記事・レポート
「仕事に快楽を」Francfrancをつくった男の仕事哲学
髙島郁夫『遊ばない社員はいらない』出版記念セミナー in 日本元気塾
日本元気塾キャリア・人経営戦略
更新日 : 2011年07月21日
(木)
第5章 自分が欲しいもの、行きたい店、受けたいサービスを提供する
髙島郁夫: 「好かれることが大事」ということも本に書きました。聞いたことがあるかもしれませんが、「仕事、頑張れよ」と女子社員の肩を、好かれている男がたたくと励ましになるけれど、嫌われている男がたたくとセクハラになるんです(笑)。
上司は、やっぱり好かれないといけません。好かれるというのは、迎合したり、何か奢ったりして好きになってもらうのではなく、愛情を持って、その人のためを思って接することです。部下の成長を願うからこそ、上司は励ましたり、ときにしかったりするのです。しかられると大概の人はムカッとすると思いますが、一番よく自分をしかったお母さんのことを恨んでいる人はいませんよね? お母さんを恨まないように、自分に愛情を注いでしかってくれる人のことは、好きになるし、尊敬するのではないでしょうか。
「どこか憎めない」というのも魅力のうちです。「あいつは生意気なんだけれど、憎めないなあ」という好かれ方もあります。でもそれも裏側には、やっぱりまじめな部分や誠実な部分があるから好かれるのだと思います。
実はこうしたことを、最近、仕事に活かしているんです。リテールでは、お客様に商品を買っていただかなければならないのですが、世の中のマーケティング用語は「ターゲット」とか「戦略」とかばかりで、「好かれよう」とする言葉を全然使っていません。それはちょっと違うんじゃないかと思ったのです。
お客様は我々にとって敵ではないし、買う側・売る側のように、相対する人でもないはずです。「お客様って何だろう」と考えたら、友達でいることが一番大事なんじゃないか、それが「好かれること」なんじゃないかと思ったのです。
「お客様」という偶像を勝手につくりあげて、どんな商品をつくろうとか、どんな店にしようとか考えるのではなく、自分の友達に対して、「どんな商品があったら、どんな店だったら喜んでくれるかな」と考えればいいのです。従業員にも、そう話しています。だからバルスのスローガンも、これまでの「CUSTOMER No.1」を進化させて、「Customer, Dear Friend」にしました。
友達のことを考えるということは、結局は自分自身のことを考えるということです。自分がされてうれしいことを友達にしてあげれば、多分、友達もうれしいと思ってくれるはずです。だから本当に自分たちが欲しいものや、行きたい店、受けたいサービスを考えればいいのです。
私はいちいち壁にぶつからないと、こうしたコツをつかめなかったタイプなので、利口じゃないなと自分でも思います。きっと利口な人というのは、自ら経験しなくても、他人のこういう話を聞くだけで、センサーが働いて「なるほど」とコツをつかめるんじゃないかと思います。『遊ばない社員はいらない』には、そんなことがザクザク書いてあります。これ以上お話しすると、映画を観る前に映画の話をするみたいなことになってしまうので、この辺で終わります。
※次章からは、セミナー後半に行われた、青山フラワーマーケットの井上英明さんとのトークセッションの模様をお伝えします。
上司は、やっぱり好かれないといけません。好かれるというのは、迎合したり、何か奢ったりして好きになってもらうのではなく、愛情を持って、その人のためを思って接することです。部下の成長を願うからこそ、上司は励ましたり、ときにしかったりするのです。しかられると大概の人はムカッとすると思いますが、一番よく自分をしかったお母さんのことを恨んでいる人はいませんよね? お母さんを恨まないように、自分に愛情を注いでしかってくれる人のことは、好きになるし、尊敬するのではないでしょうか。
「どこか憎めない」というのも魅力のうちです。「あいつは生意気なんだけれど、憎めないなあ」という好かれ方もあります。でもそれも裏側には、やっぱりまじめな部分や誠実な部分があるから好かれるのだと思います。
実はこうしたことを、最近、仕事に活かしているんです。リテールでは、お客様に商品を買っていただかなければならないのですが、世の中のマーケティング用語は「ターゲット」とか「戦略」とかばかりで、「好かれよう」とする言葉を全然使っていません。それはちょっと違うんじゃないかと思ったのです。
お客様は我々にとって敵ではないし、買う側・売る側のように、相対する人でもないはずです。「お客様って何だろう」と考えたら、友達でいることが一番大事なんじゃないか、それが「好かれること」なんじゃないかと思ったのです。
「お客様」という偶像を勝手につくりあげて、どんな商品をつくろうとか、どんな店にしようとか考えるのではなく、自分の友達に対して、「どんな商品があったら、どんな店だったら喜んでくれるかな」と考えればいいのです。従業員にも、そう話しています。だからバルスのスローガンも、これまでの「CUSTOMER No.1」を進化させて、「Customer, Dear Friend」にしました。
友達のことを考えるということは、結局は自分自身のことを考えるということです。自分がされてうれしいことを友達にしてあげれば、多分、友達もうれしいと思ってくれるはずです。だから本当に自分たちが欲しいものや、行きたい店、受けたいサービスを考えればいいのです。
私はいちいち壁にぶつからないと、こうしたコツをつかめなかったタイプなので、利口じゃないなと自分でも思います。きっと利口な人というのは、自ら経験しなくても、他人のこういう話を聞くだけで、センサーが働いて「なるほど」とコツをつかめるんじゃないかと思います。『遊ばない社員はいらない』には、そんなことがザクザク書いてあります。これ以上お話しすると、映画を観る前に映画の話をするみたいなことになってしまうので、この辺で終わります。
※次章からは、セミナー後半に行われた、青山フラワーマーケットの井上英明さんとのトークセッションの模様をお伝えします。
関連書籍
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該当講座
髙島郁夫(㈱バルス 代表取締役社長)×井上英明(㈱パークコーポレーション代表取締役)
11月11日発売「遊ばない社員はいらない~仕事の成果は、楽しんだ時間で決まる~」(ダイヤモンド社)刊行を記念し、日本元気塾セミナーを開催。髙島氏がバルスの経営を通じて得た独自の経営論はもちろん、いい仕事の根源となる、自分の生活を豊かにするために「もっと本気で遊べ!」という強烈なメッセージを送ります。
日本元気塾
キャリア・人 経営戦略
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