記事・レポート
一人ひとりが世界を変える方法
マイクロソフトから途上国の子供たちに教育支援をする“天職”に出会うまで
更新日 : 2009年07月06日
(月)
第2章 フォーカスしている5つのプログラム
ジョン・ウッド: なぜ教育がそれほど重要なのでしょうか。私たちが命をかけてやっている理由は、教育というものは、そのほかのものにも非常に影響があるからです。教育を与えると、その子に対して経済的な力を与えることができます。自己実現、エンパワーメント、健康状態の改善もできますし、さらには緩やかな人口増加につながります。より平和的、繁栄的な世界になるわけです。
子どもたちに教育を与え、そして貧困から抜け出させない限りは、持続可能な経済活動というものは成り立たないということを、ビジネスリーダーとして再度認識する必要があるのです。
ルーム・トゥ・リードは現在8カ国で活動しています。アジアとサハラ以南のアフリカです。私が初めにヤクと一緒に旅をしたネパールから始まり、そこから東南アジアのベトナム、ラオス、カンボジア、そしてインドやスリランカ、南アフリカ、ザンビアで活動しています。貧困にあえいでいる国では、教育への大きなニーズがあります。
私の目的は、より多くの国で活動することです。そのためには財政の援助が必要です。世界の豊かな国から財政援助をいただき、必要なところにそれを届けたいと思っています。ルーム・トゥ・リードには5つの主要プログラムがあります。私はビジネスパーソンですので、何かにフォーカスをするということはとても重要だと思っています。
学校建設プログラムでは、子どもたちの親御さんも関与しています。図書館や読書室を作るプログラムがあります。また、クメール語、ベトナム語、タイ語、ネパール語など、それぞれ現地語で読める図書出版を考えております。女子教育に関しては、男女平等ということを提言していくために、女の子に奨学金によるチャンスを与えようとしています。もうひとつがコンピュータや語学教室のプログラムです。
今日は、特に図書館のお話をしたいと思います。すばらしい生徒たちが、このルーム・トゥ・リードのプログラムに参加しています。例えば、Thaoというラオスの女の子がいます。ルーム・トゥ・リードは、こうした子どもたちが困難な人生を送らないようにサポートしています。Thaoはルーム・トゥ・リードの奨学金を得られたことで学校に行けるようになりました。学費、制服、通学のための交通費も彼女に支払います。
子どもたちに教育を与え、そして貧困から抜け出させない限りは、持続可能な経済活動というものは成り立たないということを、ビジネスリーダーとして再度認識する必要があるのです。
ルーム・トゥ・リードは現在8カ国で活動しています。アジアとサハラ以南のアフリカです。私が初めにヤクと一緒に旅をしたネパールから始まり、そこから東南アジアのベトナム、ラオス、カンボジア、そしてインドやスリランカ、南アフリカ、ザンビアで活動しています。貧困にあえいでいる国では、教育への大きなニーズがあります。
私の目的は、より多くの国で活動することです。そのためには財政の援助が必要です。世界の豊かな国から財政援助をいただき、必要なところにそれを届けたいと思っています。ルーム・トゥ・リードには5つの主要プログラムがあります。私はビジネスパーソンですので、何かにフォーカスをするということはとても重要だと思っています。
学校建設プログラムでは、子どもたちの親御さんも関与しています。図書館や読書室を作るプログラムがあります。また、クメール語、ベトナム語、タイ語、ネパール語など、それぞれ現地語で読める図書出版を考えております。女子教育に関しては、男女平等ということを提言していくために、女の子に奨学金によるチャンスを与えようとしています。もうひとつがコンピュータや語学教室のプログラムです。
今日は、特に図書館のお話をしたいと思います。すばらしい生徒たちが、このルーム・トゥ・リードのプログラムに参加しています。例えば、Thaoというラオスの女の子がいます。ルーム・トゥ・リードは、こうした子どもたちが困難な人生を送らないようにサポートしています。Thaoはルーム・トゥ・リードの奨学金を得られたことで学校に行けるようになりました。学費、制服、通学のための交通費も彼女に支払います。
もう1つ重要なのは、彼女が図書館にアクセスできるようにしたことで、自分の国の言葉で学ぶことができるようになりました。図書室がオープンしたときに、彼女は手紙を書いてくれました。その手紙には「本を読むことが夢でした」とありました。「今では毎晩、本を家に持って帰り、弟や隣近所の子どもたちのために、木の下で毎日読んであげている」と。さらには、本が読めない両親にも読んであげているということでした。
