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宋文洲さん、チャイナリスクとどう向き合えばいいですか?

中国経済を捉える~日本企業のこれから~

BIZセミナー政治・経済・国際
更新日 : 2012年07月13日 (金)

第7章 グローバル・スタンダードより、その国のスタンダード

宋文洲(ソフトブレーン株式会社 創業者)

宋文洲: 日本が歩んできた道を、一度冷静に考えてみましょうよ。なぜ明治維新は成功したのか、なぜ高度成長を果たせたのか。

私は田中角栄さんはよかったと思っています。好きな社長から頼まれたら、もちろんタダではプライドが許しませんが、「この社長に頼まれたらぜひやりたい」と思うものです。なぜ好きかというと、その人の人間性に惚れているからです。社長の理念とか理想とか社訓とかは関係ない。そんなことは言えば言うほど、嫌になります。

その人に人間性があれば、たった一言でいいんです。一言が心に響くのです。それもないくせに、ああだこうだ言われたら嫌味に感じます。何か説教されている気分になって「お前に説教されたくない!」ってなります。

「中国は人治国家だ」とはその通りですが、「水清ければ魚棲まず」という言葉があるように、相手を害するようなことさえしなければ、日本の基準で考えないほうがいいんです。

楽天が百度(バイドゥ)と組んだけれど、うまくいっていますか? 楽天は日本国内では素晴らしいですよ。でも、中国ではどうですか? 中国の若い人は、あまりクレジットカードを持っていないのに、「これがグローバル・スタンダードだ」と言って決済方法にクレジットカードを取り入れて、中国で主流のネットバンキングという方法を取り入れなかったんです。数年経って取り入れたようですが、遅いですよ。

その国でビジネスで成功したいなら、思いっきりその国の人間を中心に考えたほうがいい。ビジネスには、パートナーとお客さんと社員の3種類しかいないのですから、これに頼るしかないんです。これを人治と言わずに、何と言うんですか?

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該当講座

中国経済を捉える ~日本企業のこれから~
宋文洲 (ソフトブレーン株式会社 創業者)

宋文洲(ソフトブレーン株式会社創業者)世界経済に多大なインパクトをもたらす中国経済を捉えることは、欧米諸国、そして日本にとって重要な課題です。ソフトブレーンの創業者であり経営コンサルタント、経済評論家として中国ビジネスに造詣が深い宋氏をゲストに迎え、中国の今を伺います。


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