CATALYST & THEME
「Reimagine Disaster:災害の教え」
小渕祐介(東京大学 建築学専攻 准教授)
災害とは我々の生活を脅かすものであり、可能な限り未然に防ぐものです。しかし少し視点を変えて考えてみると、歴史的に必ずしも災害が社会にとっての敵であったわけでもありません。例えば江戸・東京の発展は火事や地震といったさまざまな災害なしでは今のような世界中で最も安全な近代都市にはならなかったはずでしょう。
また、人々をつなげる共同体という概念も、災害がもたらした人間性の一つの要素なのかもしれません。伝統的なお祭り行事などは、豊作への祈りと共に、災害を引き起こすと考えられた神々への平和の願いの表現でもあったはずです。災害とは社会と文化の源であると言っても過言ではありません。この対談シリーズは、「Reimagine Disaster:災害の教え」と題し、災害の文化的な役割、災害が生み出す美術、現代社会のライフスタイルと災害の可能性を専門家のゲストを招いて一緒に追求します。
イベント
PROFILE

2010年より東京大学建築学科にて小渕研究室を主宰する。また、建築の民主化を目指して立ち上げられた、東京大学アドバンスド・デザイン・スタディーズのディレクターでもある。2005年から2010年の間はロンドンの英国建築協会 (AAスクール) にてデザイン・リサーチ・ラボの共同ディレクターを務め、2003年から2005年の間、同協会でコースマスターとユニットマスターを務めてきた。プリンストン大学、南カリフォルニア建築大学、トロント大学で建築学を専攻し、プリンストン大学、ハーバード大学デザイン大学院、香港大学、ケンタッキー大学、ニュージャージー工科大学で教鞭を執った。
小渕准教授は16歳で日本からアメリカに一人で渡り、ヒッチハイクでアメリカ本土を横断した。バックパック1つで都会から地方まで渡り歩いている間に、異国の都市環境に興味を持ち、カナダのトロントに移住し建築を志す。現在は東京大学で人を中心としたコンピューターによるデザイン手法や施工方法などを研究している。これまで手掛けてきたプロジェクトは、ニューヨークのクーパー・ヒューイット・ミュージアムで開催されたデザイン・トリエンナーレ、パリのポンピドゥー・センター、北京建築ビエンナーレ、ロッテルダム建築ビエンナーレ、チューリッヒ・デザイン美術館、東京デザイナーズ・ウィーク、バルセロナ・デザイン美術館など、世界中で展示·出版されてきた。
CATALYST & THEME
インデックス-
荒谷大輔(江戸川大学 基礎・教養教育センター教授/センター長)
2021年05月17日 (月)
-
藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク 代表)
2021年05月17日 (月)
-
軍地彩弓(編集者/ファッション・クリエイティブ・ディレクター)
2021年05月17日 (月)
-
浜田敬子(ジャーナリスト)
2021年05月17日 (月)
-
小渕祐介(東京大学 建築学専攻 准教授)
2021年05月17日 (月)
-
塚田有那(編集者/キュレーター)
2021年05月17日 (月)
-
高梨直紘(天文学普及プロジェクト「天プラ」代表/東京大学EMP 特任准教授)
2021年05月17日 (月)
注目の記事
-
02月25日 (火) 更新
本から「いま」が見えてくる新刊10選 ~2025年2月~
毎日出版されるたくさんの本を眺めていると、世の中の"いま"が見えてくる。新刊書籍の中から、今知っておきたいテーマを扱った10冊の本を紹介しま....
-
02月25日 (火) 更新
aiaiのなんか気になる社会のこと
「aiaiのなんか気になる社会のこと」は、「社会課題」よりもっと手前の「ちょっと気になる社会のこと」に目を向けながら、一市民としての視点や選....
-
02月25日 (火) 更新
リスキリングは次のフェーズへ!<イベントレポート>
リスキリングはAI時代に備えて必須であり、企業は従業員のリスキリングを支援する必要があると言われています。ゲストに、リスキリングを日本に広め....