記事・レポート

日本元気塾第6期プレセミナー
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

更新日 : 2018年01月16日 (火)

第2章 誰にどんな影響を受けるかで、将来の自分軸ができる

藤森義明: 日本元気塾は今回が2回目です。米倉先生に誘われて、またやろうと思ったのは、塾生とのつながりが面白かったからです。投げかけたテーマに対するレスポンスから、塾生だけでなく私自身も学べたし、元気づけられました。講義だけでは帰してもらえず、2次会、3次会になることも度々ありましたが、互いに深く学び合う楽しさがあります。

さて、私の経歴は別途掲載されているとおりですが、一番長いのはGEの25年間です。自分の経験から、35歳〜45歳の10年間に誰に出逢い、どんな影響を受けたかで将来の自分の軸ができてくる。皆さんが入塾したら、先生方や塾生の仲間との出逢いのなかで、きっとすごい体験をするでしょう。ここから得るものはきっと大きいと思います。

ジャック・ウエルチの教えを日本で展開する
私は、GEのCEOであったジャック・ウエルチの近くで働く機会を得て、ものすごく大きな影響を受けました。彼から経営論やリーダーシップ論を学びましたが、日本で講演すると「それは、GEだからできるんだよ」とよく言われました。しかし、そんなことはない。基本は同じです。リーダーがパッションをもってやり抜けば、必ず日本は変わるはずだと思い、LIXILグループの大改革に挑戦しました。

「GEのやり方をどれだけグローバル化できるか」、これが私のミッションです。GEで学んだことを注入して、文化を変え、人事システムを変え、インフラを整えてから海外の企業の買収を進め、現在に至っています。
藤森 義明 (元(株)LIXILグループ 取締役 代表執行役社長 兼 CEO)


日本人は、レジリエンシィが高い国民だ
ウエルチは「日本は素晴らしい。日本から学ぶことがある」と言い、何度も来日しています。米国の大企業のCEOでこれほど来日している人は珍しいと思います。彼は「日本はレジリエンシィが高い」と言います。日本は第二次世界大戦の敗戦だけでなく、為替の変動や、東日本大震災などの度重なる災害を乗り越えただけでなく、その度にもっといい日本をつくりあげてきた、と。

日本には「七転び八起き」という言葉があります。形のあるもの、精神性も含めて、日本はレジリエンシィの高い国民性があると思います。私自身も、逆境にあっても絶対に諦めず、しなやかに立ち上がっていく「レジリエンシィ」が好きです。

ちなみに、GEの基本となっているものは「長期的視点」、「変革力」、「人材育成」。エジソンが創業して以来、約140年間に9人のCEOが率いてきました。それぞれのCEOがつくった会社は全く違うのですが、ずっと言われてきたことは、「会社を永遠に継続させるのは人である。時代は変化するから、会社も人も絶えず変革していかなければならない」ということです。徹底的に人を教育し、徹底的に変革しつづけることで、GEはウォールストリートで唯一生き残ったのです。

リーダーシップ、変革、そして自己変革を考える
私が日本元気塾でやりたいことは、リーダーシップとはなにか、リーダーの仕事はなにか、変革はどのようにして起きるのか、自己変革をどう起こしたらいいのかを考え、実行することです。私の経験を踏まえ、自己変革を起こすきっかけやツールなどもお話しします。皆さんと共にリーダーシップのあるべき姿や変革について深く議論を重ね、レジリエンスにつなげていきたいと思っています。

該当講座


レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

米倉誠一郎×藤森義明×楠木建×中竹竜二
困難に直面したときに「できない」と考えるか、「どうやったらできるか」と考えるか。それによって、物事の展開は大きく変わります。どんな時代、環境であっても、自らの手で道を切り拓くために必要なことは何か?どのように逆境に立ち向かってきたのか、それぞれの経験から語ります。