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石井裕:理念駆動~タンジブル・ビッツからラディカル・アトムズへ
MIT Media Lab CREATIVE TALKより

時代を超えるビジョンが、独創未来を創る

キャリア・人グローバル
更新日 : 2014年01月27日 (月)

第11章 未踏峰連山を目指す君に3つのフォースを


 
石井三力〜出杭力・道程力・造山力

石井裕: NHKの『プロフェッショナル』に出演した際、スタジオで延々10時間ほど、茂木健一郎氏と議論していました。そのなかで「研究とは何か?」という質問を受けました。その答えをツイートしました。



これをツイートしたときは、とても満足しました。しかし、ある日ショックを受けました。高村光太郎の『道程』にです。「私の前に道はない/私の後ろに道はできる」。私よりも少ない文字数で完璧に言い切っています。やはり、詩人は偉大です(笑)。本当の競争とは、新しい道を切り開くものでなければいけない。その孤独に耐える覚悟、信念がなければならない。私は「道程力」と名づけました。

私がMITメディアラボからヘッドハントされたのは、アトランタで行われた会議で「クリアボード」のプレゼンをしたときでした。直後の休憩時間に、アラン・ケイとニコラス・ネグロポンテ(※編注)から「MITに来い」と言われました。私は休憩が終わるまで待ってくれと言い、10分後にイエスと答えました。その後MITに入り、どれほど自分の判断が甘かったのかを痛感しました。その気持ちを記したのが「頂上」というツイートです。



ここには、18年間の私の思いが集約されています。これを3文字でまとめたのが「造山力」です。覚えられなくても大丈夫です。先にご紹介した「出杭力」「道程力」と合わせて、「未踏峰連山を目指す君に3つのフォースを」と題してツイートしています。ちなみに、こちらは「石井三力」と呼んでいます。

「出杭力」=打たれても打たれても、突出し続ける力。
「道程力」=原野を切り開き、まだ生まれていない道を独り全力疾走する力。
「造山力」=誰もまだ見たことのない山を、海抜ゼロメートルから自らの手で造り上げ、そして初登頂する力。


(※編注)
アラン・ケイ
「パソコンの父」とも呼ばれる、米国のコンピュータ科学者。

ニコラス・ネグロポンテ
コンピュータ科学者。MITメディアラボの創設者、初代所長。

石井裕:理念駆動~タンジブル・ビッツからラディカル・アトムズへ
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該当講座

理念駆動:タンジブル・ビッツからラディカル・アトムズへ

Vision-Driven: From Tangible Bits Towards Radical Atoms

理念駆動:タンジブル・ビッツからラディカル・アトムズへ
石井裕 (MITメディアラボ副所長、TTTコンソシーム・コディレクター、タンジブル・メディア・グループ・ディレクター、Jerome B. Wiesner Professor of Media Arts and Sciences)
林千晶 (株式会社ロフトワーク 代表取締役/MITメディアラボ所長補佐)

石井 裕(MITメディアラボ副所長)
林 千晶(㈱ロフトワーク代表取締役/MITメディアラボ所長補佐)
MITメディアラボとアカデミーヒルズがコラボレーションしてお届けする"CREATIVE TALK" シリーズ第3回は、副所長の石井氏にお越しいただきます。メディア・アート、インタラクション・デザイン、そしてサイエンス・コミュニティーにおいて、石井氏らが発表してきた多様なプロジェクト例を紹介しながら、「タンジブル・ビッツ」から「ラディカル・アトムズ」へと至るビジョン駆動研究の発展の軌跡を描写します。


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