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「仕事に快楽を」Francfrancをつくった男の仕事哲学

髙島郁夫『遊ばない社員はいらない』出版記念セミナー in 日本元気塾

日本元気塾キャリア・人経営戦略
更新日 : 2011年07月14日 (木)

第2章 考え方を変え、行動すれば、試練もハッピーに変えられる

髙島郁夫氏

髙島郁夫: では、どういうことがわかったのか、ちょっとご紹介します。波線を横に一本書いて、それが人生の浮き沈みだと思ってください。上にあるのがハッピーなこと、下にあるのが辛いことだとすると、下の方に自分の軸を持っている人は、人生の出来事が全部上にあるからハッピー。逆に、上の方に軸を持つ人は、人生ずっとアンハッピーです。 

多分、神様はみんなを平等にしてくれていると思います。「俺は不幸だな」と思って生きるか、「ハッピーだ」と思って生きるかは、軸をどこに置くかで違ってくると思うのです。例えば、資産家に生まれた二代目が幸せかというと、それは単に資産があるかないかの話であって、それとハッピーかどうかというのは全く関係ないですよね。資産家だからといって病気にならないとは限らないし、資産がなくても健康で丈夫な体の人もいるかもしれない。多分、その辺は公平なんです。だから人生というのは、考え方次第で変わってくるのだと思います。

波線の下にある辛いことや悲しいことを、まともに受けてしまうと辛いので、そんなときは、よく言うように「辛いことは人生の試練」と思えばいいのです。「試練」という字は「試す」に、練習の「練」と書くから、まともに受けるんじゃなくて、人生のトレーニングだと思えばいいのではないかでしょうか。

私はトライアスロンをやっていますが、トレーニングは楽しいかどうかで言うと、楽しくはないかもしれません。けれどトレーニングはレースのためのもので、レースでタイムが良くなればトレーニングも楽しいことになります。だから、練習は楽しいことへの過程だと思うのです。人生には辛いことや苦しいことがあるに決まっています。でも、それは次のハッピーのための練習やトレーニングだと考えればいいんじゃないでしょうか。

他にも、仕事の例でこんな話があります。これまで真剣に「資金繰りが大変だ」という思いをしたことが、3回ぐらいありました。最初の頃は「お金がない。どうしよう」とずっと考えていました。会社の窓際に座って「ここからポンと飛び降りたら、保険で4億円ぐらい入って、会社が立ち直るな」なんて思ったこともありました。

会社がつぶれると、商品を押さえに来る人がいたり、取りつけ詐欺のような人が来たりして大変なことになる——とよく言われます。けれど「殺されはしないだろう」と思ったら、楽になったのです。「殺されやしない。生きているんだったら、何かしなきゃ」と思い、エクセルを使って自分で日別の資金繰り表を作るようにしました。すると「この辺が危ないな。このままだと、この辺で金がなくなるな」ということがだんだん見えるようになり、先回りして手立てを打てば何とかなるということがわかってきました。

私は大学では経済学部でしたので、会計について学んではいましたが、実際に自分でやってみて初めて会計というものがわかりました。授業では、なぜ借方と貸方があるのかということも、本当には理解していなかったのです。実践して初めて「ああ、こういうことか」とわかったのです。「どうしよう、どうしよう?」と悩んでいてもしょうがないのです。

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関連書籍

遊ばない社員はいらない 仕事の成果は楽し

高島郁夫
ダイヤモンド社


該当講座

「遊ばない社員はいらない」出版記念
~仕事に快楽を~Francfrancを作った男の仕事哲学
髙島郁夫 (株式会社バルス 代表取締役 社長執行役員)
井上英明 (株式会社パーク・コーポレーション 代表取締役)

髙島郁夫(㈱バルス 代表取締役社長)×井上英明(㈱パークコーポレーション代表取締役)
11月11日発売「遊ばない社員はいらない~仕事の成果は、楽しんだ時間で決まる~」(ダイヤモンド社)刊行を記念し、日本元気塾セミナーを開催。髙島氏がバルスの経営を通じて得た独自の経営論はもちろん、いい仕事の根源となる、自分の生活を豊かにするために「もっと本気で遊べ!」という強烈なメッセージを送ります。


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