記事・レポート
一人ひとりが世界を変える方法
マイクロソフトから途上国の子供たちに教育支援をする“天職”に出会うまで
更新日 : 2009年06月17日
(水)
第1章 子どもの教育は世界を変える
マイクロソフトを辞め、貧困地域の子どもたちに教育の場を提供することを決意したジョン・ウッド氏。非営利団体Room to Readを立ち上げ、チャリティにビジネスの手法を導入し、確実に成果をあげています。氏のリーダーシップや結果を出す組織づくり、そして一人の行動が世界を変える様にご注目ください。
スピーカー:ジョン・ウッド(Room to Read CEO)
モデレーター:米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
ジョン・ウッド: ルーム・トゥ・リードの東京チャプターを始めてから、この2年間で5回目の東京訪問になります。青い空、太陽も輝き、空気も澄んでいて、銀杏の並木道の間を走るのは非常に楽しいことですので、12月に東京に来られたことをとてもうれしく思っております。
私たちルーム・トゥ・リードの信念は非常にシンプルです。「子どもの教育は世界を変える」ということです。もし皆さんが世界を変えたいのであれば、ぜひ教育から始めてほしいと考えます。子どもたちに、よりよい将来、そしてよりよい生活を与えることができるのです。
ここに来ている方々は、皆さんすばらしい教育を受けていると思います。そしてその結果として、非常によい生活を得て、平和で繁栄している社会の中に住んでおられるのです。
世界の貧困環境で育っている子どもたちの目標もそこなのです。ルーム・トゥ・リードを始めたのは、教育の力を信じていたからです。私はネパールのようなところをよく旅しました。そこの子どもたちは教育を受ける機会がありません。学校も、図書館も、あるいは本もありませんでした。
そんなところに、1人の男と1頭のヤクが3,000册の本を運び、1つの図書館をつくったことから活動が始まったのです。
私たちルーム・トゥ・リードの信念は非常にシンプルです。「子どもの教育は世界を変える」ということです。もし皆さんが世界を変えたいのであれば、ぜひ教育から始めてほしいと考えます。子どもたちに、よりよい将来、そしてよりよい生活を与えることができるのです。
ここに来ている方々は、皆さんすばらしい教育を受けていると思います。そしてその結果として、非常によい生活を得て、平和で繁栄している社会の中に住んでおられるのです。
世界の貧困環境で育っている子どもたちの目標もそこなのです。ルーム・トゥ・リードを始めたのは、教育の力を信じていたからです。私はネパールのようなところをよく旅しました。そこの子どもたちは教育を受ける機会がありません。学校も、図書館も、あるいは本もありませんでした。
そんなところに、1人の男と1頭のヤクが3,000册の本を運び、1つの図書館をつくったことから活動が始まったのです。
私は1999年にマイクロソフトを辞め、方向を変えて、貧困地域の子どもたちの教育に私の人生を使おうと決めました。起業家精神を持ってスタートアップしたことで、非常に短期間で世界中に何千もの図書館をつくることができました。
私は果たして犠牲を払ったのでしょうか? もしそうだとしても、私は幸福を感じることができましたし、この犠牲は実に価値があったと思います。もちろんマイクロソフトはいい会社でしたけれど、教育を求めている人たちにリーチするために会社を辞めるということは、それほど大きなことではないように私には思えました。
最初の日から、私たちは「1,000万人の子どもたちに教育という贈り物を与える」ということを目標にしました。
ビジネスには大きなビジョンが必要ですが、私の信念からすると、チャリティの観点でも大きなビジョンが必要だと思います。世界にはたくさんの人間がいますから、私たちが社会の中でできる変化を大局的に考えないと、この世界をよりよくしていくことはできません。
世界中には、多くの読み書きができない人たちがいます。7億7千万もの人々が識字できず、このうちの98%が第三世界、いわゆる貧困にあえいでいる人たちです。7,700万人の10歳以下の子どもたちが、朝起きて制服を着ることもなく、ランドセルを背負って学校に行くことも、机に座って勉強することもないのです。子どもたちが学校に行けないような世界で私たちは生き続けていけるのでしょうか?
