記事・レポート

「日本発、世界」を視野に動き出したNHN Japanの経営戦略

~森川亮氏に聞く、スマホ&ソーシャル時代を勝ち抜く経営~

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2012年11月27日 (火)

第2章 ウェブサービスとオンラインゲームの開発から運営まで手掛ける

森川亮(NHN Japan 株式会社 代表取締役社長)

森川亮: 「LINE」以外の事業も簡単にご紹介します。まずは「livedoor」から。ライブドアがグループに加わるとき、いろいろな方から「サービス的にもビジネス的にも難しいんじゃないか」と言われましたが、実際には個々のサービスが順調に成長しています。

特に強いのがニュースコンテンツです。従来のニュースサイトは通信社や新聞社からデータを受けて表示するスタイルが一般的でしたが、「livedoor ニュース」は編集部を設けて記事を加工したり、独自にブロガーを集めてブログをメディア化したりしたことで、成長の大きなドライバになりました。「livedoor ニュース」のスマートフォンブラウザ版は、月間1億ページビューを突破しています。

「NAVER」は、「日本で検索シェアを取ろう!」という強い気持ちでスタートしました。もともとソーシャルの時代というのはネットにあふれる情報が余りに多いためクローリングして、検索データベース化するスピードが追いつかないのです。私たちはもともとソーシャルサーチが強みでQ&Aをベースにした検索サービスを始めた会社で、現在のような情報があふれるようなソーシャルの時代に強く、その一歩先のサービスとして新たに「NAVER まとめ」を2009年に開始しました。キュレーションのプラットフォームが次のソーシャルサーチの要になると考えたのです。 

スタート時は苦労したのですが、だんだんと「NAVER まとめ」が口コミで広がるようになると、広告収入がとれるようになって来ています。最近はタイアップ系の「まとめ」が好評で、いろいろな企業からご依頼をいただいています。スマートフォン版では検索アプリや辞書アプリが人気で、特に画像検索は好評です。

「ハンゲーム」は国内最大級のPC向けゲームサイトで、累計登録ID数は5,140万件に達しています。最近は「Dragon Nest(ドラゴンネスト)」というゲームが人気で、登録者数が500万人を突破しました。スマートフォン版も強化していて、「マジモン」というRPGはApp Storeのゲーム売上げランキングで1位になりました。ほかにも「ダーツ」などのシンプルな定番ゲームもスマートフォン化していて、スマートフォンアプリのダウンロード数は順調に伸びています。

数字としては、「LINE」はユーザー数が約6,500万人(※2012年10月現在)、「livedoor」のポータルはUUが月間約4,800万、「NAVER」のUUは月間約3,000万、「ハンゲーム」は累計登録ID数が約5,000万という、それぞれ特徴的なサービスに育っています。(※2012年8月末現在)


該当講座

「日本発、世界」を視野にいよいよ動き出したNHN Japan トップ森川亮氏に聞く経営戦略
森川亮 (C Channel株式会社 代表取締役)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

森川亮 (NHN Japan 株式会社 代表取締役社長)
「ハンゲーム」、「NAVERまとめ」など次々にヒットを生み出すNHN Japan。代表の森川氏にソーシャル、そしてスマートフォン時代に経営者として、今後どのように舵をきっていくのか、その戦略に迫ります。サービスのマネタイズ化、競争の激しいネット業界での人材の確保、海外企業との提携など今後のグローバル展開や、ソーシャルゲーム業界の課題を含めた、国内外ネット業界全体の“いま”についてもお話頂きます。


BIZセミナー オンラインビジネス