記事・レポート
ハフィントンポストは日本で新たな言論コミュニティを形成できるか?
松浦編集長が語る、ネットメディアの課題と未来
経営戦略政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2014年03月10日
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第2章 ハフポストの差別化戦略
コアターゲットは団塊ジュニア
松浦茂樹: コアターゲット、エンゲージメント、インフルエンス。この3つは、ハフポストの特徴を示す重要なキーワードです。1つずつ説明していきます。
ハフポスト日本版のコアターゲットは、40歳前後の「団塊ジュニア」です。私自身も、1974年生まれの団塊ジュニア世代です。少子化の流れを踏まえれば、今後の日本において団塊ジュニア以上に人口が突出する世代は、まず現れないでしょう。したがって、現在のマジョリティである団塊ジュニアの意見が、今後10年の日本社会の流れに大きな影響を及ぼすと考えられます。
しかし、現在の日本社会からは、団塊ジュニアの“声”は聞こえてこない。もしくは、声は発しているけれども、きちんと社会に届いていない。ハフポスト日本版を立ち上げるにあたり、私はこのような問題意識を持っていました。
10年後、団塊ジュニアは日本社会のなかで重要な位置を占めるようになります。彼らはより良い10年後に向けて、いま、日本をどのように変えていきたいと考えているのか。私は彼らの声を顕在化し、広く社会に発信したいと考えました。ハフポスト日本版は、社会を変えていく当事者である団塊ジュニアが、リアルな意見を発信する場、活発な議論を通して未来を語り合う場となることを目指しています。
変えるのは、あなた
松浦茂樹: 団塊ジュニアに向けて、どのようなコンテンツを通して問題提起していくのか。この世代を取り巻く問題は数多くあります。私たちは立ち上げに際して、3つのオリジナル企画をスタートさせました。「いま、日本で働くということ」は、ブラック企業やノマドワークなどをキーワードに、従来の働き方に疑問を投げかけ、問題点を洗い出すインタビュー記事です。「変えるのは、あなただ。」は、実際に社会を変えるアクションを起こしている方々へのインタビューを通じて、あるべき10年後に向けた行動のあり方を提起しています。
「『子育てしやすい国』の条件」は、少子化や待機児童の問題を中心に、それらの解決の糸口を探るレポートです。その一環として、先日、少子化についてユーザーの声を募り、投稿されたコメントをまとめて、森雅子少子化担当大臣に届けました。同時に、少子化対策について大臣にインタビューを行い、オリジナルレポートをまとめています。
こうしたコンテンツの提供においては、「当事者意識」を最も重視しています。私たちのスタッフは、団塊ジュニア世代が大半を占め、さらに男女比半々の構成としています。政治や経済など、硬派な内容が中心となると、どうしても男性の数が多くなりがちです。しかし、この世代の女性もまた、多くの問題に直面しています。そうした観点から、たとえば、出産や育児に関する記事を書くのは、現在進行形で子育てをしている女性が担当しています。雇用に関する記事は、様々な働き方を経験したスタッフが担当します。当事者ならではの実感を込めた記事を発信することで、読者には、より具体的に伝わり、問題意識を持っていただくことができると考えています。
関連書籍
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ハフィントンポストは日本で新たな言論コミュニティを形成できるか? インデックス
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第1章 世界規模の読者参加型ニュースメディア
2014年03月05日 (水)
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第2章 ハフポストの差別化戦略
2014年03月10日 (月)
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第3章 記事から生まれるコミュニケーション
2014年03月11日 (火)
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第4章 分析力が拡散を生み出す
2014年03月13日 (木)
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第5章 声を発することから、世の中が変わる
2014年03月14日 (金)
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第6章 どのような意見を反映するのか?
2014年03月17日 (月)
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第7章 ニュースサイト上の議論から、世の中は良い方向へ変わる?
2014年03月18日 (火)
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第8章 ネットとリアル、場のバランス
2014年03月24日 (月)
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第9章 ネットメディアが抱える現場取材への課題
2014年03月25日 (火)
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第10章 “健全”な言論コミュニティは存在しうるのか
2014年03月27日 (木)
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第11章 ウソの情報はいずれ修正される
2014年03月31日 (月)
該当講座
ハフィントンポストは日本で新しい言論コミュニティを形成できるか?
~話題のニュースサイト日本上陸から2ヶ月、松浦編集長が語る「仕掛け」と「挑戦」~
松浦茂樹(ザ・ハフィントン・ポスト日本版 編集長)
田端信太郎(LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)
日本版ローンチから2ヶ月を経たからこそ見えてきた、現状、課題、今後の仕掛けなど松浦氏に伺います。また、ネットメディアのプロフェッショナルお二人ならではの視点で展開される対談を通じて、企業にとってのコミュニケーションツールとしての可能性や、ネットメディア全体の未来について考えます。
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