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人を巻き込む人脈力。好奇心と行動力が人を動かす

島田昭彦 X 藤巻幸夫が語った、一流の人脈術

更新日 : 2009年09月09日 (水)

第6章 相手とつながり続けるコツは細く、長く、ゆるく

島田昭彦氏(左)藤巻幸夫氏(右)
島田昭彦氏(左)藤巻幸夫氏(右)

会場からの質問: ご両親から学ばれたことで、1つだけ挙げるとしたらどんなことでしたか?

藤巻幸夫: 僕は両親にめちゃくちゃ愛されたんですよ。人を大切にするということを両親から教えられた気がしますね。人間関係はそれに尽きるかなという気がします。

島田昭彦: 子どものときから言われ続けているのは、「“ありがとう”の言葉を必ず伝えなさい」ということ。これ、なかなか言いづらいんですよね、タイミング逃しちゃったりして。昔は親から言われて「うっとうしいな」と思っていたのですけれど、言ってみると気持ちがいいんですね。お互い。

それから、「ご縁を大切にすること」。お世話になった人には、きちんと「ありがとう」を伝えて縁をつなぐ。つまり、相手への思いをきちんと言葉にして伝えるということです。いまだに京都の実家に帰ると、言われています。

会場からの質問: 初対面の人や、昔の知り合いに連絡する適確なタイミングは意外と難しい気がします。おふたりはどのようにしていますか?

島田昭彦: 初対面の相手の脳裏には、僕について何かインプレッションを刻み込んでもらうことを意識しています。趣味なり、得意分野なり、自分の特徴あることを相手に一つ覚えてもらう。そして、近いタイミングでおそば屋さんに誘うとか、ちょっと短時間でもいいからタッチポイントを持つようなことは意識してやっていますね。初対面の人なら、出会って1、2週間で行動を起こす。そうすれば、そこから2、3年会わなくても、細く長くつながっていける気がします。

藤巻幸夫: 僕はさみしがり屋なんですよ。30代中頃は、週末によくパーティを開いていました。異業種交流会というより、とにかくそのときに出会った人をどんどん誘って。今でも、知り合いを集めて食事会というのはしょっちゅうやっていますし、小中高の同窓会の幹事もやっているし、昔のパーティの仲間との付き合いも続いています。

人はそれを「まめ」と言うのかもしれないけれど、それよりも人が好きなんですよ。なかなか頻繁にメールや電話はできないけれど、たまにこういう場をもうけて、パーッとみんなで楽しんで、ゆるくつながっていくようなきっかけをつくることだと思います。

島田昭彦氏(左)藤巻幸夫氏(右)
島田昭彦氏(左)藤巻幸夫氏(右)
藤巻幸夫氏
会場からの質問: いろんな方と出会う機会が多いと思いますが、そのぶん取捨選択もされている思います。人を選ぶ基準、わだかまりを残さずに人脈を切る方法はありますか?

藤巻幸夫: 若いときは、ずいぶんいろんな人に「会いたい」と手紙やファックス、電報を送ったりしていました。今も「ここぞ」というときには、僕は手紙を書きます。ひと手間掛けて気持ちを伝える。DMもそうですよね。いろいろなセールのDMが来ますけれど、ただ印刷されただけのカードなら捨てますが、やっぱり1行書いてあると「おやっ」と思うわけです。

相手から「もらう」だけではなく、自分が「したい」という動機がないと、人脈はつくれません。特にビジネスでは自分に力がないと、自分で努力をしないと、相手は離れていきます。離れないのは、相手が友達である場合です。

だから「人脈」と「友達」の垣根って難しいのですが、僕はやっぱり「人脈」というからには、仕事だけじゃなくても私生活でも何か一緒にできる「友達」の要素もあってほしいと思います。

島田昭彦: 僕は人脈を「切る」ことはしないですね。結果的に、気の合う人は続いていくし、離れていく人は離れていく、ぐらいの考え方だったりします。

人脈をつくるうえでは「会うことを楽しむ」が大切です。苦手なタイプで会うことを楽しめない相手も仕事のなかではあるでしょう。けれども、肯定的な態度で会うことを楽しんでいるうちに、自然と関係が生まれてくることもあります。そういう可能性を含めて、「人と出会うことを楽しむ」ことができたらと思います。(終)

関連書籍

一流の人脈術—デキる人は皆やっている

島田昭彦
明日香出版社