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折れない心をつくる

メガストレス時代のメンタルタフネス術:渡部卓
〜ケロッグ経営大学院 モーニング・セッションより

BIZセミナー経営戦略キャリア・人
更新日 : 2015年02月06日 (金)

第6章 ストレスの状態を知るためのチェックリスト

渡部卓(帝京平成大学 現代ライフ学部 教授 株式会社ライフ バランス マネジメント研究所 代表取締役 )

 
抑うつ気分と興味・関心の喪失に注目

渡部卓: メンタルタフネスを高めるための第一歩は、自分のストレスの状態を知ることです。まずは、ご自身でできるチェックがあります。診断基準は9項目あり、大前提として、最初の2項目のうち、どちらかが当てはまること。2つとも「いいえ」の場合は、あまり心配する必要はないでしょう。

ストレス チェックリスト①

(1) 憂うつで重苦しい気分が続いている。
(2) 周りの物事や活動に興味や喜びを感じられない。

1つ目は「抑うつ気分」です。毎日のように不安やイライラが続き、生活に支障が出ている。物事を悲観的に考えてしまい、苦しいくらいに気分が落ち込んでいる。2つ目は「興味・関心の喪失」です。心身が健康であれば、どのようにプロジェクトを進めようか、週末はどこに出かけようかなど、仕事や生活に対する興味・関心が出てきますが、すべてどうでもいいと感じるようになり、物事に対する喜怒哀楽の感情も乏しくなっていきます。前述の2項目と次の7項目で合計5つ以上当てはまり、それらが2週間以上続いている場合は要注意です。
ストレス チェックリスト②

(3) 著しい食欲の減退・増進、体重の増減がある。
(4) 眠れない、寝過ぎ、夜中や早朝に何度も目が覚める。
(5) イライラして落ち着かない、焦燥感がある。動作や思考が遅くなり、物事がはかどらない。
(6) すぐに疲れる。意欲が湧かない、気力が減退している。
(7) 自分を「価値のない人間、悪い人間」と考えてしまう。
(8) 思考力の低下、集中力の減退、決断困難が続いている。
(9) 「死」について繰り返し考えてしまう。

うつ病の人は、寝付きが悪い、ぐっすり眠れない、夜中に何度も目が覚める(眠りが浅い)、起床時間のだいぶ前に目が覚めてしまう、昼夜逆転してしまうといった傾向があります。また、日本人は慢性的な疲れを訴える人も多いと言われています。日曜の夜になると、なぜか疲れを感じてしまう、月曜日以降の仕事が心配になり、暗い気分になるという人はご注意ください。土日できちんとリフレッシュできていないのかもしれません。

こうした状態が長く続くと、自分の存在が他人に迷惑をかけているのではないか、消えて無くなりたいなどと考えるようになり、やがて死について思いを巡らせるようになります。


該当講座

折れない心を作る

~経営戦略としてのメンタルタフネス経営~

折れない心を作る
渡部卓 (帝京平成大学 現代ライフ学部 教授 株式会社ライフ バランス マネジメント研究所 代表取締役  )

渡部 卓(㈱ライフバランスマネジメント研究所代表)
急激な変化、不確実性の拡大、グローバル化の進展など、厳しい経営環境において結果を出すことが期待されている現代のビジネスパーソンは、これまでにないプレッシャーの中で成果を出すことが求められています。ストレスに負けず、メンタルタフに生きるにはどうしたらいいのか?渡部氏がお話します。


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