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『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「日本から米国、そして世界への挑戦~サイボウズからLUNARRへ~」』

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更新日 : 2008年10月01日 (水)

第3章 設定した目的・目標があれば、チームはまとまる

高須賀宣さん

高橋英伸: マネジメントの立場から見て、日本とアメリカの違いをどう感じますか?

高須賀宣: 違いは一長一短で、アメリカの人たちは非常にスペシフィックに、責任感を持って仕事をしてくれるので安心感があって非常にやりやすいのですが、彼らは全体のチームとしてのゴールより、日夜自分のタスクだけを見てしまう。

日本の場合は、チームの人たちがマネジャーと同じ視点でゴールを共有して、より高い視点で物事を見てくれます。僕は日本とアメリカのやり方をうまくコンバインしてやっていきたいと思っています。

高橋英伸: それにはコミュニケーションが大事になるでしょうね。

高須賀宣: トヨタのカンバン方式など、「タスクだけをこなすのではなくて、前後関係を見ながら改善的視点を持って」というふうに、ナレッジ・ワーカー的にブルーカラーの人を動かすというのはすごく面白いモデルで、現にアメリカでもできていますから、うまくマネジメントしてあげることで、いい結果を残せるような気がします。

高橋英伸: 一般的にいうと、日本はどちらかというとオールマイティ。飛びぬけたものがなかなか出て来にくいと思います。まあ、難しいですよね。

高須賀宣: そうですね。難しいんですけれど、「これをやるために最もいい方法を考える」というのが経営者の仕事だと思うので、まあ、そこも楽しみながらやっていますが。

高橋英伸: チームをまとめていく秘訣みたいなものはあるんですか?

高須賀宣: サイボウズのときの方がそういうことを考えてやっていたような気がするんですけれど、今のLUNARRはちょっと違いますね。

最も効率的に力が集まってくるのは、設定した目的や目標がどれだけ素敵かということです。僕らベンチャーは、先ほども言いましたように不確実性の高いものなので、信じるとか、それに対してすごくモチベートされるというのは、なかなか難しいです。

逆に言うと、そこがすごく素敵だなと思えないとチームはまとまりにくくて、いくら優秀だといっても、それが面白いと思ってもらえない人には参加してもらうべきではないと思っています。

LUNARRの商品のコンセプチャルな面はチームのメンバーと共有していますし、創業当初から全くぶれはないですね。

高橋英伸: メンバーの方々に、志みたいなものを共有してもらうというのはキーですね。

高須賀宣: 僕はちゃんとリスクヘッジしたうえで、楽しみながらリスクをとっていくみたいな、そういう感じになるといいなと思うのです。アメリカの起業家はそんなに悲壮感はなくて、みんな楽しんでいますよ、本当に。

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