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宋文洲さん、チャイナリスクとどう向き合えばいいですか?

中国経済を捉える~日本企業のこれから~

BIZセミナー政治・経済・国際
更新日 : 2012年07月06日 (金)

第3章 日本で痛い目に遭っている人は、中国に行かないほうがいい

宋文洲(ソフトブレーン株式会社 創業者)

宋文洲: 先週の金曜日、『朝まで生テレビ!』(※このときのテーマは「激論!絶望の国の若者の幸福と夢」)に出ました。私が一番年上で、若い人がたくさん出演していたんですけれど、すごいんですよ、若者の甘さが。彼らは海外の競争社会を知らないから、牛と馬が会話しているみたいなもので、話が全然通じないの(笑)。

理屈だけじゃわからないんですよ、人間は。人の言葉は耳じゃなくて、心で聞かないとわかりません。心は言葉じゃないんです。痛い経験、悩む経験、損する経験、孤独な経験、裏切られた経験、恋する経験です。

皆さんは「中国に行ったらだまされる」と思っているでしょう? 言っておきますが、すごくだまされます。でも「中国人はみんな詐欺だ」と思いますか?「日本人に詐欺は一人もいない」と思いますか? 量の違いだけで、本当は一緒です。

私は道を渡るときは、青信号でも必ず左右両側を確認してから渡ります。自分の子どもにも「道路を渡るときは、中国でも日本でも、信号があってもなくても横を見てから渡れ」といつも言っています。なぜなら、異常な行動をする人がいるかもしれないからです。

実際、昨年末(2011年末)、無免許のブラジル人が飲酒運転で一方通行を逆走して、自転車に乗った日本の若者を轢き殺すという事故がありました。しかし日本の法律では危険運転致死傷罪にできないそうで、今、社会問題になっています。こういうことがあるからです。日本で信号が青でも絶対に左右を見てから渡る。その習慣が身についていれば、中国でもどこに行っても安全です。

私のグループ会社のある社長は、日本で青信号を渡っていて轢かれました。本当にいい人で、青信号だから誰も暴走なんてして来ないと思っていたんだね。それで考え事をしながら歩いていたら、轢かれて入院したんです。この人は「早く中国にビジネスに行きたい!」と言うんですけれど、「お前は行くな」と私は言いました。ビジネスをする前に轢かれているからです。中国で成功している人は「いつ車が出てくるかわからない」と予測して行動している人です。そういう人は、日本でも痛い目になんて遭っていません。

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該当講座

中国経済を捉える ~日本企業のこれから~
宋文洲 (ソフトブレーン株式会社 創業者)

宋文洲(ソフトブレーン株式会社創業者)世界経済に多大なインパクトをもたらす中国経済を捉えることは、欧米諸国、そして日本にとって重要な課題です。ソフトブレーンの創業者であり経営コンサルタント、経済評論家として中国ビジネスに造詣が深い宋氏をゲストに迎え、中国の今を伺います。


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