記事・レポート

人を巻き込む人脈力。好奇心と行動力が人を動かす

島田昭彦 X 藤巻幸夫が語った、一流の人脈術

更新日 : 2009年07月01日 (水)

第1章 人脈づくりのスタート地点は「なんとなく波長が合う」関係

人と人、文化をクリップし、新しい日本の感性を世界に発信しつづける島田昭彦氏と、「縁以外は八百長」と豪語し、圧倒的な存在感をもつ藤巻幸夫氏の人脈遍歴を披露。「人を巻き込む」「半径5メートルの人脈」「細く長く付き合う」「一歩踏み込む」——ゼロから一流の人脈を築くためのキーワードがわかる、本音&本気のトークセッション。あなたの人間関係が最強の人脈に変わります。


スピーカー:島田昭彦(株式会社クリップ代表取締役)
ゲ ス ト:藤巻幸夫(株式会社フジマキ・ジャパン代表取締役副社長)

アカデミーヒルズセミナー会場の様子
島田昭彦氏 株式会社クリップ代表取締役

島田昭彦: 2008年11月に『一流の人脈術』を刊行させていただきましたが、僕はとりたてて一流というわけでもないし、一流の人がぞくぞくと出てくる、そんな本でもありません。この本で伝えたかった最大のポイントは「人との出会いを大切にして、そこから何かを生み出す」。それがごく自然体でできることが人脈術における“一流”であると考えています。

僕の高校時代の友人に、占星術師として有名な鏡リュウジさんがいます。彼とはいまだに付き合いがあって、街で出会うと「島田さんの今の調子はこうでしょう」と占星術で占ってくれたりします。彼は僕の後輩にあたるのですが、当時「コイツは有名になる」と思うわけはなく、ただふつうに先輩と後輩として細く長く付き合ってきて、今に至っています。

つまり、人と出会ったとき、彼らが将来どんなふうになるかを考えるのではなくて、何かしら波長が合うから、今日まで付き合ってきているのです。それが人脈の原点です。

皆さんは社会に出てから学生時代の友人、先輩後輩とのつながりは大切にされていますか。 実はこれは非常に大切です。本にも書きましたが、OB会とか同窓会といったものには積極的に出てみてください。そこからの発展すること、得られることはたくさんあります。

僕の大学時代の同級生は今、いろいろな道に進んで活躍しています。その中の1人には、高名な建築家がいます。学生時代、彼が僕に魅力を教えてくれたのが、スペイン・バルセロナのサクラダ・ファミリア教会です。彼のすすめで大学時代4年間あちこち海外に行き、すぐれた建築を目にする機会にめぐまれました。

アカデミーヒルズセミナー会場の様子
島田昭彦氏 株式会社クリップ代表取締役
友人とのつながりで、NASAにも行きました。アポロが飛び立つ映像は見ていても、ほとんどの人は実物を見たことがないと思うのです。実際行ってみるとすごい迫力です。行ってみてわかることがたくさんあります。

大切なことは好奇心を持つこと、そしてフットワークよく出掛けること。そして、自分の目で現場を見ること。この本には「現場100回」と書いていますが、やはり現場に行ってこそ、初めてわかることがたくさんあります。

かつて僕はスポーツ総合雑誌『Number』編集部で編集者をしていました。仕事を通じて、いろんなアスリートの方と出会い、お付き合いをさせていただきました。編集者という仕事の枠を超えたところでも交流をさせていただいた人物の1人が、元サッカー選手の中田英寿氏です。

中田選手との出会いは1996年。当時、韮崎高校からベルマーレ平塚に入った直後で、ケガに悩まされることが多く、まだ脚光を浴びていなかった時代です。当時、シャイな彼が「俺、写真が苦手なんですよ」と言いながら、撮らせてくれた写真があります。ケガで膝にサポーターを巻いて、はにかみながらゴールポストに寄りかかるようにして写っている中田選手。このときから彼との付き合いが始まったのです。

中田選手とは、しばらく取材する側、される側という関係だったのですが、現在でも、彼がCBO(最高ブランド責任者)を務める東ハトの商品開発なども一緒に参加させてもらっています。

関連書籍

一流の人脈術—デキる人は皆やっている

島田昭彦
明日香出版社