記事・レポート
人を巻き込む人脈力。好奇心と行動力が人を動かす
島田昭彦 X 藤巻幸夫が語った、一流の人脈術
更新日 : 2009年07月21日
(火)
第2章 人との出会いは、点を線にする。次なるテーマを教えてくれる
島田昭彦: 僕は立教大学を卒業しているのですが、実は、1年だけ京都の同志社大学に通っていました。京都生まれの京都育ちの僕が、大学を再受験までして東京に出てきているのには、わけがあります。
僕は1964年3月1日に京都の中心部、格子戸のある職人の家で生まれました。父は家紋を描く職人で、家はしつけやしきたりがとても厳しかったんです。例えば、男子大学生なのにもかかわらず、僕には門限がありました。父親は朝6時から起きて仕事をしていましたから、僕にも「深夜に飲み歩いて帰ってくるような生活を送るな」というわけです。それで京都が嫌で嫌で外に出たいという気持ちが抑え切れなくなり、京都を飛び出したのです。
窮屈な京都は嫌だ——そんな思いが少しずつ変わってきたのは35歳の頃です。『Number』の取材で世界のいろんな国を知るほど、日本や京都について目覚めはじめました。イタリアのペルージャに試合取材に行った際、スタジアムの切符もぎのおばちゃんが僕にたずねました。「あなた、どこから来たの?」「日本です」「いや、国を聞いているんじゃなくて、どこの町?」「京都です」と言うと、田舎町の切符もぎのおばちゃんが深くうなづいて「京都は知っている。世界遺産がたくさんある」そんなことを言うんです。
そのとき、自分の中に湧き起こった感情。目からウロコが落ちました。もしかして京都というのは、自分の中でもう一度、発見すべき何かがあるのではないかと思うようになったのです。
僕は1964年3月1日に京都の中心部、格子戸のある職人の家で生まれました。父は家紋を描く職人で、家はしつけやしきたりがとても厳しかったんです。例えば、男子大学生なのにもかかわらず、僕には門限がありました。父親は朝6時から起きて仕事をしていましたから、僕にも「深夜に飲み歩いて帰ってくるような生活を送るな」というわけです。それで京都が嫌で嫌で外に出たいという気持ちが抑え切れなくなり、京都を飛び出したのです。
窮屈な京都は嫌だ——そんな思いが少しずつ変わってきたのは35歳の頃です。『Number』の取材で世界のいろんな国を知るほど、日本や京都について目覚めはじめました。イタリアのペルージャに試合取材に行った際、スタジアムの切符もぎのおばちゃんが僕にたずねました。「あなた、どこから来たの?」「日本です」「いや、国を聞いているんじゃなくて、どこの町?」「京都です」と言うと、田舎町の切符もぎのおばちゃんが深くうなづいて「京都は知っている。世界遺産がたくさんある」そんなことを言うんです。
そのとき、自分の中に湧き起こった感情。目からウロコが落ちました。もしかして京都というのは、自分の中でもう一度、発見すべき何かがあるのではないかと思うようになったのです。
ちょうど同じ頃、かねてから知り合いだったある人物からこんなことを聞かれました。「島田さんの実家は、家紋を描く仕事と聞きましたが、ルイ・ヴィトンのモノグラムのマークが日本の家紋をルーツにしていることをご存じでしたか?」ルイ・ヴィトンのシンボルであるLとVと花のマーク、これは実は日本の家紋がルーツになっているのです。1900年初頭のパリ万博のときに、当代のヴィトンの代表が日本の着物や家具についている家紋を見て、「これをモチーフにして、自分たちのトレードマークにしよう」と決めたのだそうです。
その人物とのつながりがあって、ルイ・ヴィトン150周年事業に関わるようになりました。のちに、この事業のチーフをつとめた女性が「インドでルイ・ヴィトンの新しい展開します。そこで日本の文化を発信しましょう」と声を掛けてくれました。そこで、日本料理をつくる京都の職人をインドに連れていくプロジェクトにかかわらせていただきました。
すべて人のつながりの中から、新しいテーマが次々と生まれていきました。編集者時代はスポーツという文化を発信していたのですが、京都という文化を世界に発信することに興味をもつようになりました。それは、京都の職人の家に生まれ育った僕にできることなのではないか。そんなことを考え出したのが、イタリアでの経験があった35歳あたりです。そして今、僕は「人」「モノ」「事」「文化」をクリップして、何か新しいものを生み出すことを仕事にしています。
その人物とのつながりがあって、ルイ・ヴィトン150周年事業に関わるようになりました。のちに、この事業のチーフをつとめた女性が「インドでルイ・ヴィトンの新しい展開します。そこで日本の文化を発信しましょう」と声を掛けてくれました。そこで、日本料理をつくる京都の職人をインドに連れていくプロジェクトにかかわらせていただきました。
すべて人のつながりの中から、新しいテーマが次々と生まれていきました。編集者時代はスポーツという文化を発信していたのですが、京都という文化を世界に発信することに興味をもつようになりました。それは、京都の職人の家に生まれ育った僕にできることなのではないか。そんなことを考え出したのが、イタリアでの経験があった35歳あたりです。そして今、僕は「人」「モノ」「事」「文化」をクリップして、何か新しいものを生み出すことを仕事にしています。
関連書籍
一流の人脈術—デキる人は皆やっている
島田昭彦明日香出版社
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