石倉洋子のグローバル・ゼミ

ゼミでの失敗を糧に、世界へ

グローバル•アジェンダ•ゼミナールのメインファシリテーター、石倉洋子さんに聞く

更新日 : 2009年11月02日 (月)

第2章 語学は頻度。失敗を怖れず、使うこと


語学力をつけるコツってなんでしょう。

語学は道具です。ですからなるべく多く使うこと、場数を踏むことが一番大事。私も、留学して英語力がついたのですが、帰ってきて使わなかったらあっという間に忘れてしまいました。ヒアリングも聞き取れなくなるし、話すのもしどろもどろ。「何、これ?大変だ!」という感じ(笑)。それで「毎日やらないとダメだ」と悟ったのです。それからフリーの通訳をしたりして、意識して英語に触れる機会を増やしました。今は英語で教えているから毎日使う環境にいます。

日本にいると、英語で会話する機会はどうしても少なくなります。

続けることが、語学力をつける鉄則です。私もヒアリング力を保つために、毎日ポッドキャスト(Podcast:ネット上に公開された音声や動画のデータファイル)を聴いています。中学、高校レベルのテキストを音読、丸暗記することもおすすめです。

英語の好きな歌を覚えるのも良いです。私は歌が好きだったので、ちょうどその頃流行っていたビートルズの歌詞を丸暗記して、歌っていました。今でもビートルズの曲はほとんど歌えます。当時は歌詞の内容なんて全然わかりませんでしたが(笑)。

この間ブロードウェイで「ウェストサイド•ストーリー」を観ましたが、とても感激したので、昔の映画のDVDを借りて観ました。どの曲も歌えたので、自分でもびっくりしました(笑)。歌詞カードがついているし、好きな歌は何度も聞くので覚えるのです。

今回のゼミも英語が中心になります。なかには「参加したいのだけれど、語学力に自信がないから」とためらわれる方もいらっしゃると思うのですが……。

そんな心配は全然しなくていいです。英語は道具。道具は使えば使うほどうまくなります。料理も毎日やればどんどん手際がよくなっていくのと同じ。英語も使ってみることが大切なのです。

日本人は「人前で恥をかきたくない」という意識が強すぎるのかもしれません。

私なんか恥のかき通し(笑)。言葉は間違えないと覚えない。間違えることを怖れていては何もできません。新しいことも同じ。新しいことに挑戦すれば失敗も多い。でも、失敗を怖れていては新しいことは何もできません。「間違ってもいい、恥をかいてもいい」という気持ちで、まずやってみることが大事です。今回のゼミをぜひそうした場にしてほしいと思っています。

(文・構成 太田三津子/撮影 御厨慎一郎)

プロフィール

石倉洋子
石倉洋子

一橋大学名誉教授


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