記事・レポート
グローバル・アジェンダ・シリーズ
2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力
個人の思いとつながりから始まる21世紀の地球貢献
ビジネススキルキャリア・人政治・経済・国際グローバル
更新日 : 2013年06月19日
(水)
第8章 思いを語り続けることが広がりとつながりを生む
石倉洋子: 企業は、相手にするのは大変ですが、スケールの大きなことにつながります。しかし、個人の場合、大きなインパクトを出すのは結構難しいように思います。特に個人を対象と捉えた場合の難しさはありますか?
中村俊裕: 確かに企業の場合はロジカルに説明をすると、すんなり通ることは多いです。個人には、もっと感情に訴求していく必要性を感じています。そもそも、コペルニクの寄付のシステムは、一般の人にとっては少しややこしいところがあります。個人を対象にしたクラウドファンディングも最近立ち上げたので、今後はもっと簡潔なメッセージをつくり、一人ひとりの共感を生み出せればと考えています。
大澤亮: shAIRは主に個人を対象にしています。感情に訴えるという意味で、もっとエンタメ性を取り入れたいと考えています。なおかつ、大きなインパクトを出すために、時にはビッグコンテンツもほしいところです。ローレン・ブッシュさんが来日した時に、ウェルカム・パーティの告知でshAIRを使ったところ、それだけで230人集まりました。スピーチだけでなく、パーティというエンタメ性を取り入れて、話題性のある方に登場してもらうと、本来のミッションの周知もしやすくなります。このあたりを意識しながら、個人にも訴求していければと考えています。
石倉洋子: なるほど。そうして自分たちの思いを広げていく中で、具体的にどのような活動をされていますか?
中村俊裕: 最初のステップは、色々な人と話をすること。誰にでも話します。大きなつながりになっていくと、もう少しストラテジックにアプローチできるようになります。我々がはじめにアプローチしたのはCFR(外交問題評議会)。アメリカの著名な政治家や世界的企業の重役などで構成されたグループです。ここにコンタクトを取り、話をさせてもらいました。その中で、誰が貧困削減に興味を持ち、誰が影響力を持っているのかを見極めながら、どんどんアプローチしていったわけです。
大澤亮: 私も中村さんとほぼ同様ですが、強く意識していたのは、できるだけ大きな組織、大きな企業と手を組むこと。すると一気に知名度も向上していくのです。大きな組織や企業とどうして提携できたかというと、大半は人からの紹介です。色々な人たちにビジョンを語り、紹介に次ぐ紹介を経て、目的の人物と話をさせてもらい、何とかコラボできる所までこぎつける。なかば強引なところもありますが、結果的にはそれが多くの個人に広がるきっかけになりました。
グローバル・アジェンダ・シリーズ
2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力 インデックス
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第1章 国連の中で感じた途上国支援の限界
2013年06月03日 (月)
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第2章 ラストマイルにテクノロジーを届けたい
2013年06月05日 (水)
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第3章 企業と現地のニーズを踏まえたビジネスモデルづくり
2013年06月07日 (金)
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第4章 原点はタンザニアで覚えた違和感
2013年06月10日 (月)
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第5章 ファッションを通じて世界と個人をつなぐ
2013年06月12日 (水)
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第6章 新しいビジネスを生み出すためのステップ
2013年06月14日 (金)
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第7章 起業に求められるものとは? —パネルディスカッション—
2013年06月17日 (月)
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第8章 思いを語り続けることが広がりとつながりを生む
2013年06月19日 (水)
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第9章 ソーシャルビジネスの実際
2013年06月21日 (金)
該当講座
2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力
~既存の枠組みから飛び出し、たどり着いた地球貢献のかたち~
中村 俊裕(米国NPOコペルニク共同創業者・CEO)
大澤 亮(㈱Piece to Peace代表)
石倉 洋子(慶應義塾大学大学院教授)
今回のセミナーでは、過去に伝統的な途上国支援の現場に携わり、そこからブレークスルーを生み出した2人の若き起業家にゲストとしてお越しいただきます。BOPビジネスに熱い視線を送る日本企業との関係や、グローバル人材育成、ファッション大国の日本ができること等にも触れながら、2人のスピーカーを通じて既存の枠組みを超えて活動するために必要な力について考えます。
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