記事・レポート
内田和成の『論点思考』
~問題設定の技術~
東洋経済提携講座より
ビジネススキルキャリア・人
更新日 : 2010年10月20日
(水)
第2章 解くべきではない問題を解く無駄
内田和成: では、三番目の「問題設定ができる人」は、何を意味するのでしょうか。『論点思考』にも書いたことですが、今日では、若ければ若いほど問題を自分で見つける機会が無いように思います。学校を思い浮かべていただければ分かるのですが、いわゆる試験の問題は、先生や教科書、出題者から与えられていて、それを解くだけというのが普通です。「問題を自分で考えなさい」という問題が出ることは極めてまれです。教育のシステムとして、先に誰かから課題なり問題を与えられて、それをいかにして解くのかという教育がずっと行われています。会社に入ってしばらくもその延長で、自分が解くべき問題は上司や会社、場合によってはお客さんから与えられます。
ところが、少しポジションが上がって、グループリーダーや、古い言葉を使えば課長や部長、社長になってくると、だんだん問題を教えてくれる人がいなくなってくるわけです。そういった立場になったときに自分で問題を見つけることが必要とされるわけですが、そもそもあまり訓練されていない。あるいはそういう経験を積んでいない。スキルとしても高等で難しいということを実感しています。
ピーター・ドラッカーは「最も重大な間違いは間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」と言っています。私も同感です。経営コンサルタントとして非常にたくさんの企業の問題解決をお手伝いしてきましたが、やはり最初に取り組むべき問題を間違えてしまうと、いくらその問題に対する答えが合っていたとしても、競争に負けてしまうということになります。解くべきものではない問題を解くことは、時間の無駄です。どの問題を解くのか。これが経営の課題としては一番難しく、根本であると思っています。
ところが、少しポジションが上がって、グループリーダーや、古い言葉を使えば課長や部長、社長になってくると、だんだん問題を教えてくれる人がいなくなってくるわけです。そういった立場になったときに自分で問題を見つけることが必要とされるわけですが、そもそもあまり訓練されていない。あるいはそういう経験を積んでいない。スキルとしても高等で難しいということを実感しています。
ピーター・ドラッカーは「最も重大な間違いは間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」と言っています。私も同感です。経営コンサルタントとして非常にたくさんの企業の問題解決をお手伝いしてきましたが、やはり最初に取り組むべき問題を間違えてしまうと、いくらその問題に対する答えが合っていたとしても、競争に負けてしまうということになります。解くべきものではない問題を解くことは、時間の無駄です。どの問題を解くのか。これが経営の課題としては一番難しく、根本であると思っています。
内田和成の『論点思考』
~問題設定の技術~ インデックス
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第1章 3タイプの「仕事ができる人間」
2010年10月19日 (火)
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第2章 解くべきではない問題を解く無駄
2010年10月20日 (水)
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第3章 「問題」「論点」の違いとは何か
2010年10月21日 (木)
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第4章 経営資源が有限である以上、優先順位をつけなければいけない
2010年10月22日 (金)
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第5章 数学の問題か、理科の問題か
2010年10月25日 (月)
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第6章 分析をしたからといって、本当の問題にたどり着くことは無い
2010年10月26日 (火)
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第7章 妻はなぜ機嫌が悪いのか
2010年10月27日 (水)
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第8章 試験問題は最後が一番難しい
2010年10月28日 (木)
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第9章 常に二つ上のポジションで物事を見る癖をつける
2010年10月29日 (金)
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第10章 視点を変える方法を学べれば、気付かない問題が目に入る
2010年11月01日 (月)
該当講座
内田和成の『論点思考』
~BCG流 問題設定の技術~
内田和成 (早稲田大学 名誉教授)
内田 和成(早稲田大学ビジネススクール教授)
今回講師としてお越しいただく内田氏は、ボストンコンサルティンググループの前日本代表であり、「世界でもっとも有力なコンサルタントのトップ25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出されるなど、世界を舞台に活躍されています。
話題の近著『論点思考』を元に、内田氏から直接、実践的な「問題設定の技術」について学びます。
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ビジネススキル キャリア・人
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