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勝間和代はなぜ国際貢献に尽力するのか?

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更新日 : 2010年04月23日 (金)

第3章 国際貢献を長く続けるためには“仕組み”が必要

勝間和代氏 アカデミーヒルズ

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勝間和代: 「Chabo!」には、2009年9月末時点で6,574万円の寄付が集まりました。これは本の印税約10%の20%で、本の価格の2%ですから、この50倍ぐらいの金額の本が売り上げられたと思っていただければいいと思います。

自分の印税のような、利益の一部が直接渡ることで、子どもたちがより元気になり、きれいな水を飲めるようになり、英語を学べるようになり、職ができて一人立ちできる。そのような支援にお金を使ってもらえるのだったら、本を書く意欲もわきます。

「Chabo!」は今10人の著者でやっていますが、皆さん「締め切りを守るのは大変だけれど、子どもたちが待っていると思うと、本を書き上げなければいけないという気持ちになる」とおっしゃいます。

調べてみたところ、複数の著者が複数の出版社を合わせて共同の天引きファンドをつくったというケースは、日米でもこれしかないようです。当初は一人でやる方が簡単かと思いましたが、それをプラットフォームとしてつくった方が、寄付を受け取る方にとってもありがたいのではないかと思いました。

それと、個人が寄付をしようとすると煩雑なので、出版社に「天引きしてもらう」というスキームを考えました。これは出版社側で結構手間暇がかかることなので、ある程度の部数が見込める人でないといけないと考え、「原則10万部を単著で売ったことのある著者」というハードルを設けました。このプログラムをマーケティングに使われるのは嫌だと思ったからです。「Chabo!」での名声よりも、著者の名声が高い人にお願いしようという発想です。

何か国際貢献をしよう、新しいことをしようと思ったら、プロジェクトとして自分がどういう問題解決をするのか、そのためにどういうリソースを周りから集めて、どういう仕組みをつくるのかということを考えないと、長期継続的にはうまくいきません。

私が気まぐれで「この本は寄付しよう」「この本は寄付をやめよう」というように適当にやってしまうと、長期継続しません。「Chabo!」はそれぞれの強みを持ち寄って、自分たちができることを組み合わせることで、できているシステムなのです。

JENさんはもう十年以上活動している名門の国際協力NGOですが、こちらを信用して「一緒にやる」とおっしゃってくださったので始めることができました。現在は、著者のほとんどの出版社に扱っていただけるような態勢になっています。

「Chabo!」のマークは博報堂のクリエーティブチームの方に、ボランティアでつくっていただきました。取次さんは「Chabo!」枠を設けて、通常よりも数冊ずつ多く配本してくださっています。さらに書店では「Chabo!」と国際貢献や貧困問題などの関連本を並べるフェアなどをやってくださっています。

著者は「やりたい」と言ってきてくださった方に、信頼関係でお願いしていますが、共著者が自動的に巻き込まれるスキームがあるので、「Chabo!」の著者と共著者になると、大抵の場合、寄付していただくことになります。

こうして皆さんの協力を得て、読者の皆さんにも参加していただくことで初めて、先ほどお伝えしたように、6,000万円を超えるお金が生まれたのです。

自分の生活を脅かしてまで、人に寄付はできません。一人ひとりがやっているのは、自分ができる範囲のことです。

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勝間和代 (経済評論家、公認会計士)

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