リッチである私たちは、リーダーシップというものを失っているのではないか? ここを私たちとしては提言していきたい、そして変えていきたいと思っています。
学校に行く権利を与える必要のある全世界の子どもたちのうち、3分の2が女の子です。これは悲劇です。もちろん男の子もいます。でも、私の場合、母が教育を受けていたという恩恵がありました。つまり、女性を教育することができなければ、その女性の子どもたち、孫たち、ひ孫たちの教育も与えられないということになるのです。
皆さん、この女性の問題を決して軽く見ないでください。これは人類的な問題です。私たちの住む世界の中ではどこでも、女の子たちは学校に行かなければならないのです。
私は果たして犠牲を払ったのでしょうか? もしそうだとしても、私は幸福を感じることができましたし、この犠牲は実に価値があったと思います。もちろんマイクロソフトはいい会社でしたけれど、教育を求めている人たちにリーチするために会社を辞めるということは、それほど大きなことではないように私には思えました。
最初の日から、私たちは「1,000万人の子どもたちに教育という贈り物を与える」ということを目標にしました。
ビジネスには大きなビジョンが必要ですが、私の信念からすると、チャリティの観点でも大きなビジョンが必要だと思います。世界にはたくさんの人間がいますから、私たちが社会の中でできる変化を大局的に考えないと、この世界をよりよくしていくことはできません。
世界中には、多くの読み書きができない人たちがいます。7億7千万もの人々が識字できず、このうちの98%が第三世界、いわゆる貧困にあえいでいる人たちです。7,700万人の10歳以下の子どもたちが、朝起きて制服を着ることもなく、ランドセルを背負って学校に行くことも、机に座って勉強することもないのです。子どもたちが学校に行けないような世界で私たちは生き続けていけるのでしょうか?
リッチである私たちは、リーダーシップというものを失っているのではないか? ここを私たちとしては提言していきたい、そして変えていきたいと思っています。
学校に行く権利を与える必要のある全世界の子どもたちのうち、3分の2が女の子です。これは悲劇です。もちろん男の子もいます。でも、私の場合、母が教育を受けていたという恩恵がありました。つまり、女性を教育することができなければ、その女性の子どもたち、孫たち、ひ孫たちの教育も与えられないということになるのです。
皆さん、この女性の問題を決して軽く見ないでください。これは人類的な問題です。私たちの住む世界の中ではどこでも、女の子たちは学校に行かなければならないのです。
関連書籍
マイクロソフトでは出会えなかった天職—ぼくはこうして社会起業家になった
ウッド,ジョン, 矢羽野 薫【訳】ランダムハウス講談社
一人ひとりが世界を変える方法 インデックス
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第1章 子どもの教育は世界を変える
2009年06月17日 (水)
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第2章 フォーカスしている5つのプログラム
2009年07月06日 (月)
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第3章 強いチームワークと世界に広がるチャプター
2009年07月24日 (金)
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第4章 組織の成長とパートナーシップでめざす持続可能な社会
2009年08月07日 (金)
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第5章 マイクロソフトで学んだこと
2009年08月20日 (木)
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第6章 「批判家のための銅像は1つもない」
2009年09月01日 (火)
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第7章 組織のマネジメントとコミュニケーションのポイント
2009年09月14日 (月)
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第8章 現地の文化を尊重すること、熱意を持ってやり遂げること
2009年09月29日 (火)
該当講座
『マイクロソフトでは出会えなかった天職(原題:Leaving Microsoft To Change the World)』の著者、ソーシャルアントレプレナーのジョン・ウッド氏による特別セミナーです。 マイクロソフトのエグゼクティブであった氏が、非営利団体ルーム・トゥ・リード(Room to Re....
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