女性起業家、明日への挑戦!
「想い」から生まれたイノベーション
第1章 未来を担う子ども達に日本の伝統をつなぐ
キラリと輝くビジネスを創り出し、世の中にインパクトを与えている気鋭の女性起業家を紹介する講談社・現代ビジネスの好評連載「明日をつくる女性起業家」。本セミナーでは、この連載にも登場した注目の起業家、株式会社和えるの矢島里佳さん、株式会社つ・い・つ・いの遠藤貴子さん、iemo株式会社の村田マリさんにご登壇いただきました。同連載を手掛ける経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘修二氏が、それぞれのビジネスの原点、事業に込めた想いに鋭く迫ります。
スピーカー:矢島里佳(株式会社和える代表取締役)
スピーカー:遠藤貴子(株式会社つ・い・つ・い代表取締役)
スピーカー:村田マリ(iemo株式会社代表取締役CEO)
モデレーター:本荘修二(本荘事務所 代表/多摩大学客員教授)
混ぜるのではなく、和える
本荘修二: 私は長年、ライフワークとして起業家を追いかけてきましたが、今やビジネスを行う上で男女差は関係なくなり、日本でも多くの女性起業家が活躍しています。さらに、最近は男性よりも女性起業家のほうが“話が面白い”とも感じています。そうしたこともあり、2013年2月から講談社・現代ビジネスで「明日をつくる女性起業家」というインタビュー連載を行っています。本日はそのスペシャル版として、3名のすてきな女性起業家をお招きしました。まずは、それぞれ自己紹介をお願いします。
矢島里佳: 株式会社和える(aeru)は2012年3月、「0~6歳の伝統ブランド」をコンセプトに誕生した会社です。日本の伝統産業が持つ優れた技を活かした商品を1つひとつ丁寧につくり、販売しています。和えるのロゴは、赤い円が2つ重なり合っています。赤く塗られた円は日の丸を表し、日本の古き良き伝統や先人の知恵を意味しています。もう1つ、七宝柄で描かれた赤い円は、現代を生きる私達の感性や感覚を意味しています。
日本の古き良き伝統や先人の知恵と、現代を生きる私達の感性や感覚。それらを“混ぜて”全く別のものを作るのではなく、双方の本質・原点に立ち返り、隠れた魅力を見つけ出し、良い部分どうしを“和える”ことで、より魅力的な日本の文化・伝統を次の世代を担う子ども達につなげていきたい。そのような想いから、和えるのロゴと社名は誕生しました。
この想いを実現するために、伝統産業という大人向けの商品を作ってきた市場と、0~6歳児向けのベビーキッズと呼ばれる市場を“和える”ことで、新しい市場を作り出しています。また、商品開発では私達とデザイナー、全国の伝統産業を担う職人さん、これら三者の知見を“和える”ことで、子ども達はもちろん、大人にとっても優しく、使いやすい商品を作っています。
幼少期こそ本物に触れてほしい
矢島里佳: 日本には素晴らしいものづくりの文化がありますが、ベビーキッズ向けの商品は海外製が圧倒的に多くなっています。日本に生まれてきた赤ちゃんを、日本の伝統でお出迎えできないのはとてもさびしい。感性が豊かでキラキラと輝いている幼少期にこそ、本物に触れてほしい。
そのような想いを込め、最初に作った商品が「徳島県からの本藍染めの出産祝いセット」です。産着と靴下、フェイスタオルの3点セットです。江戸時代から続く「天然灰汁発酵建て」という技法を使い、熟練の職人さんが1つずつ丁寧に染め上げています。この商品を構想してから完成に至るまで、4年ほどかかりました。
次に作ったのは「こぼしにくい器」。小さな子どもが食事をする時は、どうしても上手に食べられず、こぼしてしまい、お母さんに怒られたりして悲しくなる。それを解決したいと思いました。器の内側に「返し」が付いているため、食べ物をすくった時にきちんとスプーンに乗ります。「できた!」という達成感を育みながら食べる練習ができ、毎日の食事の時間がもっと楽しくなります。
この器は「大人になったら、こんな使い方はいかがですか?」というご提案もしています。伝統産業の品物といえば、「高い」というイメージがあります。たしかに、幼少期に使うだけなら高く感じるかもしれませんが、こうした物はとてもしっかり作られているため、きちんと手入れをすれば、大人になるまで長く使うことができます。10年、20年使い続けられると考えれば、むしろ安いと感じるのではないでしょうか。
小さい頃から使い続け、自分の成長と共に歩んでくれるもの。手を加え続けることで、愛着が深まっていくもの。そうしたものがあったら嬉しいなと思いませんか? 和えるは「0~6歳向けの伝統ブランド」を謳っていますが、「一生使い続けられる」というテーマも大切にしています。
創業から3年目を迎えた2014年7月には、東京のJR目黒駅前に念願の直営店「aeru meguro」が誕生しました。ここでぜひ、和えるの想いや世界観を体感していただけたら嬉しいです。
■株式会社和える(aeru) https://a-eru.co.jp/
該当講座
これからが楽しみな女性起業家に、経営コンサルタント・多摩大学客員教授の本荘修二氏がインタビューを行う連載「明日をつくる女性起業家」(講談社現代ビジネス)。この連載では、国内外問わず、20名以上の新進気鋭の女性起業家たちに、幼少時代から現在にいたるまで、これからの挑戦についてのお話を伺っています。
インタビュアーの本荘氏は、彼女たちには、生命力と行動力があって、やりたい!と思ったことに対して気づいたら走り出していたという共通点がある一方、独自の目線だからこその事業内容や、その進め方にも相違点があったと連載を振り返ります。
自ら問題意識を持って、行動し、世の中にインパクトを与えている女性起業家たち。
今回は、連載に登場したiemo株式会社代表取締役CEO・村田マリ氏、株式会社つ・い・つ・い代表取締役の遠藤貴子氏、株式会社和える代表取締役矢島里佳氏の3名をお招きし、本荘氏が彼女たちにそれぞれの起業家としての生き方に迫ります。彼女たちの挑戦の先には、どのような未来が待っているのでしょうか---。
女性起業家、明日への挑戦! インデックス
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第1章 未来を担う子ども達に日本の伝統をつなぐ
2016年02月24日 (水)
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第2章 和えるはジャーナリスト集団
2016年02月24日 (水)
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第3章 日本の伝統的な保存食「米菓」を世界へ
2016年03月02日 (水)
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第4章 壁に激突し、学びを得て、前に進む
2016年03月02日 (水)
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第5章 住まいのキュレーションプラットフォーム「iemo」
2016年03月09日 (水)
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第6章 DeNAのベンチャーマインドを加速させる
2016年03月09日 (水)
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第7章 変化が起こるタイミングに事業をぶつける
2016年03月16日 (水)
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第8章 作る人も買う人もフラットな関係であるべき
2016年03月16日 (水)
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第9章 最高の商品・サービスを届けるためのこだわり
2016年03月16日 (水)
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第10章 小説を書くように事業計画を立てる
2016年03月30日 (水)
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第11章 共感という波紋は自分で作り出すもの
2016年03月30日 (水)
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第12章 女性起業家の新たなロールモデルになる
2016年03月30日 (水)
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