記事・レポート
世界一の企画会社を目指すカルチュア・コンビニエンス・クラブ
その足跡と今後の成長戦略を増田社長が語る
BIZセミナー経営戦略キャリア・人
更新日 : 2012年11月01日
(木)
第3章 「レンタル最大手」からの脱却
増田宗昭: 僕はTSUTAYAを3,000店つくろうと思ってはじめたわけではなく、「TSUTAYAを3,000店つくってくれるパートナーにノウハウを売ろう」と当初から思っていました。フランチャイズ・パッケージにして企画を売るわけですから、「ライフスタイルがどうこう、自己実現がどうこう」なんていう難しい営業はできません。そこで、わかりやすい顧客価値として「マルチ・パッケージ・ストア」という提案をしました。
当時、本は本屋さん、CDとDVDはレコード屋さん、ゲームはゲーム屋さんというように、生産者の都合で流通がバラバラになっていました。これはお客さまから見たら不便です。そこで僕らは、本もCDもDVDもゲームも買えるし借りられる、マルチ・パッケージ・ストアというお店の形態を提案したのです。
TSUTAYAを1983年に始めたときは、本屋さんもレコードレンタル屋さんもいっぱいありました。でも、今、生き残っているのはマルチ・パッケージ・ストアです。これは僕が決めたわけではなく、お客さまが選んだ結果です。
去年(2011年)TSUTAYAが貸し出したDVDの枚数は7億4,000万枚に達しました。今年は8億枚を超えると思います。日本の映画産業の観客動員数が、年間約1億6,000万人前後で推移しているのに対して、カルチュア・コンビニエンス・クラブは、100万円の元手で、創業からわずか30年で8億枚の映画の流通をつくったのです。企画会社として家で映画を手軽に楽しめる「カルチュア・インフラ」をつくったというわけです。
こうなると、マスコミには「レンタル最大手」と書かれます。でも、そうじゃないんです。我々はライフスタイルを提案するお店なんです。これを全面的に打ち出すために、1999年に渋谷にSHIBUYA TSUTAYAを、2003年には六本木ヒルズにTSUTAYA TOKYO ROPPONGIをオープンしました。これで、ほぼイメージ通りの「ライフスタイルを選ぶ場」をつくることができました。
どちらもスターバックスが入っていますが、これは私どもの直営店舗です。本だけの利益では、こんな都心の一等地にお店を構えることはできません。Book&Cafeというライフスタイルを提案する店舗にすることで、両方合わせて利益が出るようにしたのです。これはお客さまからすると、コーヒーを飲みながら本をタダで読めるということですから、お客さまも喜びます。経営者もお客さまもうれしい、こういう企画をするのがカルチュア・コンビニエンス・クラブです。
一方、地方では、ネット時代に対抗するために、何でもある本屋さんをやろうということで、売場面積が2,000坪を超える超大型店を展開しています。厳しいと言われている書店業界の中で、TSUTAYAは右肩上がりで売上げを伸ばしています。
当時、本は本屋さん、CDとDVDはレコード屋さん、ゲームはゲーム屋さんというように、生産者の都合で流通がバラバラになっていました。これはお客さまから見たら不便です。そこで僕らは、本もCDもDVDもゲームも買えるし借りられる、マルチ・パッケージ・ストアというお店の形態を提案したのです。
TSUTAYAを1983年に始めたときは、本屋さんもレコードレンタル屋さんもいっぱいありました。でも、今、生き残っているのはマルチ・パッケージ・ストアです。これは僕が決めたわけではなく、お客さまが選んだ結果です。
去年(2011年)TSUTAYAが貸し出したDVDの枚数は7億4,000万枚に達しました。今年は8億枚を超えると思います。日本の映画産業の観客動員数が、年間約1億6,000万人前後で推移しているのに対して、カルチュア・コンビニエンス・クラブは、100万円の元手で、創業からわずか30年で8億枚の映画の流通をつくったのです。企画会社として家で映画を手軽に楽しめる「カルチュア・インフラ」をつくったというわけです。
こうなると、マスコミには「レンタル最大手」と書かれます。でも、そうじゃないんです。我々はライフスタイルを提案するお店なんです。これを全面的に打ち出すために、1999年に渋谷にSHIBUYA TSUTAYAを、2003年には六本木ヒルズにTSUTAYA TOKYO ROPPONGIをオープンしました。これで、ほぼイメージ通りの「ライフスタイルを選ぶ場」をつくることができました。
どちらもスターバックスが入っていますが、これは私どもの直営店舗です。本だけの利益では、こんな都心の一等地にお店を構えることはできません。Book&Cafeというライフスタイルを提案する店舗にすることで、両方合わせて利益が出るようにしたのです。これはお客さまからすると、コーヒーを飲みながら本をタダで読めるということですから、お客さまも喜びます。経営者もお客さまもうれしい、こういう企画をするのがカルチュア・コンビニエンス・クラブです。
一方、地方では、ネット時代に対抗するために、何でもある本屋さんをやろうということで、売場面積が2,000坪を超える超大型店を展開しています。厳しいと言われている書店業界の中で、TSUTAYAは右肩上がりで売上げを伸ばしています。
世界一の企画会社を目指すカルチュア・コンビニエンス・クラブ インデックス
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第1章 「世界一の企画会社」を目指す
2012年10月29日 (月)
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第2章 TSUTAYAはライフスタイルを選ぶ場所
2012年10月30日 (火)
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第3章 「レンタル最大手」からの脱却
2012年11月01日 (木)
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第4章 Tカードは顧客価値の追求から生まれた
2012年11月02日 (金)
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第5章 6000万人に選ばれるTカード
2012年11月05日 (月)
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第6章 これからの企業成長のカギは、プレミアエイジが握っている
2012年11月06日 (火)
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第7章 人通りがない代官山だからこそ、ノウハウ開発ができる
2012年11月08日 (木)
該当講座
世界一の企画会社を目指す
~カルチュア・コンビニエンス・クラブの成長戦略~
増田宗昭 (カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 社長兼CEO)
増田 宗昭(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長兼CEO)
7月のランチョンセミナーは、TSUTAYA、Tカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長兼CEO増田宗昭氏をお迎えします。
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