記事・レポート

カフェブレイク・ブックトーク「辞書、辞典の季節」

更新日 : 2008年06月25日 (水)

第9章 電子・インターネット辞典

澁川雅俊: 以上は主に印刷された辞典の話ですが、そのほかに私たちは普段電子辞書やインターネット辞典も使っています。

電子辞書では、Ex-word(カシオ)、パピルス(シャープ)、SII電子辞書(セイコーインスツル)などがありますが、それらそれらは印刷辞典の電子化された(ボーン・デジタル)データを搭載して適正な検索機能を付加したモノで、携帯に便利とされ、従来の印刷辞典のポケット版を駆逐しつつあるようです(※10)。

また私はGooleの辞書をしょっちゅう使っていますし、漢字の書き方が分からないときなどはAtok15で調べたりしています。それらは大変便利なものです。が、文章を推敲するときにはやはり印刷辞典の特大辞典か机上辞典を参照することにしています。

(※10)仄聞したことですが、私が住んでいる杉並のある小学校図書室でも子どもたちの要望で電子辞書を架蔵することになったということです。

また東京新聞に最近、「英和辞典はもう不要か」というコラムが書かれていました。印刷版辞典と電子辞書の狭間で、何か落ち着かないおとなの想いがよく表れているので、リンクしておきます。「英和辞典はもう不要か」(2008年2月3日 東京新聞TOKYO Web「私説・論説室から」)

この教師と子どものお父さんの議論がかみ合わないのは、一方がコンピュータシステムの機能・効率を重視しているのに対して、いま一方が印刷体のレキシコグラフィックシステム(紙の本の辞・事典特有の構造)の特性、その第一が紙面の一覧性だが、それぞれ異なった原理で辞典の話をしているからと考えられます。
「英和辞典はもう不要か」(2008年2月3日 東京新聞TOKYO Web「私説・論説室から」)