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「経済のリデザイン:新しい人とものとの関係をつなぐ」

更新日 : 2021年05月17日 (月)

荒谷大輔(江戸川大学 基礎・教養教育センター教授/センター長)



7人のカタリストがそれぞれテーマを持ち寄り、ゲストや参加者とともに社会における様々な「つながり」を見直し、「常識を再構築する」カタリスト・トーク。哲学者 荒谷大輔さんのテーマは「経済のリデザイン」。大きな変革期にある今、既存の価値観の枠組みから離れて、ゲストを迎えてフラットに考える場をつくります。



「経済」とは、人やものがどのようなかたちでつながるのか、その構造を指す言葉です。法や制度設計など、上からデザインするものとは違って、人々それぞれの欲望の絡み合いによって自律的に出来上がるものになっています。現代では「資本主義経済」が基本ですが、それ以前には贈り物や奉仕などによって人とものとの関係が生まれる「贈与経済」が営まれていた時代もありました。

さまざまな事柄の転換期にあたる現在において、あらためて望ましい「経済」を考え、それを実践していくことは、未来に向けて新しいコミュニティを切り開くために重要なことだと考えます。まずは既存の価値観の枠組みから離れて、物事をフラットに考える場所を確立しましょう。新しい人とものとの「つながり」を実現するための準備として、ゲストや参加者の方々と一緒に「ゼロ地点」を確保することを最初の目標にしたいと思います。そうすることで、新しいカリスマとそのフォロワーを生み出す(といったすでに知られている「経済」を反復する)のではなく、それぞれの人が自分にとって望ましい関係を築くことのできる「経済」を実現することができると思います。

イベント

CATALYST BOOKS

各カタリスト・トークでは、「テーマの理解促進につながる1冊」を
ゲストにご紹介いただいています。

PROFILE

荒谷大輔(江戸川大学 基礎・教養教育センター教授/センター長)
荒谷大輔(江戸川大学 基礎・教養教育センター教授/センター長)

1974年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本文藝家協会会員。専門研究の枠組みに捕われず哲学本来の批判的分析を現代社会に適用し、これまでなかった新しい視座を提示することを得意とする。著書に『資本主義に出口はあるか』(講談社現代新書)、『ラカンの哲学:哲学の実践としての精神分析』(講談社メチエ)、『「経済」の哲学:ナルシスの危機を越えて』(せりか書房)、『西田幾多郎:歴史の論理学』(講談社)、『ドゥルーズ/ガタリの現在』(共著、平凡社)など。