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カフェブレイク・ブックトーク「辞書、辞典の季節」

更新日 : 2008年06月04日 (水)

第6章 特殊国語辞書・辞典

澁川雅俊

澁川雅俊: 総合国語辞典には、この他に小型サイズの小辞典あるいはポケット辞典がありますが、それを割愛して、特殊国語辞典について触れたいと思っています。

特殊国語辞典とは何でしょうか。図書の分類法である日本十進分類では、次のような類型があるとしています。

まず故事辞典、熟語・慣用語辞典(現在流通している辞典数:302件)があります。例えば『中国古典の便利辞典-名言・名詩・故事から生き方を学ぶ』(向嶋成美監修、07年小学館刊)、『特選暮らしの本-四字熟語辞典』(米津千之編著、06年有紀書房)、『出典のわかる故事成語・成句辞典』(遠藤哲夫著、05年明治書院刊)、『大修館四字熟語辞典』(田部井文雄編、04年大修館書店刊)などがそれにあたります。

次に類語辞典・同義語辞典・反義語辞典(79件)があります。このタイプの辞典は他の辞典類とは異なる特性がありますので、後でもう少し詳しくのべたいと思います。

それから古語辞典(155件)があります。高校時代に少しばかりお世話になりましたが、例えば『三省堂全訳読解古語辞典』(鈴木一雄他編、07年三省堂刊)、『詳解俳句古語辞典』(宗田安正監修、05年学習研究社刊)、『全訳古語例解辞典〔第3版〕』(北原保雄編、98年小学館刊)がそうです。

また新語辞典・流行語辞典・外来語辞典(380件)などがあります。有名なのでは『現代用語の基礎知識』『朝日キーワード』『イミダス』、『知恵蔵』などですが、『カタカナ・外来語/略語辞典〔全訂版〕』(06年自由国民社刊)、『デイリーコンサイスカタカナ辞典』〔第2版〕』(06年三省堂刊)などもこのタイプの特殊辞典です。

さらに隠語辞典・俗語辞典(54件)というものがあります。『マタギ語辞典』(板橋義三著、08年星雲社刊)、『日本俗語辞典』(米川明彦編、03 年東京堂出版刊)、『江戸風俗語事典』(三好一光編、02年青蛙房刊)などがこれに当たります。なお『隠語大辞典』(木村義之他編、2000年皓星社刊)はこの種の辞典で最大のものです。

さらにまた方言辞典(51件)があります。このタイプの辞典は結構多いのですが、最近あまり出版されていないようです。

そして最後に、擬音語・擬態語辞典(2件)を挙げておきます。これについてもこの後で少々触れておきたいと思っています。

関連書籍

中国古典の便利辞典—名言・名詩・故事から生き方を学ぶ

向嶋 成美【監修】
文芸春秋

特選・暮しの本 四字熟語辞典—大きな文字で読みやすい

米津千之
有紀書房

出典のわかる故事成語・成句辞典

遠藤哲夫
明治書院

大修館 四字熟語辞典

田部井文雄
大修館書店

三省堂 全訳読解古語辞典

鈴木一雄 外山映次【編者代表】 伊藤博 小池清治【編集幹事】
三省堂

詳解 俳句古語辞典

宗田安正
学習研究社

全訳古語例解辞典 (第三版)

北原 保雄
小学館

カタカナ・外来語/略語辞典 (全訂版)

堀内克明 「現代用語の基礎知識」編集部
自由国民社

デイリーコンサイスカタカナ語辞典 (第2版)

三省堂編修所
三省堂

マタギ語辞典

板橋義三
星雲社

日本俗語大辞典

米川明彦
東京堂出版

江戸風俗語事典 (新装版)

三好一光
青蛙房

隠語大辞典

木村義之 小出美河子【編】
皓星社