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フジマキ流「自分ブランド」のつくり方

BIZセミナーその他
更新日 : 2008年03月31日 (月)

第2章 「自分ブランド」に必要なこととは?

藤巻幸夫&藤巻健史

藤巻幸夫: やっと「自分ブランド」に話題は移りますが、これまで出した本と同じ内容ではおもしろくないので、これまで私が経験してきたこと、考えてきたことを中心に話していきたいと思います。話はいろいろ逸れるかも知れませんが、トータルで「自分ブランド」ってこんなものだ、と分かってもらえるようにするつもりです。

これまで、数十万人の会社から小規模の会社までいろいろ所属してきました。今は兄が社長を務めるフジマキ・ジャパンにいて、社員はたった5名。これほど会社を移るのは、「外れ者」と言えるかも知れません。その中で感じたこと、やってよかったということはたくさんありますが、週刊誌に叩かれることもよくありました。それを笑ってやり過ごせるようになれば人間ができてきたと言うことですが、正直辛くて夜は涙していました(笑)。

「自分ブランド」を考えるときに必要なこと。答えから先に言ってしまえば第一にコンプレックスをもつことです。今では信じられないかも知れませんが、私は小学生の頃は、虚弱体質で引っ込み思案な子どもでした。友達も少なかった。友達がほしくて、友達の家の電話番号を片っ端から覚えたほどです。その甲斐あって、今でも記憶力はよく、電話番号は1,000件以上覚えています。そのわりには数学は弱いのですが……。

私の何よりのコンプレックスは自分の容姿でした。ここのところは坊主頭、イケてない顔、短い足(股下67cm!)。つい最近までパンツを買っても見栄を張って、すそ直しを股下70cmと頼んでしまうほどでした。

人は誰しも何がしかのコンプレックスをもっています。きれい事と思われるかも知れませんが、このコンプレックスを跳ね返すために人は努力するんです。それをバネにするわけです。その努力から得られる自信が大切なのであり、それが「自分ブランド」の基礎になります。

今、ゲストである私の兄が前の席に座っていますが、彼も学生時代ぜんぜんモテなかった(笑)。たぶん兄はモテたいと思って、一生懸命勉強したんだと思います。だから、きれいな奥さんと結婚できて、世に知られるトレーダーになれたんです。

私は勉強が苦手だったので、人を笑わせること、人を楽しませる人間になろうと努力しました。ときにはTVのお笑い番組などを参考にし、どうすれば人がこちらを向いてくれるのかを真剣に研究したこともあります。どうすれば人を楽しませることができるのか、どうすれば人を振り向かせることができるのか、と常に考えてきた人生だともいえます。

2つ目は先程も触れましたが、会いたい憧れの人を具体的に思うこと、そして会いたいと思い続けることです。それはモノでも夢でも同じ。先日は、「ぎんざNOW!」時代から好きだった小堺一機さんに会えて、感激しました。おもちゃコレクターの北原照久さんも言っていました。「ほしいおもちゃがあったら、その形、色、作られた年代などをできる限り具体的に思い描き、諦めないで追い続ける。そうすると、不思議といつか手に入るんだ」と。もちろん手が届かないこともありますが、志を高く、思いを深くもっていれば、だいたいのことは少しずつ近づいてきます。これからも私はチャレンジし続けていこうと思います。