記事・レポート
“生きるように働く”を支援する
毎日が楽しくなる、新しい生き方・働き方:中村健太×古田秘馬
キャリア・人文化
更新日 : 2012年12月18日
(火)
第6章 統合から新しい職業が生まれる
古田秘馬: 今、新しい仕事が生まれている一方で、かつての仕事が必要になっていることもあります。例えば、お産婆さん。最近は自宅で出産したいという人が増えているので、お産婆さんは出産を助けるだけじゃなくて、母親になる人に準備教育みたいな話をしてあげることも必要になってきています。こうした総合的な職業が増えてきているような気がします。
中村健太: 今まであった職業を組み合わせたような?
古田秘馬: そうそう。医療コーディネーターがいい例で、医療の世界が細分化され過ぎたために、「あなたにとっての最良の医療は、こういうものですよ」ということを説明してくれる人が出てきたんです。
細分化していけばいくほど、逆に統合が求められたり、最先端のインターネットを使えば使うほど、インターネットを使って離島に住みたくなったり。どっちかじゃなくて、どっちもなんです。スターバックスのサードプレイスは、自宅でもオフィスでもない第3の場所だし、僕らがやっている「丸の内朝大学」は、会社のつながりでもプライベートのつながりでもない、新しいコミュニティです。どっちのエッセンスもあるものが、今、必要になっているのかなと思います。
中村健太: それ、わかります。技術革新が加わったことで新しい仕事に見えているけれど、根源的に必要とされるものが今は仕事として増えていて、「実はそれって、もともとはこうだったよね」と感じることがよくあります。
インターネットの世界でも、一時期、細分化の流れがありました。例えば「犬のサイトをやりたい。ミニチュアダックスフントのサイトはすでにいっぱいあるから、全然知らない犬種のサイトをやろう」みたいな。これには限界があって「その犬って、日本に何匹いるんだ?」みたいな話になるので、横の広がりがないんです。でも統合していけば、まだまだいくらでも仕事が生めるような気がします。
古田秘馬: その辺が、新しく職業が生まれるところでしょうね。さっきの医療コーディネーターもそうですが、最近はインテリア・コーディネーターとか福祉コーディネーターとか、「コーディネーター」と付く職業が多くなっていますもんね。
僕は「プロデューサー」ってよく言われるんですれど、プロデューサーも「ジェネラリストかスペシャリストか」ではなく、両方なんです。広く深く。
中村健太: 今は、ある意味、何でもできるという人が多いですよね。
古田秘馬: プロデューサーって、何でもできるわけじゃないんです。ただ、何かに置き変えることが得意なんです。例えばギターが上手い人は、ウクレレもすぐできるようになります。それは「これって同じことだよね」という感覚でとらえられるから。
プロデューサーは、プロセスの変換一つで、ほかのものと全部つなげられるんです。ほかのプロセスがわかるから、「これと、このプロセスを重ねたら、こういうことが導き出せる」という発想になるわけです。例えば、街づくりの感覚と、作曲家がオーケストラを書く感覚は、多分似ています。「誰にどう演じてもらったらいいか」というところがね。これを「全く違う仕事」とか「その分野の専門知識」ととらえると、ほかに変換できないんです。
だから「街・人を変えるソーシャルデザイン」というのは、決して「新しい職業をつくり出しましょう」ということではないんです。すべての答えはもう出ているから、それの編集というか、何と何を結びつけるかなんです。「新しいものをつくるんじゃない。壊すのでもない。今あるものを何と使うか、何にするかだ」というのは、僕がやっている地域活性化のキーワードです。
中村健太: 今まであった職業を組み合わせたような?
