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楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント

~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2009年03月13日 (金)

第7章 強力な販促ツール=メルマガづくりのポイント


黒坂三重さん
神原弥奈子: RMS(楽天マーチャンダイジングシステム)は非常に有名ですが、機能が定期的に強化されていくというのは、継続するモチベーションになると思います。SEOやアクセスなど、どのぐらいのスピードで効果測定をしていくように機能強化してきたのでしょうか? というのも、ページのデザインが店舗によってレベルに差があり過ぎると感じているのです。

黒坂三重: 店舗さまそれぞれのPCに対する経験レベルや、そこにかけられるコストと人員、そのセンスなど多様ですね。メルマガがとてもよくて、クリックして出てくるページの商品が売れるなどもあるので、一概にページのデザインだけでは判断できないのです。

三木谷は、「きれいにそろえて、デザインのクオリティも似たようにして、どこを見ても同じような視線で物が買えるような環境をつくったとしても、本当にそれが楽天市場というサイトでモノが売れるか?」と言っています。


神原弥奈子さん(左)、黒坂三重さん(右)
神原弥奈子: なるほど。2万店を超えるお店が出ていらっしゃるわけで、それを全部同じにすると、ショッピングがエンターテイメントじゃなくなるのかもしれない、とも思います。ところで、買う方々の入口として一番強いのは、やはりメルマガなのですか?

黒坂三重: メルマガが多いです。もちろん、探し物をしたり、ウィンドウショッピングをしつつ購入にいたるユーザーの方も多いです。

会場からの質問: 海外に進出されるとのことなのですが、同じようにメルマガの戦略をとっていかれるのでしょうか?

黒坂三重: メルマガ戦略は、多分どこの国に行ってもやると思います。「たくさんメールをスタッグさせていって、チラッと目にしたものの記憶をたどって買っていただく」という成功事例は、横展開するでしょう。もちろん、その店舗さまのファンを獲得し、リピートしていただくためのメルマガ。というもの自体は変わらず支持されるものかと思います。

会場からの質問: 出店者さんがつくられるメルマガは、差がすごくあると思うのですが、売れ方の実態が知りたいのです。「最も売れるワード」みたいなものはあるのでしょうか?

黒坂三重: 例えば、とある店舗さんに、「普段のお礼です」みたいな HTMLメールがあります。メールを開くと、のしが出て、「お礼」といわれるとついつい読んでしまう仕掛けになっています。それから、すごく期待されるような行間の持ち方をして、下にどんどん読ませていくとか、リンクのつくり方などがあります。

一番売れるのは予告メールですね。「明日の何時から何々を売ります」と書くと、そのページに皆さんアクセスしてみるんですね。あとは「福袋」という言葉を入れたり、特殊なジャンルは特殊なキーワードを入れたり。「何%オフ」と入れるとか、そういういくつかの成功事例があります。

神原弥奈子: 黒坂さんとは、子育て談義をすることもあるのですが、今日のお話を伺いながら、クリエーターの方々と非常に近い視点を持っていらっしゃった黒坂さんが、日々の小さな改善を繰り返しながら、今また新しいチャレンジをされているところにビジネスパーソンとしての可能性の大きさを改めて感じました。

楽天は国内最大のリーディングカンパニーですから、信頼、安心できるサービスを継続していくために、負わなければいけない責任も増えてくるのだろうなと思いました。本日はどうもありがとうございました。(終)

※この原稿は、2008年8月26日にアカデミーヒルズで開催したオンラインビジネスセミナー「楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~」を元に作成したものです。


該当講座

楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント
~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~
黒坂三重 (楽天株式会社 楽天市場事業ビジネスユニット 執行役員編成部 部長 兼 楽天市場第四部 部長)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

1997年5月のサービス開始から、またたく間に国内を代表するインターネットショッピングモールに成長した楽天市場。その躍進の陰には、出店者と消費者の方々へ向けた、緻密なマーケティング戦略の立案と、不断の実行が重要なポイントとして挙げられます。これまでのおよそ10年間に楽天市場が歩んできた道のりは、まさ....


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