記事・レポート
ビジネスマンのための「経営力」養成講座
更新日 : 2008年10月22日
(水)
第1章 企業戦略に必要なのは、方向付けと他社との差別化
小宮一慶: 経営コンサルタントをしていると、「会計士さんとか税理士さんみたいな仕事をしているのですか?」という人が結構いらっしゃいますが、私自身は経営をアドバイスするのを仕事にしています。
具体的にどんなことをしているかといいますと、私を入れても7人の小さい事務所で、長期の顧問契約をしていただいているお客さまを15社持っています。 15社以上はやりません。12社で非常勤の取締役や監査役をしていて、月に10数回は取締役会や理事会に出ています。業種的には自動車の部品メーカーさん、今日着ているこの洋服をつくっている会社、ソフトウェアの会社、在宅介護の会社、人材派遣の会社などさまざまな業種の会社の役員をしています。
正直申し上げまして、私は自動車部品のつくり方はほとんど知りませんし、この洋服がどういうふうに縫製されているかということもほとんど知らない、オペレーションのレベルの話は全く知らないのです。
私がアドバイスしているのは経営という仕事で、今日は、「どうすれば経営力を身につけることができるのか」ということを主題に話をしていこうと思っています。1つだけ覚えて帰っていただくことがあるとすれば、それは「経営という仕事がある」ということです。
「経営」という仕事の本質は、「企業の方向づけ」「『資源』の最適配分」「人を動かす」、この3つではないかと思っています。
経営とは「管理」だと思っておられる方が結構いらっしゃいますが、経営において一番大切なことは、「企業の方向づけ」です。具体的には、「何をやるか、やめるかを決めること」です。その方向づけが正しいという前提のもとに、「管理」が役に立つのです。この先、いい経営者になりたいとお思いでしたら、とにかく方向づけの判断を間違わないこと、それが一番大切なことですし、人生においてもそうだと、私は思います。
企業に方向づけをアドバイスするときに、今の時代、何を念頭において戦略を立てるかというと、「他社との違いを明確にする」ということです。需要が供給を上回っているような時代、つまり物のない時代は差別化する必要がなかったのですが、この時代は間違いなくほとんどすべての業界において供給過剰だからです。
差別化の仕方にはいくつかあるのですが、QPSといいます。Quality、Price、Service、この頭文字です。Qualityはお分かりのように商品の品質です。お客さまにお金をいただいて提供するサービスは商品そのもので、Qualityに入ります。Priceは価格です。 Serviceは、「その他のS」と思ってもらえばいいです。例えば皆さん、こんな経験はないですか、「社長を知っているから買った」「近くにお店があるから買った」。それは別に商品とは関係ないですね。
差別化において、ターゲットにしているお客さまに、このQPSの組み合わせの中でどこを訴求していくか考えるということが大事です。今の時代、 QualityやPriceでの差別化はなかなか難しい。そうするとService、つまりその他の要因で差別化を徹底していくということになります。
具体的にどんなことをしているかといいますと、私を入れても7人の小さい事務所で、長期の顧問契約をしていただいているお客さまを15社持っています。 15社以上はやりません。12社で非常勤の取締役や監査役をしていて、月に10数回は取締役会や理事会に出ています。業種的には自動車の部品メーカーさん、今日着ているこの洋服をつくっている会社、ソフトウェアの会社、在宅介護の会社、人材派遣の会社などさまざまな業種の会社の役員をしています。
正直申し上げまして、私は自動車部品のつくり方はほとんど知りませんし、この洋服がどういうふうに縫製されているかということもほとんど知らない、オペレーションのレベルの話は全く知らないのです。
私がアドバイスしているのは経営という仕事で、今日は、「どうすれば経営力を身につけることができるのか」ということを主題に話をしていこうと思っています。1つだけ覚えて帰っていただくことがあるとすれば、それは「経営という仕事がある」ということです。
「経営」という仕事の本質は、「企業の方向づけ」「『資源』の最適配分」「人を動かす」、この3つではないかと思っています。
経営とは「管理」だと思っておられる方が結構いらっしゃいますが、経営において一番大切なことは、「企業の方向づけ」です。具体的には、「何をやるか、やめるかを決めること」です。その方向づけが正しいという前提のもとに、「管理」が役に立つのです。この先、いい経営者になりたいとお思いでしたら、とにかく方向づけの判断を間違わないこと、それが一番大切なことですし、人生においてもそうだと、私は思います。
企業に方向づけをアドバイスするときに、今の時代、何を念頭において戦略を立てるかというと、「他社との違いを明確にする」ということです。需要が供給を上回っているような時代、つまり物のない時代は差別化する必要がなかったのですが、この時代は間違いなくほとんどすべての業界において供給過剰だからです。
差別化の仕方にはいくつかあるのですが、QPSといいます。Quality、Price、Service、この頭文字です。Qualityはお分かりのように商品の品質です。お客さまにお金をいただいて提供するサービスは商品そのもので、Qualityに入ります。Priceは価格です。 Serviceは、「その他のS」と思ってもらえばいいです。例えば皆さん、こんな経験はないですか、「社長を知っているから買った」「近くにお店があるから買った」。それは別に商品とは関係ないですね。
差別化において、ターゲットにしているお客さまに、このQPSの組み合わせの中でどこを訴求していくか考えるということが大事です。今の時代、 QualityやPriceでの差別化はなかなか難しい。そうするとService、つまりその他の要因で差別化を徹底していくということになります。
ビジネスマンのための「経営力」養成講座 インデックス
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第1章 企業戦略に必要なのは、方向付けと他社との差別化
2008年10月22日 (水)
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第2章 経営の本質の1つ「企業の方向づけ」には、インプットと積み重ねが必要
2008年10月30日 (木)
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第3章 経営チェックに必要な9つのキーワード
2008年11月07日 (金)
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第4章 「この会社のために命を懸けてもいい」と、何人の社員が思ってくれるか
2008年11月20日 (木)
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第5章 肩書きや権威で動く人間は長続きしない
2008年12月04日 (木)
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第6章 「強い会社」は、ビジョンや理念が確立している
2008年12月16日 (火)
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第7章 現場のギャップへの対処法
2009年01月27日 (火)
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第8章 経営哲学の根幹は「人の幸せ」
2009年02月16日 (月)
該当講座
小宮一慶 (経営コンサルタント/株式会社小宮コンサルタンツ代表/明治大学大学院会計専門職研究科特任教授)
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