記事・レポート
RoppongiBIZ*週刊東洋経済提携セミナー『勝間式「利益の方程式」』
更新日 : 2008年07月16日
(水)
第1章 利益を生み出す黄金ルール
─経済評論家、公認会計士として活躍する勝間和代氏。氏の手掛ける著書、セミナー、ブログは経済や経営のプロのみならず、主婦や学生層からの厚い信頼を得ているほか、最近では著者印税の一部を難民や災害地域の教育・自立支援のための寄付とするChabo!の活動も広まりを見せている。ここでは(2008年)5月28日に行われた『勝間式「利益の方程式」~商売は粉もの屋に学べ!~』に関するセミナーの模様をお送りしていく。キャリアアップの方法やChabo!の活動内容など濃密な内容でつづられた約2時間に及ぶ講演から、氏が唱える利益を生み出す方程式の基礎知識をメインに、その一部を抜粋した形でお届けしていきたい。─
●社員全員が共有すべき4つのバランス
勝間和代: 本日のお話は『利益の方程式』という本についてですが、このセミナーでは本を読まれた方も、そうでない方も満足いただけるように概要も交えつつ、本に書ききれなかったことを話すという形で説明させていただきたいと思います。私はコンサルタントやアナリスト、会計士などいろいろなことをやっていたのですが、結局突き詰めますと、「どうやって利益って出すんですか」という一語に尽きることが分かりました。その中で最後にたどり着いたのが、利益=(顧客単価-顧客獲得コスト-顧客原価)×顧客数という簡単な式なのです。
まず、この万能利益の方程式の解説をしていきます。私がマッキンゼーで先輩に習った言葉として、一番印象深いのは「時間で勝負」なんですね。世の 中の利益の大半は時間だと。要はビジネス・モデルとか参入障壁とか格好いいことをたくさん言うけれども、ほとんどの儲けの源泉というのは「速さ」だという ことを散々教えられました。どんなにいいビジネス・モデルであっても、どんなにいい商品であっても、いつかは普及してしまいますし、いつかは追いつかれる ということ。ですので、儲かっているビジネスの根源は、大体8割方が「時間のアービトラージ」と習いましたが、時間を裁定しているだけだということなんで すね。だからこそスピードが重要ですし、顧客単価・顧客獲得コスト・顧客原価・顧客数、この4つをコントロールすることが重要になるわけです。
なぜかと言いますと、これも皆さんご存じだと思いますが、すべて良くすることは不可能だからです。顧客単価を上げれば、当然顧客数が減ります。顧 客原価を下げれば、顧客獲得コストが上がります。では、広告費を使い過ぎたらどうでしょうか。確かに顧客数が増えるかもしれませんが、顧客獲得コストが減 ります。あるいは顧客数を増やしていくと、貧民効果と呼んでいますが、段々と悪い顧客にアクセスしてくるようになり顧客単価が下がってきます。ですので、 この4つのバランスをとりながら、いかに最適なリソース配分をするかということが、この利益の方程式の鍵になるわけです。
実は、この本を出版したときに面白い反応がありました。そうではないかという仮説はあったのですが、企業のトップに近いほど評価が高く、逆に20 代前半~30前後の若い方ほど何でこんな当たり前のことを今さら言われなければいけないのという評価の2つに分かれたんですね。この20代、30代がなぜ 当たり前だと思うかというと、その方たちはご本人が全部を見る立場にないからなのですよ。1人1人が顧客原価や顧客獲得のところだけ、あるいは単価に近い ところだけ見ているといったことで全体を俯瞰する仕組みが無いからなんですね。なので、私のお勧めとしましては、会社によっては社内指標として埋め込まれ ているのですが、この管理職の人も非管理職の人も、この4つのバランスというのを常に共有してウォッチができるような仕組みが必要だと考えています。
まず、この万能利益の方程式の解説をしていきます。私がマッキンゼーで先輩に習った言葉として、一番印象深いのは「時間で勝負」なんですね。世の 中の利益の大半は時間だと。要はビジネス・モデルとか参入障壁とか格好いいことをたくさん言うけれども、ほとんどの儲けの源泉というのは「速さ」だという ことを散々教えられました。どんなにいいビジネス・モデルであっても、どんなにいい商品であっても、いつかは普及してしまいますし、いつかは追いつかれる ということ。ですので、儲かっているビジネスの根源は、大体8割方が「時間のアービトラージ」と習いましたが、時間を裁定しているだけだということなんで すね。だからこそスピードが重要ですし、顧客単価・顧客獲得コスト・顧客原価・顧客数、この4つをコントロールすることが重要になるわけです。
なぜかと言いますと、これも皆さんご存じだと思いますが、すべて良くすることは不可能だからです。顧客単価を上げれば、当然顧客数が減ります。顧 客原価を下げれば、顧客獲得コストが上がります。では、広告費を使い過ぎたらどうでしょうか。確かに顧客数が増えるかもしれませんが、顧客獲得コストが減 ります。あるいは顧客数を増やしていくと、貧民効果と呼んでいますが、段々と悪い顧客にアクセスしてくるようになり顧客単価が下がってきます。ですので、 この4つのバランスをとりながら、いかに最適なリソース配分をするかということが、この利益の方程式の鍵になるわけです。
実は、この本を出版したときに面白い反応がありました。そうではないかという仮説はあったのですが、企業のトップに近いほど評価が高く、逆に20 代前半~30前後の若い方ほど何でこんな当たり前のことを今さら言われなければいけないのという評価の2つに分かれたんですね。この20代、30代がなぜ 当たり前だと思うかというと、その方たちはご本人が全部を見る立場にないからなのですよ。1人1人が顧客原価や顧客獲得のところだけ、あるいは単価に近い ところだけ見ているといったことで全体を俯瞰する仕組みが無いからなんですね。なので、私のお勧めとしましては、会社によっては社内指標として埋め込まれ ているのですが、この管理職の人も非管理職の人も、この4つのバランスというのを常に共有してウォッチができるような仕組みが必要だと考えています。
RoppongiBIZ*週刊東洋経済提携セミナー『勝間式「利益の方程式」』 インデックス
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第1章 利益を生み出す黄金ルール
2008年07月16日 (水)
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第2章 中間管理職を含め全員が利益を追求しなければいけない
2008年07月23日 (水)
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第3章 本はタイトルで手に取らせない限り顧客獲得コスト倒れになる
2008年07月31日 (木)
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第4章 積もり積もった過剰品質はコスト高と納期の遅れを招く
2008年08月08日 (金)
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第5章 値上げも値下げもやってみるしかない。結局は仮説、実行、検証がすべて
2008年08月19日 (火)
該当講座
勝間和代 (経済評論家、公認会計士)
「売上増は七難隠す」という言葉がありますが、これは日本経済が右肩上がりで成長を遂げていたバブル崩壊以前の「売上をあげると利益は後からついてくる」という頃の経験則に基づいた実感です。しかしながら日本の経済状況は成長期から成熟期へ大きく変化し、人々の生活は豊かになるとともに市場は飽和しつつあります。こう....
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