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ハフィントンポストは日本で新たな言論コミュニティを形成できるか?

松浦編集長が語る、ネットメディアの課題と未来

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更新日 : 2014年03月05日 (水)

第1章 世界規模の読者参加型ニュースメディア

2013年5月、大きな注目を集めるなか、『ハフィントンポスト』日本版が創刊されました。米国版では、オバマ大統領をはじめ、多数の著名人がブロガーとして寄稿。4,600万人ものユーザーが月間800万件のコメントを投稿するなど、最も影響力を持つネットメディアに成長しています。今回登壇いただくのは、ハフィントンポスト日本版編集長の松浦茂樹氏と、ネットメディアを熟知する田端信太郎氏。共にBLOGOSの立ち上げに携わり、業界の第一線で活躍してきたお二人が考える「良質な言論コミュニティ」とは? 日本のネットメディアの未来を垣間見るセッションとなりました。

スピーカー:松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)
モデレーター:田端信太郎(LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)

松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)
松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)

 
編集長に就任するまで

松浦茂樹: 『ハフィントンポスト』(以下、ハフポスト)日本版の編集長を務める松浦茂樹です。システムエンジニアとしてスタートし、ライブドア在籍中には本日のモデレーターである田端信太郎さんと一緒に、メディア事業を手掛けました。このときはポータルサイト事業の統括を担当し、BLOGOSをはじめ、TechWave、MarketHackなど、いわゆるブログメディアの立ち上げに携わりました。

その後、一時休刊していた『WIRED日本版』が再刊行されるという話を聞き、コンデナスト・ジャパンへと移り、雑誌では1~3号、ウェブマガジンでは約9カ月、お手伝いしました。次に、ソーシャルメディアよりもスマートフォンで最先端のことが学びたいと考え、2012年3月にGREEへと移りました。同社はゲーム事業で有名ですが、私は主にニュースやビジネスに関連した事業に携わりました。

2012年末、アジアでは初進出となるハフポスト日本版の編集長候補に推薦していただき、幾度かの面談を経て、正式に編集長となりました。2013年3月に入社し、1カ月ほどの準備期間を経て、5月7日にハフポスト日本版がスタートしました。世界では6カ国目となります。



58秒ごとに1本の記事が生まれる

松浦茂樹: ハフポストは、2005年に米国の著名なコラムニスト、アリアナ・ハフィントン氏が立ち上げた新しいオンラインニースメディアです。最初はブログの集合体、いわゆるアグリゲーションメディア(※編注)としてスタートしましたが、現在はブログやニュースなどをベースに、ユーザーの活発な意見交換が行われる場となっています。

急成長を遂げたきっかけは、2008年と2012年に行われた米国大統領選挙です。特にオバマ氏が初当選した2008年は、様々な意見を持つブロガーの記事が多くのユーザーに読まれ、アクセス数を飛躍的に伸ばしました。2011年2月には、米国の大手インターネットサービス企業AOLに3億1,500万ドルで買収され、世界展開が始まりました。同年5月にはニューヨーク・タイムズを抜き、全米ナンバーワンのニュースサイトとなっています。2012年4月、8カ月にわたる連載企画「戦場を越えて」により、ジャーナリズムの最高峰であるピューリッツァー賞を受賞しています。

現在は米国のほか、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、カナダで展開しており、2013年10月にはドイツ版もスタートします。英語圏以外では、地元の大手メディアとアライアンスを組み、運営しています。フランスではル・モンド紙、スペインはエル・パイス紙などです。日本版では、朝日新聞社と提携しています。

全世界の合計で見ていくと、月間のページビュー(PV)は15億PV。参加ブロガー数は3万人、編集者・記者は500人、1日当たり1,600本もの記事がアップされています。つまり、58秒ごとに1本、新しい記事が配信されている。こうした規模感を持ちながら、全世界で展開しています。

※編注
アグリゲーションメディア
ネット上の様々なニュース、ブログ記事などを収集し、テーマごとに整理して情報発信するメディア。アグリゲーション(Aggregation)は集約、集合体の意。

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松浦茂樹 (ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)
田端信太郎 (LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)

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田端信太郎(LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)
日本版ローンチから2ヶ月を経たからこそ見えてきた、現状、課題、今後の仕掛けなど松浦氏に伺います。また、ネットメディアのプロフェッショナルお二人ならではの視点で展開される対談を通じて、企業にとってのコミュニケーションツールとしての可能性や、ネットメディア全体の未来について考えます。


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