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日本元気塾セミナー
小さな一歩が世界を変える!

「医療」「教育」で世界を変えるニッポン人

更新日 : 2016年07月06日 (水)

第9章 チャンスのバトンを次世代に受け継ぐ


 
思いから生まれるプラスの連鎖

米倉誠一郎: 一方のe-Educationも、基本的にはボランティアに根差した組織だと思いますが、現在はどのような感じで回っていますか?

三輪開人: 現地で強力なパートナーを見つけて成功したバングラデシュをモデルに、ミャンマーでも現地の大学生や私達の活動を経て大学を卒業した人を中心に、プロジェクトを進めています。最終的に目指すところは、現地の人達だけで回せる仕組みを作ることですが、土台ができるまでは日本から大学生を派遣しつつ、活動のコアとなってくれる人材を集めています。

基本的に日本からの渡航費、現地での活動費などは自己負担です。そのあたりは、クラウドファンディングなどを利用しながら回しています。最近は文部科学省が主導する「トビタテ! 留学JAPAN」という海外留学支援プログラムを活用し、私達の活動に参加してくれる学生もいます。実は、ミャンマーの病院でアクセサリーを作るプロジェクトを行った山口諒真さんも、このプログラムを利用しています。

米倉誠一郎: 僕もe-Educationの応援団としてバングラデシュやミャンマーを何度も訪れていますが、具体的にリーダーとなり得る人材はどのように見つけていますか?

三輪開人: 例えば、地方の貧しい農村や少数民族の村の出身で有名大学に入った学生、現地にある社会起業家やNGO、NPOのスタッフになるための特別なスクールに通う学生などをリクルートし、活動に巻き込んでいます。彼らは自分の故郷や同じ境遇の人達に対する思いがとても強く、私達の活動に大きな意義を感じてくれます。

米倉誠一郎: 自分達がつかんだチャンスのバトンを、次の人達にも受け渡したいと考えてくれる人材の発掘ですね。そして、彼らが地元に戻り、高校生の横で教えてくれる。身近にロールモデルがいれば、高校生もやる気になる。まさしく、プラスの連鎖が生まれているわけだ。吉岡先生も、映像授業を使って何かできると考えているそうですね?

吉岡秀人: ASEANの貧しい国は、あらゆる分野で社会を牽引するような指導者が不足しています。特にミャンマーやカンボジアでは、軍事政権や内戦などのせいで、大学を卒業した若い人材を指導できる人間が圧倒的に不足しています。こうした問題を解決しない限り、医療をはじめとした社会インフラの底上げは図れません。

そこで、指導者の代わりとしてe-Educationのスキームを活用し、全寮制の施設を作って優秀な学生を集め、食事と教育を無償で提供し、未来の医療を担っていく医者や看護師を育てていく、といった仕組みも作り出せると考えています。



該当講座


小さな一歩が世界を変える! 
~「医療」×「教育」で世界に挑戦する日本人イノベーター~
小さな一歩が世界を変える! ~「医療」×「教育」で世界に挑戦する日本人イノベーター~

吉岡秀人(小児外科医・ジャパンハート)×三輪開人(e-eduication)米倉誠一郎(日本元気塾塾長)
社会的変革で途上国を変えようとする日本人イノベーターがテーマ。吉岡氏と三輪氏はミャンマーで出会い「医療」×「教育」で新しいイノベーションを引き起こそうとしています。“入院中の子供たちに映像による教育を提供する”ことにより子供たちに将来、未来、夢をもたらすことです。今までの各々の活動、そして新しい出会いがもたらした新たな取組みの可能性、社会的インパクトについて多面的に考えます。