して、当時、男女差なく門戸を開いていた数少ない企業の一つであった日本債券信用銀行に入りました。バックグラウンドが計量経済だったので、調査部で経済の予測とか金利予測など数量モデルと戯れながら仕事をしたいなと思って、当初から「調査部、調査部、調査部で働きたい!」と叫んでいたのですがなぜか配属されたのは国際金融部でした。
私は根っからポジティブな性格なので、配属されたらされたで、見ることやること初めてのことばかりでしたので、最初の1年ぐらいはほとんど勉強ばかり、楽しくさせていただきました。リスケ、シンジケートローン、ディーリングと、いろいろな分野を経験しました。そのうちに国際証券が台頭してきたり、フューチャー、オプションなどのデリバティブが出てきたりと、そんな時代だったのです。
国際金融部では、周りの男性は全員MBAで、海外支店経験者でした。当時の自分の弱みは海外のボロワーとのネットワーキングで、彼らのニーズがわからないと、やはりちゃんとしたスキームが組めないわけです。国際金融部で海外の支店の経験がないのは私だけでしたので、本当に素直に「海外の支店に行かせてほしい」とボスに依頼をしました。
すると、ボスから「その通りだ、じゃあちょっと行って来てください」と言われたので、いつ辞令が出るのかなと楽しみにしていました。そんなある日、人事部長から会議室に呼ばれたのですが、そこで「君の上司からあなたをロンドン支店にと言われたのだけれど、うちは女性を海外に送った前例がないんですよね」と言われたのです。
私としては「So What?」で、ニコニコしながら「で?」みたいな顔をたぶんしていたのでしょう。人事部長は、「いや、だから前例がないんです。従いまして、大切なお嬢様をお預かりしている当行としては、女性を海外支店に軽々に派遣できない」と言われました。
私は大学時代、一人でイギリスに留学して住んでいた経験もあるので、一体何が問題なのかさっぱりわからなかったですね。
結局、人事部長からは「ちょっと待ってくれ」と言われました。私が男になるまで待てというつもりだったのでしょうか(笑)。私は「この会社を辞めなければ」と愕然とする思いで会議室を出ていったのです。
『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「異能の時代~ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」』 インデックス
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第1章 私が日債銀を辞めた理由
2008年06月11日 (水)
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第2章 CFTの目的は、各ファンクションへのチャレンジ
2008年06月19日 (木)
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第3章 ダイバーシティとは多様な人材を生かす戦略
2008年06月26日 (木)
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第4章 ダイバーシティ・ディベロプメント・オフィスの設立
2008年07月04日 (金)
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第5章 女性が生産ラインで働くと、"品質"が上がる?
2008年07月15日 (火)
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第6章 以前はマネージャー2,500人の内、女性は5人のみだった
2008年07月24日 (木)
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第7章 なぜ高品質・低価格に商品でも売れないのか
2008年08月01日 (金)
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第8章 "共感"には3つのプロセスモデルがある
2008年08月13日 (水)
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第9章 共感(エンパシー)は、同情(シンパシー)とは違う
2008年08月22日 (金)
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第10章 自分の価値観を押し付けてはいけない
2008年09月01日 (月)
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第11章 ケロッグで得た最大のものはネットワーク
2008年09月11日 (木)
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第12章 星野流「虎の威を借る」営業戦略
2008年09月25日 (木)
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第13章 「自分じゃないとだめ」という居場所探し
2008年10月03日 (金)
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第14章 ウィメンズフォーラムからの4つのメッセージ
2008年10月17日 (金)
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