記事・レポート
これからの時代に求められる学びのスタイル:茂木健一郎×波頭亮
私塾がコモディティ化しない人材をつくる
グローバルキャリア・人ビジネススキル政治・経済・国際
更新日 : 2012年11月20日
(火)
第7章 1,000時間、正しい努力をすればレベルアップできる
波頭亮: 例えば経済政策について、経済評論家、エコノミスト、大学の経済の先生などと話すことがありますが、それで食っている人と、素人さんや新聞を読んでいるだけの人では、やはり議論の広がりや深さ、問題の核心の理解の仕方でグレード感が違います。
1つのグレードを超えるための努力の総量は、多分どんな分野でも1,000時間単位だと思います。だからグレードを1つ上げたいのであれば、1,000時間単位の努力を覚悟してください。そのとき、楽なことを2,000時間やっても意味がありません。つらいものを1,000時間単位でやって、はじめてグレードが上がるのです。Deliberate Practice(よく考えられた練習)を頑張っていただきたいと思います。くれぐれも「必死で頑張って300枚もエントリーシートを書きました」みたいなバカな間違いは犯さないでください。
「そうは言っても、さっきのバイオリニストの調査結果を聞く限り、18歳までに累積で2,000時間違っていたら、ひっくり返せないじゃないか」とおっしゃる方がいるかもしれません。でもそれは、バイオリニストとして世界トップレベルになるならば、です。ビジネスマンや研究者なら、追いつけると思います。
1年間は約8,700時間ですから、1,000時間というのは、年間の約8分の1です。1日の8分の1は3時間ですから、寝る時間を頑張って1時間削り、遊ぶ時間を1時間削り、仕事を効率化して1時間削れば確保できます。年間1,000時間は不可能な話ではありません。
それこそ緒方洪庵の適塾の話のように、枕がないことに何年も気づかないような状態で頑張れば、1,000時間なんて半年とか四半期で達成できる時間です。たった数年で自分のグレードを変えることができるのだと認識して、努力の総量を増やし、鍛錬に結びつく頑張りをしていただきたいと思います。
1つのグレードを超えるための努力の総量は、多分どんな分野でも1,000時間単位だと思います。だからグレードを1つ上げたいのであれば、1,000時間単位の努力を覚悟してください。そのとき、楽なことを2,000時間やっても意味がありません。つらいものを1,000時間単位でやって、はじめてグレードが上がるのです。Deliberate Practice(よく考えられた練習)を頑張っていただきたいと思います。くれぐれも「必死で頑張って300枚もエントリーシートを書きました」みたいなバカな間違いは犯さないでください。
「そうは言っても、さっきのバイオリニストの調査結果を聞く限り、18歳までに累積で2,000時間違っていたら、ひっくり返せないじゃないか」とおっしゃる方がいるかもしれません。でもそれは、バイオリニストとして世界トップレベルになるならば、です。ビジネスマンや研究者なら、追いつけると思います。
1年間は約8,700時間ですから、1,000時間というのは、年間の約8分の1です。1日の8分の1は3時間ですから、寝る時間を頑張って1時間削り、遊ぶ時間を1時間削り、仕事を効率化して1時間削れば確保できます。年間1,000時間は不可能な話ではありません。
それこそ緒方洪庵の適塾の話のように、枕がないことに何年も気づかないような状態で頑張れば、1,000時間なんて半年とか四半期で達成できる時間です。たった数年で自分のグレードを変えることができるのだと認識して、努力の総量を増やし、鍛錬に結びつく頑張りをしていただきたいと思います。
関連書籍
突き抜ける人材
波頭亮, 茂木健一郎PHP研究所
関連リンク
これからの時代に求められる学びのスタイル:茂木健一郎×波頭亮
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第3章 なぜ日本から世界的なネットベンチャーが誕生しないのか?
2012年11月13日 (火)
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第4章 生徒のやる気を出させる「適塾」システムのすすめ
2012年11月15日 (木)
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第5章 日本の学生と社会人に欠けているのは「努力の総量」
2012年11月16日 (金)
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第6章 傑出した能力を育てるポイントは、累積の努力の量とその中身
2012年11月19日 (月)
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第7章 1,000時間、正しい努力をすればレベルアップできる
2012年11月20日 (火)
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第8章 世の中の問題に文系・理系の線引きはない
2012年11月22日 (木)
該当講座
私塾がコモディティ化しない人材をつくる
~これからの時代に求められる学びのスタイル~
茂木 健一郎(脳科学者)
波頭 亮(経営コンサルタント)
いま求められるコモディティ化しない人材を育成するためには、これまでの標準的な人材を生んできた教育システムでは限界があります。本セミナーでは、「今までのやり方と古い常識にとらわれずに自分で考え、自分で行動することができる」人材を育てる一つの試みとして、私塾の可能性に注目します。新しい時代に即した私塾とは?茂木氏と波頭氏が議論します。
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