記事・レポート

時代を読み、世界を俯瞰して、フロンティアを拓く場へ

シナリオはない。人と場が相互に働きかけ、共に進化する。
ー平河町ライブラリー 開館記念座談会よりー

更新日 : 2011年01月13日 (木)

第6章 ここには「自由」、「解放」、「激励」がある

平河町ライブラリーオープン記念座談会

袖川芳之: 竹中さんはライブラリーという「場」になにを感じ、なにを求めますか。

竹中平蔵: 自分自身が六本木ライブラリーに身を置いてみて強烈に感じたのは「自由だ」ということです。

たとえば、高速インターネットにアクセスする自由がある。言い換えれば、いろいろなリソースに瞬時にアクセスできる自由です。コーヒーがすぐ飲める自由、旬の本をパラパラ見る自由もある。その自由な空間を、建築家の隈研吾さんが見事に演出してくれた。

私たちが一番求めていることは、私は「自由」だと思います。それが尖った社会に生きていく人をつくる。

次に、ここには仕事や家庭などのいろいろなしがらみから解き放たれる(リリース)時間と空間があることです。私は「知識よりも空想のほうが、はるかに重要だ」というアインシュタインの言葉がとても好きです。自分を解き放つ(リリース)時間と空間を提供する意味はそこにある。利用する側からすれば、そうした場と時間を持つ意味はそこにあるのではないかと思います。

もうひとつ人々が求めているのは「エンカレッジメント」(激励)です。袖川さんがおっしゃった「つながりを求める」とか「社会貢献をしたい」というトレンドを突き詰めれば、エンカレッジメントを欲しているのだと思います。

この「自由」「リリース」「エンカレッジメント」が、私が六本木ライブラリーで常に感じていたことであり、平河町ライブラリーにも不可欠な要素ではないかと思っています。

米倉誠一郎: そう、そういう場があれば、挑戦する人間、面白いことをやってやろうという人間が自然に出てくると思います。確かにここは自由ですから。

竹中平蔵: 米倉さんはどこにいても自由ですけど(笑)。

Clip to Evernote