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更新日 : 2010年07月02日 (金)

第7章 世界における日本の“存在感のなさ”を解消するには?

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竹中平蔵: 大西さんは「アジアの都市人口増」に対して、一体私たちは何をすべきだとお考ですか。そして「中国の若い活力をもっと日本が取り込む」ために、具体的に私たちは何をすればいいのでしょうか。

大西隆: 先ほど周さんは、「中国で『メガロポリス』という言葉が使われている」とおっしゃいました。中国全体の人口は増えないのに、都市に住む人が増えるので、それを受け止めていくことに必死なわけです。

大事なことは都市間のネットワークです。中国は急速に通勤社会になっています。拠点をいかに結んでいくか、あるいは住宅と職場をどう結んでいくかという交通のネットワークをつくっていくことが大きな課題です。これは、日本の都市技術が大いに貢献できる分野だと思います。

「中国からエネルギーをもらう」という意味では、日本の大学がもっと中国やアジアの方を受け入れて、ある種の多民族社会を大学からつくっていくことです。長い期間を経て日本に定着していくと思いますが、そういう流れをつくることが大事だと思います。

竹中平蔵: 黒川さんの「日本のビジネスのプレゼンスが世界的にない」という話は、ダボス会議などに出ても強く感じます。その危惧を経団連に何度申し上げても、のれんに腕押しなんです。それに対してどうすればいいのか、黒川さんはどうお考えですか。

黒川清: 日本国内の理屈ばかりではだめです。「相手から見た日本」を感じ取ることができない、日本の常識、都合で考え、対応しているのです。役所も企業もそうなので、ぜひ変えてもらいたい。

今までの年功序列、男性中心社会では変わりません。私は大学も企業も政治も、今のような大変化の時には、責任あるポストは50歳以下の人にしてほしいと思っています。トップが60歳を過ぎていたら、変えるエネルギーは生まれてこない。だめでも定年だから、、、などとはとんでもない話です。

ケンブリッジ大学のトップはアリソン・リチャードという女性です。マサチューセッツ工科大学は、スーザン・ホックフィールドという女性が学長です。ブラウン大学も黒人女性のルース・シモンズを迎えています。みなよその大学からスカウトしています。一方、例えば日本は89の国立大学で、女性学長はお茶の水女子大学だけです。

私のブログは日本語と英語、2つあります。メールの返事は基本的に英語です。みなさん、日本語で話している限りは“日本社会の枠組み中で考えている”ということをぜひ認識してください。もし英語の習得に乗り遅れたと思っているなら、中国語を勉強するのもいいと思います。

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