記事・レポート

時代を読み、世界を俯瞰して、フロンティアを拓く場へ

シナリオはない。人と場が相互に働きかけ、共に進化する。
ー平河町ライブラリー 開館記念座談会よりー

更新日 : 2011年01月12日 (水)

第5章 異質体がある一点一瞬でつながる場

高橋潤二郎氏

袖川芳之: 「つながり」という点では、平河町ライブラリーはどのような形があると思われますか。

高橋潤二郎: それを考える上で、ひとつには「コミュニティ」と「ヘテロニティ」が鍵になるのでないかと思います。

現代社会では、地縁血縁に由来する同一の価値観を共有し、全人格的なつながりを求めるような「コミュニティ」をつくろうとしても無理がある。異質体がある一点の興味や思いで、ほんの一瞬あるいは部分的につながるような「ヘテロニティ」が求められているのではないか。

たとえば、米倉さんの日本元気塾も一種のヘテロニティでしょう。ある瞬間、一致団結してまた個に戻る。また、竹中さんが言われたスパイキィな世界に挑む人や尖っている人は、本来つながりなんていらない。けれど、どこか一点一瞬でつながるという形はあるわけです。

「ある一点、ある一瞬のつながり」が、実はインターネット時代の非常に大きな構成要素だし、グローバライゼーションの中にもそれがあるのではないか。それを既成概念の延長で考えようとしたところに何か大きなカテゴリーミスが起こっているのではないか。

そういう意味では、平河町ライブラリーが目指す「場」とは、これまでとは恐ろしく違うものかもしれません。

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