記事・レポート
ビジネスとクリエイティブの新しい関係
ライフスタイルサロン「編集力シリーズ」第二回 ゲスト:佐藤可士和
更新日 : 2009年06月25日
(木)
第3章 編集力でブランドの本質を磨き上げる
佐藤可士和: 僕は、別に政府から頼まれたわけではありませんが、日本をうまく世界にプレゼンテーションしたいと、ずっと勝手に思ってきました。文化的な側面で言えば、例えば浮世絵や紋様など、日本人は昔から表現するグラフィックデザインに長けていたと思いますし、そういう日本の優れたところを現代的に表したいと。実際にユニクロの仕事をして、日本はカルチャー的にグローバルで非常にリスペクトされていると感じました。
ユニクロの世界戦略の一環で、一昨年(2007年)から『UT』というTシャツのブランディングを始めました。柳井さんは、世界一のTシャツブランドを作りたい、とずっとおっしゃっていました。ユニクロには圧倒的な種類のTシャツがありますが、Tシャツ自体はあまりにも一般的なもので、単に「ユニクロのTシャツ」では捉えどころがなかったので、これを短くアイコン化し、『UT』というブランドを立ち上げました。
「たくさんの種類や量のTシャツをつくれるというユニクロの強みが、逆に一つひとつのコンテンツが際だたないという弱みになってしまっている。その問題を解決してほしい」と依頼されたので、何か大量なものを1つのフォーマットで売る方法ってないかなと考えていたら、飲料のペットボトルは、ラベルだけ変わって中身が紅茶、コーヒー、水などになっていることに思い至り、Tシャツをペットボトルに入れてカテゴリー分けをして売るといいかもしれない、と思いつきました。
ユニクロの世界戦略の一環で、一昨年(2007年)から『UT』というTシャツのブランディングを始めました。柳井さんは、世界一のTシャツブランドを作りたい、とずっとおっしゃっていました。ユニクロには圧倒的な種類のTシャツがありますが、Tシャツ自体はあまりにも一般的なもので、単に「ユニクロのTシャツ」では捉えどころがなかったので、これを短くアイコン化し、『UT』というブランドを立ち上げました。
「たくさんの種類や量のTシャツをつくれるというユニクロの強みが、逆に一つひとつのコンテンツが際だたないという弱みになってしまっている。その問題を解決してほしい」と依頼されたので、何か大量なものを1つのフォーマットで売る方法ってないかなと考えていたら、飲料のペットボトルは、ラベルだけ変わって中身が紅茶、コーヒー、水などになっていることに思い至り、Tシャツをペットボトルに入れてカテゴリー分けをして売るといいかもしれない、と思いつきました。
既存の原宿のユニクロを「UT」のフラッグシップショップに変え、「Tシャツの未来のコンビニエンスストア」というコンセプトのもとで、ペットボトルに入れたTシャツをコンビニのリーチインクーラーのような什器で売る空間をつくり、ロンドンやニューヨークでも『UT』を導入しました。サブブランド化することによって、先進的で尖ったイメージをユニクロのブランドアクションとして行うコミュニケーション戦略です。
原宿の店が外国人の観光名所にもなりましたので、ユニクロというブランドを引っ張っていく施策としては、成功したのかなと思います。
これらは、僕がつくり出したというよりも、ユニクロのもともとあるいいところを再編集してプレゼンテーションした編集力の仕事だと思います。
僕が着手してから2年ちょっと。たくさん投資もしているのですが、戦略的にブランドの本質を磨いて、社会にちゃんとプレゼンテーションしていくと人々に理解されていくのだと思います。ユニクロの仕事で、皆さんがびっくりするようなことをこれからもやっていきたいと思っています。
原宿の店が外国人の観光名所にもなりましたので、ユニクロというブランドを引っ張っていく施策としては、成功したのかなと思います。
これらは、僕がつくり出したというよりも、ユニクロのもともとあるいいところを再編集してプレゼンテーションした編集力の仕事だと思います。
僕が着手してから2年ちょっと。たくさん投資もしているのですが、戦略的にブランドの本質を磨いて、社会にちゃんとプレゼンテーションしていくと人々に理解されていくのだと思います。ユニクロの仕事で、皆さんがびっくりするようなことをこれからもやっていきたいと思っています。
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