ご両親は、娘が学校に行き、本を読むことを非常に誇りに思っているそうです。このように、平和に、よい近隣の人の中で生活をしていける子どもたちを増やしていきたいと思っているのです。
私たちの最初のプロジェクトは3,000冊の蔵書を持つ1つの図書館でした。ここから急速に成長し、もちろん日本からも、ヨーロッパから、北米からもサポートをいただきました。今年度(2008年度)末までには、7,000カ所以上の図書館と、725校の学校を開設しようと思っています。
現在、奨学金の対象となっているのは7,000人近い女の子たちで、昨年(2007年)は、98.5%の女の子たちが、進級することができました。これはサンフランシスコ、カリフォルニアでの進級率よりも高いのです。
サマーキャンプでは、奨学金制度に参加している人たちに視野を広げてもらうということで、例えば空港に連れて行ったり、博物館に連れて行ったりします。ある女の子は、「いつだって、自分は農作業と縫製工場で誰かに使われて一生終わると思っていた。でも、そうじゃないということがわかった」と書いています。新しい体験をして視野を広げること、可能性に目を開くということ、それは男の子にとっても同じです。
ご両親は、娘が学校に行き、本を読むことを非常に誇りに思っているそうです。このように、平和に、よい近隣の人の中で生活をしていける子どもたちを増やしていきたいと思っているのです。
私たちの最初のプロジェクトは3,000冊の蔵書を持つ1つの図書館でした。ここから急速に成長し、もちろん日本からも、ヨーロッパから、北米からもサポートをいただきました。今年度(2008年度)末までには、7,000カ所以上の図書館と、725校の学校を開設しようと思っています。
現在、奨学金の対象となっているのは7,000人近い女の子たちで、昨年(2007年)は、98.5%の女の子たちが、進級することができました。これはサンフランシスコ、カリフォルニアでの進級率よりも高いのです。
サマーキャンプでは、奨学金制度に参加している人たちに視野を広げてもらうということで、例えば空港に連れて行ったり、博物館に連れて行ったりします。ある女の子は、「いつだって、自分は農作業と縫製工場で誰かに使われて一生終わると思っていた。でも、そうじゃないということがわかった」と書いています。新しい体験をして視野を広げること、可能性に目を開くということ、それは男の子にとっても同じです。
関連書籍
マイクロソフトでは出会えなかった天職—ぼくはこうして社会起業家になった
ウッド,ジョン, 矢羽野 薫【訳】ランダムハウス講談社
一人ひとりが世界を変える方法 インデックス
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第1章 子どもの教育は世界を変える
2009年06月17日 (水)
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第2章 フォーカスしている5つのプログラム
2009年07月06日 (月)
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第3章 強いチームワークと世界に広がるチャプター
2009年07月24日 (金)
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第4章 組織の成長とパートナーシップでめざす持続可能な社会
2009年08月07日 (金)
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第5章 マイクロソフトで学んだこと
2009年08月20日 (木)
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第6章 「批判家のための銅像は1つもない」
2009年09月01日 (火)
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第7章 組織のマネジメントとコミュニケーションのポイント
2009年09月14日 (月)
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第8章 現地の文化を尊重すること、熱意を持ってやり遂げること
2009年09月29日 (火)
該当講座
『マイクロソフトでは出会えなかった天職(原題:Leaving Microsoft To Change the World)』の著者、ソーシャルアントレプレナーのジョン・ウッド氏による特別セミナーです。 マイクロソフトのエグゼクティブであった氏が、非営利団体ルーム・トゥ・リード(Room to Re....
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