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楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント

~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2009年03月06日 (金)

第6章 1億円の家がネットで売れる。ロングテール時代のECコンサルタントの役割

黒坂三重さん
神原弥奈子: 月に700~800店舗の出店があるということですが、ECコンサルタントさんはどういうふうに動いているのですか?

黒坂三重: 店舗さまの出店状況、売上げ規模、所属ジャンルなどの種類によって、担当するECコンサルタントが変化します。

神原弥奈子: 商品数や売上規模によって、ご提供しなければいけない情報はかなり違う気がするのですが。

黒坂三重: おっしゃる通り、違いますね。組織を簡単に説明すると、新規出店を募るための営業、それから店舗さんが看板を立ててガラガラとシャッターを開けるところまでの営業、一定の売上規模になるとジャンル担当営業のところで売上を伸ばしていくというスタイルです。

神原弥奈子: 規模に合わせて売上目標があって、それを達成できるように側面支援をするのがECコンサルタントということなのですね?

黒坂三重: そうです。

とはいえ、何が売れるか分からないんですよ。 150万円の鎧とか、1体2,500万円のロボットや、1億円するお城みたいな一軒家が売れるんです。うわさになったり、誰かが見つけてどこかに書き込んだりとか、売れなくてもページにいらっしゃる来訪者数が増えてくるんです。

神原弥奈子: ロングテールですね。

例のうなぎ騒動で、「自分のところはちゃんとしたうなぎを扱っていたんだけれども、楽天に出していたから同じに見られてしまう」というようなお話がありました。こういう問題はこれからまだまだネットで出てくると思うのです。そういうことに対して、どうやってコミュニケーションされていくのですか?

黒坂三重: サイト内のパトロールは、以前から強化している分野で、専門性をもって実施しています。

会場からの質問: 「信頼性のためにパトロールをやっている」というお話しですが、商品を楽天側のシステムで止めることもあるのでしょうか?

黒坂三重: パトロールについては、専門部隊が検知して、ECコンサルタントを通じて警告して、取り下げていただくようお願いしています。ごくまれですが、場合によってはこちらの方で一旦お店を閉じさせていただきます。店舗さまに対象商品を取り下げていただいて、契約をきちんと結んでいただいたうえで再度お店を開けていただく、ということにご理解、納得が得られるまでお話をします。
(その7に続く、全7回)

※この原稿は、2008年8月26日にアカデミーヒルズで開催したオンラインビジネスセミナー「楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~」を元に作成したものです。

該当講座

楽天市場のオンラインマーケティング戦略のポイント
~大型インターネットショッピングモールの成長の軌跡~
黒坂三重 (楽天株式会社 楽天市場事業ビジネスユニット 執行役員編成部 部長 兼 楽天市場第四部 部長)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

1997年5月のサービス開始から、またたく間に国内を代表するインターネットショッピングモールに成長した楽天市場。その躍進の陰には、出店者と消費者の方々へ向けた、緻密なマーケティング戦略の立案と、不断の実行が重要なポイントとして挙げられます。これまでのおよそ10年間に楽天市場が歩んできた道のりは、まさ....


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