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ハフィントンポストは日本で新たな言論コミュニティを形成できるか?

松浦編集長が語る、ネットメディアの課題と未来

経営戦略政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2014年03月13日 (木)

第4章 分析力が拡散を生み出す

松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)

 
分析結果を記事に即時フィードバック

松浦茂樹: ニュースメディアは、多くの方々に触れてもらえなければ、存在意義はありません。影響力のある記事を作り出し、拡散(インフルエンス)していく上では、当然ながら様々なソーシャルメディアを活用しています。たとえば、記事の上部にツイッター、フェイスブックのボタンを置いています。また、米国版はGoogle+ですが、日本では「はてなブックマーク」を採用しています。ここまでは、他のニュースメディアでも同じだと思います。

ハフポストの最大の強みは、分析力です。編集者や記者は、自らが書いた記事のみならず、ユーザーの反応についても、すべての責任を負います。そのため、1人ひとりがソーシャルメディアやSEOを活用しながら、常時ユーザーの反応を分析しています。反応が芳しくなければ、すぐに記事タイトルを変える。あるいは、記事の配列を変える。従来のニュースメディアのように、記事を出したら終わり、ではないのです。分析結果をすぐに記事へとフィードバックし、拡散を促す。そのスピードを担保する仕組みを確立している点が、他のニュースメディアとの違いです。

この点については、米国版などで蓄積された数多くのデータとノウハウが活かされています。実際に米国版では、フェイスブックやツイッターなど、ソーシャルメディアからサイトを訪問する数(流入数)が非常に多い。特に、フェイスブックでシェアされるニュースコンテンツの数は、全米ナンバーワンとも言われています。

日本版のツイッターやフェイスブックのフォロワー数は、創刊から数週間のうちに1万以上を集めることができ、流入数、記事のシェア数も日々伸びています。当然ですが、「フォロワー買い」などは一切行っていません。流入数については、いままで私が経験してきたメディアのなかで、最も多いと感じているほどです。

こうした仕組みは、私が編集長候補として説明を受けた際、最も興味をかき立てられた点でした。実際に内部の人間となり、記事を1つのプロダクトとして回す独特のPDCAサイクルを知り、感動すら覚えました。現在は、ソーシャルゲームの世界でも同じようなことが行われています。しかし、ニュースメディアにおいて、この仕組みを確立しているケースは、非常に珍しいと思います。

ハフポスト日本版は、コアターゲット、エンゲージメント、インフルエンスの3点において、従来の日本のニュースメディアにはなかった手法を取り入れていくことで、未来に向けた良質な言論空間をつくり出そうとしているのです。

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田端信太郎 (LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)

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日本版ローンチから2ヶ月を経たからこそ見えてきた、現状、課題、今後の仕掛けなど松浦氏に伺います。また、ネットメディアのプロフェッショナルお二人ならではの視点で展開される対談を通じて、企業にとってのコミュニケーションツールとしての可能性や、ネットメディア全体の未来について考えます。


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