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『縄文の思考』〜日本文化の源流を探る

BIZセミナー その他

日時

2008年10月30日 (木)  19:00〜21:00
終了しています

内容

人類史を三段階に分け、第一段階を旧石器時代、第二段階を新石器時代とし、この契機を「農業」の開始に焦点を当てて評価する説があります。ところが、大陸の新石器時代に匹敵する独自の文化が、大陸と隔てられた日本に生み出されました。それが農業を持たない「縄文時代」「縄文文化」です。
縄文文化は土器の制作・使用が著名ですが、これこそが遊動的生活から定住的生活様式への転換を可能にし、縄文人の独自の空間=ムラを作り出すに至ります。ムラは、自然的秩序から分離独立する具体的な宣言であり、縄文人が自然との同調を拒否し、人間としての主体性を確立したいわば人間独立宣言の表れといえます。彼らの生活は、狩猟漁撈採集を基盤とし、食料を特定種に偏ることなく多種多様な利用を心がけ、食料事情の安定を保障するだけでなく生態学的な調和を維持にもつながっていました。

本セミナーでは、こうした縄文人の生活、思想、文化への接近を試みた縄文研究の第一人者である小林達雄氏から話を伺います。小林氏は、著書『縄文の思考』で「縄文人の影を追い求めているうちに、気がついてみれば、それは自分自身を見つめなおすことであり、さらに人間について考えることでもあった。」と記しています。氏が取り組んでこられた研究の一端をご披露いただき、日本人、日本文化の源流を遡ってみたいと思います。

参考図書

縄文の思考

小林達雄
筑摩書房

縄文人の世界

小林達雄
朝日新聞社

縄文人追跡

小林達雄
筑摩書房


オピニオン

講師紹介

講師
小林達雄 (こばやし・たつお)
考古学者/國學院大學名誉教授

1937年新潟県生まれ。文化庁文化財調査官などを経て85年、國學院大學教授。縄文人の世界観から土器文様を読み解くなど従来にない視点から問題提起を続ける縄文研究の第一人者。新潟県立歴史博物館名誉館長。著書に『日本原始美術大系I 縄文土器』(講談社)『縄文文化の研究』全10巻(編著、雄山閣)『縄文土器大観』全4巻(編著、小学館)『縄文土器の研究』(小学館)『縄文人の世界』(朝日新聞社)などがある。

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募集要項

日時 2008年10月30日 (木)  19:00〜21:00
受講料 3,000円
定員 100名

※定員になり次第締め切らせていただきます

主催
  • アカデミーヒルズ
会場 アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

※都合により40階に変更する場合、受講生には直接ご案内いたします。