古田秘馬: そうそう。医療コーディネーターがいい例で、医療の世界が細分化され過ぎたために、「あなたにとっての最良の医療は、こういうものですよ」ということを説明してくれる人が出てきたんです。
細分化していけばいくほど、逆に統合が求められたり、最先端のインターネットを使えば使うほど、インターネットを使って離島に住みたくなったり。どっちかじゃなくて、どっちもなんです。スターバックスのサードプレイスは、自宅でもオフィスでもない第3の場所だし、僕らがやっている「丸の内朝大学」は、会社のつながりでもプライベートのつながりでもない、新しいコミュニティです。どっちのエッセンスもあるものが、今、必要になっているのかなと思います。
中村健太: それ、わかります。技術革新が加わったことで新しい仕事に見えているけれど、根源的に必要とされるものが今は仕事として増えていて、「実はそれって、もともとはこうだったよね」と感じることがよくあります。
インターネットの世界でも、一時期、細分化の流れがありました。例えば「犬のサイトをやりたい。ミニチュアダックスフントのサイトはすでにいっぱいあるから、全然知らない犬種のサイトをやろう」みたいな。これには限界があって「その犬って、日本に何匹いるんだ?」みたいな話になるので、横の広がりがないんです。でも統合していけば、まだまだいくらでも仕事が生めるような気がします。
古田秘馬: その辺が、新しく職業が生まれるところでしょうね。さっきの医療コーディネーターもそうですが、最近はインテリア・コーディネーターとか福祉コーディネーターとか、「コーディネーター」と付く職業が多くなっていますもんね。
僕は「プロデューサー」ってよく言われるんですれど、プロデューサーも「ジェネラリストかスペシャリストか」ではなく、両方なんです。広く深く。
中村健太: 今は、ある意味、何でもできるという人が多いですよね。
古田秘馬: プロデューサーって、何でもできるわけじゃないんです。ただ、何かに置き変えることが得意なんです。例えばギターが上手い人は、ウクレレもすぐできるようになります。それは「これって同じことだよね」という感覚でとらえられるから。
プロデューサーは、プロセスの変換一つで、ほかのものと全部つなげられるんです。ほかのプロセスがわかるから、「これと、このプロセスを重ねたら、こういうことが導き出せる」という発想になるわけです。例えば、街づくりの感覚と、作曲家がオーケストラを書く感覚は、多分似ています。「誰にどう演じてもらったらいいか」というところがね。これを「全く違う仕事」とか「その分野の専門知識」ととらえると、ほかに変換できないんです。
だから「街・人を変えるソーシャルデザイン」というのは、決して「新しい職業をつくり出しましょう」ということではないんです。すべての答えはもう出ているから、それの編集というか、何と何を結びつけるかなんです。「新しいものをつくるんじゃない。壊すのでもない。今あるものを何と使うか、何にするかだ」というのは、僕がやっている地域活性化のキーワードです。
“生きるように働く”を支援する インデックス
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第1章 気軽にエントリーしづらい求人サイト「日本仕事百貨」
2012年12月10日 (月)
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第2章 新しい仕事のあり方を実践&提案する「シゴトヒト文庫」
2012年12月11日 (火)
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第3章 いい場は「人」から
2012年12月13日 (木)
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第4章 いい仕事の共通点
2012年12月14日 (金)
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第5章 なりたい職業より、なりたい状態を考えよう
2012年12月17日 (月)
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第6章 統合から新しい職業が生まれる
2012年12月18日 (火)
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第7章 太った人のコミュニティをつくったら、ものすごい価値が出た
2012年12月20日 (木)
-
第8章 価値って何だろう?
2012年12月21日 (金)
該当講座
中村健太(株式会社シゴトヒト代表取締役)× 古田秘馬(株式会社umari代表)
日々の生活、社会の問題も、ちょっとした工夫や思いつきで「楽しい毎日」になります。視点を変えるきっかけさえあれば、誰もが工夫し、参加できるのではないでしょうか。
シリーズ「街・人を変えるソーシャルデザイン」では「丸の内朝大学」「六本木農園」など、多くの街・人を巻き込む企画を実行するプロジェクトデザイナー古田秘馬氏をファシリテーターに迎えます。第1回のゲストは、WEBサイト「日本仕事百貨」を運営する中村健太氏。働いている人と、働きたい人の想いをつなぐ、新しい仕事の探し方をきっかけに、社会のありかた、生き方を考えていきます。
キャリア・人 文化
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