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「モバゲータウン」の強さとは

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2008年08月26日 (火)

第6章 広告実例。若者へのリサーチと、携帯とテレビの親和性

畑村匡章さん

畑村匡章: 携帯電話の公式サイトではなく「勝手サイト」と呼ばれているサイトで、ここまで会員が伸びたというのは過去には例がないので、いろいろ新しいことをやっていこうとしています。

広告の事例ですが、清涼飲料メーカーが、高校生のユーザー層が多い『モバゲータウン』の属性に目をつけました。この年代は人口が少なくて600万人弱ぐらいだと思うのですが、『モバゲータウン』には、300万人ぐらいが登録しています。つまり、高校生の約半数が使っていると考えていただければいいと思います。

クライアントに「ぜひ若い人たちにブランドを浸透させたい」という思いがあったので、『モバゲータウン』とクライアントの共同企画サイトを作りました。ゲームやデコメ、着ボイスなどいろいろな携帯コンテンツがあって、キャラクターがアバターになって日記を書いたりできるのです。このサイトに入るには、『モバゲータウン』とクライアントの公式サイトに加入してもらうことを条件にしたら、1カ月半の期間中、初めの18日間で、クライアントのサイトに登録した人数が50万人、最終的には85万人ぐらいになりました。若い世代にリーチできた事例です。

他にも、実際に販売されている浴衣をアバターのコンテンツに出したことで、クライアントの浴衣に対する認知を上げることができたなど、CGM(※編注:Consumer Generated Media)型のコンテンツ広告ということでは新しい取り組みができました。

他にも、日本テレビの『24時間テレビ』という番組で、一緒にチャリティをしたときの事例があります。走りをテーマに、テレビ番組と同じようにユーザーもチャリティの選手になってもらうという企画をやりました。「完走するとアバターをもらえる」というもので、156万人という大変多くの参加がありました。

また、実際のお金に換えられる「WebMoney」で、チャリTシャツというアバターを買うと、買った金額を日本テレビに寄付して慈善事業に使っていただくというような取り組みをした結果、かなりの売上げになりました。日本テレビからも面白いと評価していただきました。

キャンペーンの効果では、例えば「インフォマーシャル」というのがあります。ゲームをリリースするとき、テレビの番組内の宣伝を通じて「ゲームができますよ」と言うとアクセス数が上がります。「テレビと携帯の相性ってどうなんですか?」と聞かれたり、「携帯がテレビというメディアを侵食するのではないか」という説もあったりしますが、我々はもっと親和性が高いと考えています。