記事・レポート
ローソン社長新浪剛史氏が描く、イノベーション・フロンティア
日本元気塾プレセミナー
更新日 : 2009年10月08日
(木)
第6章 リーダーシップとイノベーション
米倉誠一郎: 「東大に営業に行こう」と思いつくなんて、賢いですよね。日本で一番大きい大学ですからね。
新浪剛史: 実はこのアイディアを思いついたのは、社外から入った人なんです。いわゆるチェーンストアの考え方というのは「マニュアルを逸脱しない」ということなのですが、逸脱する人を外から呼んできていろいろやってもらうと、それを見た社員が「やっていいんだ」となって自分たちもやり始めるんです。
外から来た人は、過去の文化を知りません。過去の文化は、カリスマ社長がワッとやっていたわけです。「俺が決める、お前らは従え」というなかで社員は育ってきました。ですから変化が現れるのには時間がかかりますが、ダイバーシティはものすごく重要です。
米倉誠一郎: 最初の頃のお話にも「カリスマの力ではなく組織力でやりたい」とありましたが、お話を伺っていると、組織力というより一人ひとりがイノベーターになれるようにエンパワーしているようですね。
新浪剛史: オーナーもしくはオーナー的な経営者にすべての価値観を預けているのが、私たち小売業の実態なんです。
何だかんだ言っても成長には意味があると思っています。モチベーションとかイノベーションには、絶対成長が必要なんです。成長するためには、カリスマの意思決定ではなくて、まずやる人間が「俺の指、止まれ」と言ってみんなでやっていくことが必要です。そういうリーダーは必要なので、それをカリスマと言うならカリスマですが、私の意味しているカリスマは一人だけなんです。弊社はやはりそうなってしまっています。
問題はサクセッション、次どうするかです。多分同じパターンは通用しないでしょう。だから過去の小売というのは、どんどんおかしくなっているんです。
米倉誠一郎: 多分、禅譲だったらだめだと思います。「こいつを乗り越えた」という人間が出てこないとサクセッションにならないような気がするので、新浪ローソンは行くところまで行ってほしいですね。
新浪剛史: それでもポジションを与えれば、人はできますよ。ただ、「リーダーになれる人かどうか」は見ていないとだめでしょうね。どういうポジションに向いているかは絶対間違えてはいけない。
必ずしもトップがいいというわけではなくて、自分が一体何を目指しているか。それぞれ役割というものがありますから。僕にはCFOはできません。参謀役で支える人がいたから、私はCEOをできたんです。
米倉誠一郎: CEOになるという志は大事だと思うのですが、何を経由してCEOになるかということがあると思います。例えば自分はチーフ・マーケティング・オフィサーが合っているから、そこからCEOを目指すとか、チーフ・ファイナンシャル・オフィサーから目指すとか。初めからCEOってすごく難しいと思うので、やはりキャリアをつくるという感覚が大事ですね。
新浪剛史: 実はこのアイディアを思いついたのは、社外から入った人なんです。いわゆるチェーンストアの考え方というのは「マニュアルを逸脱しない」ということなのですが、逸脱する人を外から呼んできていろいろやってもらうと、それを見た社員が「やっていいんだ」となって自分たちもやり始めるんです。
外から来た人は、過去の文化を知りません。過去の文化は、カリスマ社長がワッとやっていたわけです。「俺が決める、お前らは従え」というなかで社員は育ってきました。ですから変化が現れるのには時間がかかりますが、ダイバーシティはものすごく重要です。
米倉誠一郎: 最初の頃のお話にも「カリスマの力ではなく組織力でやりたい」とありましたが、お話を伺っていると、組織力というより一人ひとりがイノベーターになれるようにエンパワーしているようですね。
新浪剛史: オーナーもしくはオーナー的な経営者にすべての価値観を預けているのが、私たち小売業の実態なんです。
何だかんだ言っても成長には意味があると思っています。モチベーションとかイノベーションには、絶対成長が必要なんです。成長するためには、カリスマの意思決定ではなくて、まずやる人間が「俺の指、止まれ」と言ってみんなでやっていくことが必要です。そういうリーダーは必要なので、それをカリスマと言うならカリスマですが、私の意味しているカリスマは一人だけなんです。弊社はやはりそうなってしまっています。
問題はサクセッション、次どうするかです。多分同じパターンは通用しないでしょう。だから過去の小売というのは、どんどんおかしくなっているんです。
米倉誠一郎: 多分、禅譲だったらだめだと思います。「こいつを乗り越えた」という人間が出てこないとサクセッションにならないような気がするので、新浪ローソンは行くところまで行ってほしいですね。
新浪剛史: それでもポジションを与えれば、人はできますよ。ただ、「リーダーになれる人かどうか」は見ていないとだめでしょうね。どういうポジションに向いているかは絶対間違えてはいけない。
必ずしもトップがいいというわけではなくて、自分が一体何を目指しているか。それぞれ役割というものがありますから。僕にはCFOはできません。参謀役で支える人がいたから、私はCEOをできたんです。
米倉誠一郎: CEOになるという志は大事だと思うのですが、何を経由してCEOになるかということがあると思います。例えば自分はチーフ・マーケティング・オフィサーが合っているから、そこからCEOを目指すとか、チーフ・ファイナンシャル・オフィサーから目指すとか。初めからCEOってすごく難しいと思うので、やはりキャリアをつくるという感覚が大事ですね。
関連リンク
ローソン社長新浪剛史氏が描く、イノベーション・フロンティア インデックス
-
第1章 コンビニに求められる価値が変わった
2009年07月22日 (水)
-
第2章 社会のニーズとのギャップに気づくことがイノベーション
2009年08月04日 (火)
-
第3章 世代や地域のニーズから生まれた店舗展開
2009年08月17日 (月)
-
第4章 社会と共生する上で、企業の価値をどう位置づけるか?
2009年09月10日 (木)
-
第5章 現場を体感しながら社員と理念を共有する
2009年09月25日 (金)
-
第6章 リーダーシップとイノベーション
2009年10月08日 (木)
-
第7章 キャリアが生んだ縁でローソンの社長になった
2009年10月19日 (月)
-
第8章 多様性を活かすイノベーションが新しい資本主義を生み出すか?
2009年10月27日 (火)
注目の記事
-
12月24日 (火) 更新
本から「いま」が見えてくる新刊10選 ~2024年12月~
毎日出版されるたくさんの本を眺めていると、世の中の"いま"が見えてくる。新刊書籍の中から、今知っておきたいテーマを扱った10冊の本を紹介しま....
-
12月24日 (火) 更新
aiaiのなんか気になる社会のこと
「aiaiのなんか気になる社会のこと」は、「社会課題」よりもっと手前の「ちょっと気になる社会のこと」に目を向けながら、一市民としての視点や選....
-
12月01日 (日) 更新
【重要】「アカデミーヒルズ」閉館のお知らせ
「アカデミーヒルズ」は、2024年6月30日をもって閉館させていただくこととなりました。これまでのご利用ありがとうございました。閉館までの間....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 01月30日 (木) 19:00~20:30
note × academyhills
メディアプラットフォームnoteとのコラボイベント第2回。映画『ビリギャル』の主人公のモデルで教育家として活動する小林さやかさんと、元陸上選....
小林さやかと為末大が語る『人間の学び・成長のプロセスとマインドセット』