記事・レポート
伊勢谷友介とリバースプロジェクト その理念と実践に迫る
人類が地球に生き残るために、どうするべきか?
環境
更新日 : 2012年03月22日
(木)
第1章 世界中の人が日本人と同じ生活をするには、地球が2.5個必要
役者として強烈な個性を放つ、伊勢谷友介氏。表現者として活躍するとともに、社会企業家として「リバースプロジェクト」を設立し、地球の環境や未来を守る活動を展開しています。己の信念をアートと行動で示し、ポジティブな社会変革を目指す氏の核心に、森美術館チーフ・キュレーターの片岡真実が迫ります。
講師:伊勢谷友介(俳優/監督/REBIRTH PROJECT(リバースプロジェクト)代表)
モデレーター:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
片岡真実: 「六本木アートカレッジ」のオープニングセッションに、伊勢谷友介さんをお迎えしました。みなさんには楽しみながら、「自分にとってアートって何だろう?」と考えるきっかけにしていただければと思います。
伊勢谷さんは「人類が地球に生き残るために、どうするべきか?」という大きなテーマを提案してくださいました。会場のスクリーンには「宇宙から見た地球」が映し出されていますが、これは?
伊勢谷友介: この目線って、人間が宇宙に行ったときに初めて持ったものですよね。これは実際の目線ですけれど、僕が大事だと思うのは「意識として、僕ら一人ひとりがどの目線でこの地球上に立っているか」だと思うんです。これをまず皆さんと共有したくて、この画像を出しました。
片岡真実: 今、日本だけでなく、世界中でいろんなことが起こっていますが、伊勢谷さんは地球全体をどんなふうに眺めていますか。
伊勢谷友介: 地球には70億人の人間が住んでいますが、全員が日本人と同じ生活をしようと思ったら、地球が2個半必要だそうです。それだけ地球を消費しているということは、日本人の生活は地球上で破綻しているということです。ちなみにアメリカは約5個半。先進国の生活はもうダメで、あり得てはいけないものになっているんです。この事実を認識することが大事だと思います。
片岡真実: その地球の数は、食物を生産するために必要な土地面積ということですか?
伊勢谷友介: そうですね。あとは森林とか海とか、いろいろです。人間がどれだけ自然に依存しているかを概算したものだそうです。(※参照:エコロジカル・フットプリント)
こういう大きな問題に直面すると、たいていの人は「自分じゃ何もできない」と思ってしまって、「一人ひとりが動かないと、地球は変わらない」とはなかなか意識できません。でもここにいるみなさんは、それが意識できた人としてスタートして、「次にアクションをどう起こすか」ということを僕らの事例をもとに探ってもらいたいと思います。
片岡真実: それって震災後の「節電」がいい例ですよね。震災前は「自分一人がこまめに電気を消したところで……」なんて思っていたものが、震災後、集団の力になったとき、大きな結果として出ました。
伊勢谷友介: あれには鳥肌が立ちました。夜は電力が余っていたという事実はありますが、夜中に暑さで亡くなられる方がいたにもかかわらず、覚悟を持って他人のために電源を落とす。そういう意識をみんなが持てたというのは、新しい人間同士のシノプシス(※梗概、流れ)が生まれているんじゃないかと感じます。
伊勢谷さんは「人類が地球に生き残るために、どうするべきか?」という大きなテーマを提案してくださいました。会場のスクリーンには「宇宙から見た地球」が映し出されていますが、これは?
伊勢谷友介: この目線って、人間が宇宙に行ったときに初めて持ったものですよね。これは実際の目線ですけれど、僕が大事だと思うのは「意識として、僕ら一人ひとりがどの目線でこの地球上に立っているか」だと思うんです。これをまず皆さんと共有したくて、この画像を出しました。
片岡真実: 今、日本だけでなく、世界中でいろんなことが起こっていますが、伊勢谷さんは地球全体をどんなふうに眺めていますか。
伊勢谷友介: 地球には70億人の人間が住んでいますが、全員が日本人と同じ生活をしようと思ったら、地球が2個半必要だそうです。それだけ地球を消費しているということは、日本人の生活は地球上で破綻しているということです。ちなみにアメリカは約5個半。先進国の生活はもうダメで、あり得てはいけないものになっているんです。この事実を認識することが大事だと思います。
片岡真実: その地球の数は、食物を生産するために必要な土地面積ということですか?
伊勢谷友介: そうですね。あとは森林とか海とか、いろいろです。人間がどれだけ自然に依存しているかを概算したものだそうです。(※参照:エコロジカル・フットプリント)
こういう大きな問題に直面すると、たいていの人は「自分じゃ何もできない」と思ってしまって、「一人ひとりが動かないと、地球は変わらない」とはなかなか意識できません。でもここにいるみなさんは、それが意識できた人としてスタートして、「次にアクションをどう起こすか」ということを僕らの事例をもとに探ってもらいたいと思います。
片岡真実: それって震災後の「節電」がいい例ですよね。震災前は「自分一人がこまめに電気を消したところで……」なんて思っていたものが、震災後、集団の力になったとき、大きな結果として出ました。
伊勢谷友介: あれには鳥肌が立ちました。夜は電力が余っていたという事実はありますが、夜中に暑さで亡くなられる方がいたにもかかわらず、覚悟を持って他人のために電源を落とす。そういう意識をみんなが持てたというのは、新しい人間同士のシノプシス(※梗概、流れ)が生まれているんじゃないかと感じます。
六本木アートカレッジ「人類が地球に生き残るために、どうするべきか?」
俳優、映画監督、美術家の伊勢谷友介氏は、「人類が地球に生き残るために何かできるのか」をテーマに、 主宰する「REBIRTH PROJECT」でさまざまなプロジェクトを展開してきました。特に、3.11東日本大震災以 降は精力的に活動を広げています。それは未来にとってどんな可能性を持っているのか、私たちは日常的 にどんな心構えが必要なのか?森美術館チーフ・キュレーターの片岡真実氏との対談で、アートもビジネス も社会問題も一体となって考える、広い視点から見た未来について語ります。
伊勢谷友介とリバースプロジェクト その理念と実践に迫る インデックス
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第1章 世界中の人が日本人と同じ生活をするには、地球が2.5個必要
2012年03月22日 (木)
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第2章 人類が地球に生き残るためのプロジェクト
2012年03月23日 (金)
-
第3章 お米じゃなくて田んぼを買って、生産者と消費者の関係を変える
2012年03月26日 (月)
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第4章 デッドストック商品をデザインの力で蘇らせる
2012年03月27日 (火)
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第5章 3.11で問われたリバースプロジェクトの真価
2012年03月29日 (木)
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第6章 ソーシャルメディアが税金のあり方を変える
2012年03月30日 (金)
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第7章 新しい民主主義の形
2012年04月02日 (月)
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