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日本元気塾セミナー
小さな一歩が世界を変える!

「医療」「教育」で世界を変えるニッポン人

更新日 : 2016年06月29日 (水)

第7章 ジャパンハートとe-Educationの出会い


 
患者の笑顔をつくるプロジェクト

三輪開人: 小沼武彦が立ち上げたミャンマープロジェクトは、現在、林直人という大学生に受け継がれています。彼は東京大学を卒業後、大学院に進む予定でしたが、1年間休学してe-Educationに参加してくれました。

彼もまた、新しいプロジェクトを立ち上げることを目標にしていました。このタイミングで、私達はジャパンハートさんと出会います。ジャパンハートさんが拠点とするミャンマーのワッチェ慈善病院を訪れた彼が、何かできないかと考えたことがきっかけです。

ミャンマーの病院には、日本のようなテレビなどの娯楽はありません。設備が整わない病院の中で、患者さんはひたすらベッドに寝ている状態です。働くこともできず、将来への不安だけが募るようになり、次第に患者さんだけでなく、その家族からも笑顔が失われていきます。

そこで、インターンとしてジャパンハートに参加していた大学生・山口諒真さんと一緒に、ビーズアクセサリー作りとともに、映像によるIT教育や保健教育を行うことにしました。制作したアクセサリーは、販売を通じて入院費の負担軽減につなげています。

一方の映像授業は、現地でIT教育を行う先生と連携し、ITをゼロから学べる映像コンテンツを制作しました。近年はミャンマーでも大都市を中心にパソコンが普及しており、特に若者の関心は急激に高まっています。しかし、地方に行くとパソコンを見たことがないという人もまだ多い。そこで、パソコンを使ってできること、ワードやパワーポイントなどの基本的な使い方をDVDにまとめ、病院で授業を始めています。保健教育は、HIVや感染症、麻薬などの恐ろしさを認知してもらうために、紙芝居形式の映像としてまとめています。

 
あなたの一歩が世界を変える

三輪開人: このように、多くの学生達がe-Educationを通じて一歩を踏み出しています。1人ひとりの学生は、特別な能力を持っていたわけではありません。吉岡先生のお話を聞いたり、何かの本を読んだり、あるいは実際に自分の目で世界を見たことをきっかけに、「自分にもできることがある」と考え、主体的に動いたのでしょう。そして、ジャパンハートやe-Educationの活動は、こうした1人ひとりの一歩に支えられ、今日も続けられているのだと思います。

この会場にいらっしゃるのは社会人の方が多いと思いますが、ならば皆さんができることは何でしょうか? 私達のような若者の一歩に世界を変える力があるとすれば、皆さんの一歩にはもっと大きな力があるはずです。今回、僕が皆さんに伝えたいメッセージは、たった1つ。それは「あなたの一歩が世界を変える」です。


該当講座


小さな一歩が世界を変える! 
~「医療」×「教育」で世界に挑戦する日本人イノベーター~
小さな一歩が世界を変える! ~「医療」×「教育」で世界に挑戦する日本人イノベーター~

吉岡秀人(小児外科医・ジャパンハート)×三輪開人(e-eduication)米倉誠一郎(日本元気塾塾長)
社会的変革で途上国を変えようとする日本人イノベーターがテーマ。吉岡氏と三輪氏はミャンマーで出会い「医療」×「教育」で新しいイノベーションを引き起こそうとしています。“入院中の子供たちに映像による教育を提供する”ことにより子供たちに将来、未来、夢をもたらすことです。今までの各々の活動、そして新しい出会いがもたらした新たな取組みの可能性、社会的インパクトについて多面的に考えます。


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