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なんでもかんでも進化する?

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更新日 : 2010年04月28日 (水)

第2章 ダーウィンが唱えた進化論

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●『大漢和辞典』の「化」の字義と同期?

澁川雅俊: ダーウィンは、『種の起源』の中で、生物の進化について論じたわけですが、そのとき「evolution」(evolve)は使わず、「descent with modification」と表現しています。

つまり彼は、一般に「進歩」「前進」「発展」「改良(改善)」などを意味しているevolutionとは異なる変化、変容、変態を唱えたかったのです。そして「descent with modification」は、「変化を伴う系統」の意味で、『大漢和辞典』の「自然界に行われている生滅転変の原理」と同じです。つまり進化論は、生物が不変のものではなく永々とした年月の下で起こる環境の変化に適応して次第に変化(種の変異や分化、あるいは滅亡)するものであり、現在地球上に存在するさまざまな生物は、すべてその過程のなかで生まれてきたことを科学的に説明しようとしています。

●NHK『ダーウィンが来た!』

生物の進化は気の遠くなるような時間の間に行われるので、実証することが難しい現象ですが、これまでに生物学のあらゆる分野からそれを裏付ける証拠が提出されており、自然科学の分野で、進化は、議論の余地のない事実であるとされています。

確かに、NHKの番組『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』を見るたびに、進化論の、難しい議論抜きに私たちは生き物の進化を如実に感じます。また直接ダーウィンとは関係はないにしても、番組を見ているときにそれを感じます。

また『レムール—マダガスカルの不思議なサルたち』(宗近功、淡輪俊編著、09年東京農業大学出版会)は写真集ですが、日本の2.5倍の面積とはいえ、マダガスカルという極めて限られた地域だけに生息するサル族(生物分類では「レムール」と呼ぶ)のさまざまな種の分化の様態を目で確かめることができ、まさにそれに〈進化〉という自然の神秘を感じざるを得ません。その不可思議さは、ダーウィンがガラパゴス諸島で見た陸イグアナと海イグアナの分化の比ではありません、といったら大げさでしょうか。

なおつい最近も『進化の存在証明』(R・ドーキンス、垂水雄二訳、09年早川書房)という本が出されましたが、著者は生物の進化は、その理論が大事なのではなくて、進化という事実が素晴らしいのだ、と主張しています。

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